【プレミアム限定】攻守に渡り新潟を圧倒した琉球がリベンジを果たす(79-89)

3月11日(日)、聖籠町町民会館で開催されたbjリーグ、新潟アルビレックスBB対琉球ゴールデンキングス戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

この試合のペースをリードしたのは琉球。インサイドでのアタックを軸に、リバウンドからのトランジションで得点を重ねる得意のパターンでゲームの流れを支配。常に追い上げる展開となった新潟は苦しいながらも点差をキープし、第4Qの立ち上がりには2点差まで迫る。しかし大事な場面でミスが出てしまい、琉球はここから確実に得点を重ねて逃げ切った。

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琉球ゴールデンキングス

桶谷大HC

-今日の試合の総括について
相性ですかね。もしかしたら、フィジカルにガンガンやってくるチームとの相性が、今のスタートメンバーは良くないのだと思います。でもそれを解消できたのは、第4Qのデカい2人(#1スニードと#33ラーカイ)を入れた時点からいいリズムになったので、これがこれからのオプションとして繋がっていくのかなと思います。ラーカイとスニードを一緒に使うのは初めてだったので、あの時間帯はチャレンジしました。何かしらチャレンジしたいと思っていたので、こういったフィジカルなインサイドのチームに対して功奏したと思っています。

今日はみんな一生懸命に頑張ったんですけど、第4Qの始めにインサイドのラーカイとスニードが体を張ってくれて、その中でマクヘンリーがリバウンドを取りにいけていた、これに尽きると思います。彼ら3人が体を張ってよくやってくれたと思います。

もっと(点差を)引き離せる場面があったんですけど、そこは小松君、一番注意しろと言っていたところでやられてしまいました。トランジションのディフェンスですね。

あの時も、審判に文句を言ってた(選手の)所で点数を取られていて、そんな事よりもコミュニケーションを取れと。そこは自分自身、もっともっと選手にやらせていかないとと思います。もちろん審判に文句言いたくなるのも分かるけど、ボールが止まってない状態で抗議したって(判定が)変わるものでもないし。それだったら止まった時に話す余裕を持つと言うか、やるべきことを考えて、もう1回プレーさせたいと思ってます。

-この2試合では並里選手をかなり引っ張って使うなど、試している部分があると感じたのですが(バスナビ)
並里君に関しては、プレーに慣れて、いろんな経験を積ませたいですよね。良くも悪くも、試合にならないと出ない部分というのがあるので。やはり試合をしっかりとこなさせて、どんどん経験を積ませたいと思ってます。悪い時でもある程度引っ張って(使って)、またビデオを見させてチェックして、という風にやっています。

与那嶺が悪い訳じゃないんですけど、並里がちょっと悪いんじゃなくて、ガクッと落ちた時に(与那嶺選手が)まとめてくれるので、その意味では、そういった選手起用をしっかりとプレイオフまでに作っていきたいです。(並里選手が)ちょっとくらい悪くても、自分で立て直せるようになって欲しいと思ってます。

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#9小菅直人選手
※質問は全てバスナビ

-この2試合を振り返って
金曜、土曜と、新潟に来る前の練習からリバウンドであるとか、ディフェンスのルールをしっかりと意識しながらやろうという話はしていました。土曜は軽いわけじゃないですけど、激しい部分をやることが出来ませんでした。昨日は負けるべくして負けた試合だったと思います。

今日はそれをしっかり修正できるようにということで、(ゲームの)入り方を意識しました。でも40分間はやり通せてないので、今後また新潟さんと当たるのは有明しかないですけど、これまでの試合もそうだし、そういった細かい部分をやっていかないと簡単には勝てないと思っているので、しっかりと修正していきたいです。

-チームとしては去年のメンバーをベースとしつつ、新戦力も加入しています。現状でこのチームとしての手応えはどうですか?
シーズン終盤であと少ししかないですが、ようやく選手それぞれの役割ということを、それぞれが意識しながらやれるようになってきています。まだコミュニケーションが取れない部分があるので、完璧というのは無いかもしれませんが、シーズン最後までには・・・でも形はしっかり見えているので、その完成形までどこまでアジャストできるか、持っていけるかというのが大事になると思います。ただそれを目指すためには、思い切りよく激しいプレーをしなければ何の意味もないので、まずは気持ちの部分で持っていければと思ってます。

-チームの日本人選手では唯一、沖縄県外出身の選手ということになりますが、それを感じることはありますか?
みんなすごく仲がいいし、みんな良くしてくれるので、疎外感を感じることはないですが(笑)、たまに話がヒートアップしていって、方言で話されると、「ん?」と(笑)。

でも日本人選手だけじゃなくて外国人選手も含めていいコミュニケーションは取れているし、それがなあなあになるのではなくて、コートの上ではしっかり物を言えるというチーム関係は築けていると思うので、そこは全然問題ないと思います。

