【プレミアム限定】大阪エヴェッサ、仙台89ERS、HCと選手へのインタビュー(12月24日)

12月24日(土) 住吉スポーツセンターで行われた大阪エヴェッサ対仙台89ERSの試合後インタビュー。大阪、ライアン・ブラックウェルHC、青木康平選手、ウェイン・マーシャル選手。仙台、ロバート・ピアスHC、日下光選手。
(文=金澤 朱志)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
勝てたというのが前向きに捉えられるのかなと思ってます。ただその中で課題をあげるとするとディフェンス面です。第1Qに関しては7点に抑えられたんですけど、第2Qだけで22点も相手に取られてしまった。試合を通して59失点というのは我々のプラン通りだったんですが第2Qはちょっとやられすぎかなと。その中で相手に25本のオフェンスリバウンド、特に11番の橘(佳宏)選手といった日本人選手に飛び込まれて取られたケースが非常に目立っていたので、明日はボックスアウトを徹底して相手と競争するという気持ちを忘れずにやっていかないといけないと思ってます。

―今日は2-3ゾーンを効果的に使ってましたが最後の場面でなぜマンツーマンだったのでしょうか?
相手を混乱させるという目的があってマンツーマンをしたというのがありますけど、ゾーンをしているとリバウンドが取りにくいというケースがありましたので、最後はしっかり自分のマークマンについてボックスアウトを徹底出来る、またチップイン(のシュート)を簡単にさせないようにと意味を込めてマンツーマンディフェンスを最後は使いました。

―昨シーズン、少しだけ在籍した薦田選手が活躍しましたが。
一緒にコートで戦えたのは良いことだと思います。彼はポテンシャルを持っている選手です。また昨シーズンここに初めて来た時よりも良くなってますしこれからもハードに練習し続けることで更に良くなるんじゃないかなと思います。

―ブラックウェルHCにとっては仙台は古巣になりますが昨シーズン、震災があって休止になって、また復活してこうやって対戦出来るということに対してはいかがですか?
仙台がbjリーグに帰ってこれて嬉しく思います。中でも仙台のブースターはバスケットをよくわかってる方々が非常に多いですし、今日会場に来たブースターさんの中にも知ってる顔がありましたので、元気になってきてるなというのを感じてすごく嬉しいです。彼らがプレーをすることで仙台、宮城県や日本を元気にさせる象徴になるのかなと思ってますので、彼らと引き続き良いライバル関係というか、戦っていきたいと思います。

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ウェイン・マーシャル選手
―今日の試合を振り返って
非常にタフな試合でディフェンス合戦のようでした。後半に入って我々が全員で戦った結果が勝利に繋がったと思います。

―チームが今得点を取れていない原因はなぜでしょうか?
プレーするにあたって(チーム内で)競争していくというか競争心を持って激しくやっていくことと、あとはシュートを打つ時に自信を持ってシュートを打つこと、そういったメンタルの部分がかなり影響していると思います。シーズンは長いのでそこはしっかりと競争心を持って激しくやっていきたいと思います。

―日本人選手、外国人選手問わずやっていくということですか?
タレント性のある日本人選手が揃ったチームですし、チームとして結束して、そういったところをかき集めて、ひとつになっていけば更に(チームとしての)精度は上がっていくと思います。

―明日はリン・ワシントン選手が帰ってきますがどう思いますか?
もちろん帰ってくることは素晴らしいことでもちろん歓迎してます。彼はやはり我々のリーダーもありますし一番スコアリングをする選手になりますので彼が帰ってくることで明日は違うゲームを見せられて、点数ももっと取れるんじゃないかなと思います(笑)

―オールスターブレイクは何をしますか?
まだ決めてないのでじっくり考えます(笑)

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青木康平選手
―年内最後のホーム2連戦ですがシーソーゲームになりましたが試合の感想は?
勝って良かった、それだけです。

―エヴェッサの試合にしてはロースコアだと思いましたが?
リンがいないっていうこともあると思うんですけど、今日は前半から試合の最後までリバウンドをすごくやられすぎ。最後はたまたまシュートをブロックでしたけど全然良いバスケットじゃないですね。先週の秋田での勝ちがすごく良かっただけに、その真逆でした。

