菊地勇樹“伝家の宝刀”3ポイントが次々炸裂、秋田が東北ダービー王者に(2月12日)

2月12日(日)秋田市立体育館で行われた秋田ノーザンハピネッツ―仙台89ERSの試合は、菊地勇樹がキャリアハイの22点、スワンストンも26点と大暴れし、仙台の猛追を振り切って“東北ダービー”初代王者の座を掴んだ。

第1Q、秋田は前日より改善されたコンビネーションを見せ、厳しい守備で仙台を苦しめる。オフェンスでもスワンストンがようやく実力の片鱗を見せ始め、ドレイトンとともにチームを引っ張る。

第2Q、仙台が前日から好調のフィッツジェラルドの3ポイント、バスケットカウントなどのスパートで秋田をとらえると、秋田出身の高橋の3ポイントで逆転。対する秋田もルーキーの田口やキアースの得点で再び1点をリードし、後半につなぐ。

後半開始直後に仙台は薦田の得点で再び逆転。しかしここから秋田の菊地が大爆発。3ポイント3本、ファウルを受けて大きく体制を崩しながらのバスケットカウントなど、このQだけで16得点を挙げてチームを強烈にけん引。スワンストンも同様にバスケットカウント、3ポイントと続き、この2人で秋田が完全にペースをつかむ。

最終Q、菊地の3ポイントが決まってオフィシャルタイムアウト(残り4:49)となった時点で秋田が11点リード、試合は決まったかに思えた。だが仙台はタイムアウト明け、フィッツジェラルドの怒涛の連続得点で一気に1点差に。勝負は分からなくなったが、すぐに秋田のスワンストンが3本のフリースローを落ち着いてすべて沈めると、仙台はフィッツジェラルドが痛恨の5ファウル。最後はスワンストンが再び3本のフリースローとテクニカルファウルの1ショットをすべて冷静に沈め、秋田が逃げ切った。

秋田は前日からプレーを大幅に改善。チーム全体が集中し、気持ちの入ったプレーで球ぎわの強さを見せた。26点を挙げた“新エース”スワンストンと、5本の3ポイントを含む22点と大活躍した菊地に加え、インサイドで気迫あふれるプレーを続けたドレイトンの貢献も光った。また、一番の人気選手ともいえる菊地が次々とシュートを沈めたことでホームのブースターの盛り上がりが最高潮に達し、雰囲気で仙台を飲み込んだ感も強かった。
仙台は圧倒的に高さに優っているにもかかわらずリバウンドで秋田の後塵を拝し、ターンオーバーや不用意なファウルも目立つなど、前日の勢いを保つことができなかった。

また、この一節は秋田、岩手、仙台の3チームが直接対決の勝率で争う“東北ダービー”の試合でもあり、注目を集めた。そしてこの試合に秋田が勝利した時点で3チーム間の対戦成績が5勝1敗となった。現在全敗の岩手とのシーズン最終節に連敗してなおかつ現在3勝3敗の仙台が岩手との残り2戦に全勝しても、直接対決の対戦成績で秋田が上回っているため逆転の可能性が消え、秋田の東北王者が決定した。
(文=宮川 紀元)

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写真提供:秋田SV-ハピネッツ

スコアボード

2月12日(日)14:00

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q 合計
秋田ノーザンハピネッツ 16 21 28 18 83
仙台89ERS 9 27 16 20 72

【スタート】
秋田ノーザンハピネッツ:#0カイル・スワンストン、#1イージェイ・ドレイトン、#10庄司和広、#11マイカル・キアース、#12菊地勇樹
仙台89ERS:#4志村雄彦、#9ジョニー・デュークス、#11橘佳宏、 #21ラシャード・シングルトン、#22ダン・フィッツジェラルド

【レフリー】
柚木 知郎(ゆずき ともお)/Gonzo(ごんぞー)/上田 信彦(うえだ のぶひこ)

【観客者数】
2311人

【主な個人スタッツ】
秋田ノーザンハピネッツ:スワンストン26点、菊地22点、ドレイトン12点10リバウンド6アシスト、キアース12点8アシスト
仙台89ERS:フィッツジェラルド26点、デュークス11点8リバウンド、トンチニッチ9リバウンド

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試合後の中村、ピアス両HC。秋田のドレイトン選手、スワンストン選手、菊地選手、仙台の高橋選手(バスナビ単独)のインタビュー(プレミアム限定)

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