-現在のチームでは、日本人選手では澤岻選手に続いて2番目のベテラン選手という立場になります。若い選手も多いチームで、そのような立場を意識することはありますか?
技術とかはそれぞれの選手がキングスの武器になっているのですが、やはり精神的な部分であるとか、選手以前の人としての部分については、気づいた所は言うようにしていますし、そういった所でチームの和というものが出来上がって来ると思います。

-もう30ですからね。
そうですね、気づけば三十路になったので・・・というのを僕はあまり意識しないというか、三十路になったからどうのこうのというのは意識しないように、自分に言い聞かせています。守りに入りたくないので。

-新潟に入団したのは大学を出た時で22才、今30才で、恐らく選手のキャリアとしては一番いい時期にいると思うのですが、この先も含めて、自身のキャリア全体をイメージすることはありますか?
全体よりも、いま与えられているこのチャンスであるとか、自分の体の感じからして、まだ出来る限りのことはしたいと思っています。自分の中で30才だからとか、ベテランだからとか、そういった意識は持たないようにしています。

ただ年齢に勝てない部分はたぶん出てくると思うので、それはその時に変わっていくのではないかと思います。

-プレーを見ていても相変わらず跳ぶし走る印象なんですが、自分自身ではフィジカル面での変化を感じますか?
回復力くらいですね。練習やゲームをやっていて、走れなくなった、跳べなくなったというのは全然感じないです。ただ(疲れが)残りやすいというか、抜けにくくなったというのは思っているので、それはそれで酸素カプセルにたくさん入ったりとか、ケアを多くするという工夫はしています。

-その意味では、沖縄という土地の環境の良さを感じるでしょうか?
そうですね、環境はものすごくいいと思います。新潟を出た後も、新潟ではいろいろサポートしてもらっていたんだなと感じますし、沖縄でもとてもサポートしてくれる環境というのがあるので、感謝ですね。新潟の時も感謝していたし、沖縄でも感謝しています。

-現時点で、このチームが有明で優勝するというイメージは、見えているでしょうか?
去年シーズンが終わって、新チームが決まった時点で目指すのはそこと見えているし、レギュラーシーズンが進むにつれて手応えをすごく感じています。イメージそのものはしっかり出来ています。

ただ、やるべきことをやらないと昨日のような試合になりますし、そういった部分での厳しさというのを自分達に求めてやっていけば、絶対に優勝できると思います。

まずは残りのシーズンを戦って、プレイオフを戦って、まずは有明に行くこと。プレイオフに行くことはまず決めたので、次の目標は有明に行くこと。その上で優勝と、一個一個、階段を登っていければと思います。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
昨日はスタッツでウチのほうがたくさんのカテゴリで優位に立っていたことが勝利に結びついたと思うのですが、今日はリバウンド(43-51)もスティール(4-9)もアシスト(12-15)の数も負けているし、ターンオーバーが多すぎて(14)、そこからand1プレー(バスケットカウント)に繋がったり、相手のレイアップに繋がるという悪い傾向が出てしまいました。

もちろん我々の選手はよく戦ってくれたと思うのですが、ゲームの終盤にファウルトラブルになってしまいました。レフリーに判定の基準について質問したりしたんですが、ウチはビッグマンの選手がファウルトラブルになってしまうと小さくなってしまうので、ビッグマンがファウルトラブルになった時の対処法を見つけるのが、これからのチームの課題のひとつだと思ってます。

沖縄はスニード選手がインサイドで何回もアタックしている時に、我々はそれを止める手立てをすぐに見つけることができず、インサイドに対して小さく守っても逆にバックドアを許したりとか、そういったところで得点されてしまったのが痛かったです。

昨日は我々が持っているものを出せて、いいパフォーマンスが出来たと思いますが、今日は足りないところがたくさんあり、勝つことが出来ませんでした。もちろん、沖縄は素晴らしいチームですから、両チームともハードに戦いましたし、全体的には我々は首位のチームに対して、力強く戦えたと思います。今日は、彼らのほうが上回ったゲームだったと思います。

今日はマクヘンリー選手がどんどん1対1を仕掛けてきたんですけど、これに対する対処法も、ゲームの中でうまく見つけることが出来ませんでした。これも反省点です。

-相手のインサイドアタックについて、どのように対処しようとしたのか?(新聞)
ゾーンからマンツーマンにディフェンスを切り替える、これは有効だったんですけど、スニード選手に対するダブルチームが、そのタイミングが良かった時はしっかり守れていたんですが、何回か(タイミングが)遅れてしまい、やられた場面がありました。ダブルチームのタイミングをしっかり合わせるという必要があったと思います。