―要所ではシュートが決まっていましたが、青木選手ご自身はどうでしたか?
それは流れの中で、というだけでゲームを通して見たら全然良いバスケットじゃないです。

―リン・ワシントン選手がいない影響はどのように出ましたか?
アメリカ人のスコアラーで今日で言うとラベル(ペイン)が前半すごい良かったんですけど、ウェインは毎回ダブルチームに来られてるし、その対応でも人が絞りやすい状況。そこにリンが入っていればリンにもマークがきつくなるからスペースが空くんですけど、リンがいない分ウェインに(ディフェンスが)寄ってくるということと、僕にマークがべったりついたらボールが回らなくなった時にどうなるのか、という場面が今日何回もあったと思うんですけど、特に終盤に。彼(リン)の存在というのは大きですよね、そういう意味で。

―明日からワシントン選手が本格的に戻ってきますが、その間チームとして成長出来た部分はどこにありますか?
一番はボールがシェア出来るっていうことが先週の秋田戦に関してはすごく良かった部分だと思うんです。リンがいたらリンに頼りすぎてボールが止まっちゃう部分もあると思うんですけど、いなかったら逆にボールがよく回って的が絞りにくいっていう良いバスケットが出来た時は良かったんですよね。でも今日のバスケットっていうのはそこが無かったです。

―先週の秋田戦の後、ブログで影のMVPは竹田(智史)選手だと書いてらっしゃいましたが、あれはどういう意味ですか?
詳しくは言えないんですけど、チームってやっぱり生き物だと思うんですよね。目に見えない力を発揮出来る、それがバスケットの面白いところで。でもそれが少しでもマイナスに働けばウイルスのように伝染してしまう。そういった意味ではあの日タケ(竹田)はチームにとってプレー以外ですごく良いエネルギーをロッカールームで与えてくれたんです。それが試合に勝つっていう同じものを見れたきっかけだったので。だから戦術云々じゃなくて、そういうところがチームの面白いところだし僕らが今一番必要なところはそこだと思います。

―今日はクリスマスイブでサンタの格好をされたブースターもいらっしゃいましたが、ブースターの方には良いクリスマスプレゼントになったのかなと思いましたが。
(少し笑った後で)そう思ってくれてることを願います。もちろん負けてないので。マニアックというかバスケットをしっかり見てる方だったら「なんだ今日の勝ちは」みたいなものは思ってるかもしれないです。

―そういう意味で、明日はクリスマスですがどんなプレゼントをあげたいですか?
年内最後だし気持ち良く見てる人もスカっとするような僕らもスカっとするような、そういう勝ちをしたいですね。

―まだ年内1試合残していますが来年の抱負を教えてください。
ここまでしっかりレースに乗ってると思うんです。(順位で)6番目に入れば良いと思うんですけど、ホームコートアドバンテージ(を得る)なら1~3位ですかね。そこまでレースに乗っかっていれば、今までミスしてきた部分を後半から修正してチームとして熟成していくと思うので。1、2月までは僕らが成長する時期だと思うので、レースに乗っかったまま色んな膿を出していって、もっと良いチームになっていきたいです。

―ブースターに来年のメッセージをお願いします。
2011年は大変な年だったと思うんですね。僕自身もそうだったしアパッチが休止になったり。少なからず大阪にいてもいろんな影響があったと思うし、今でもそうだし。上を向いている状況で、仙台もそうだし、2012年は大阪エヴェッサとしてもbjリーグとしても日本という大きな意味でももっと元気にやっていきたいなと思います。そのためにはみなさん(ブースター)の力が必要なんで足を運んでもらいたいなと思います。

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仙台89ERS

ロバート・ピアスHC
―今日の試合を振り返って
チームとしてこの1週間大阪戦に向けていろんなことを話し合って準備してきた。ディフェンスもオフェンスもそのほとんどが機能していたと思います。ただクロスゲーム(接戦)の最後の1本を決められなかったところが非常に残念で悔しい。大阪さんで言えば青木(康平)選手や(ケビン)タイナー選手が要所でビッグプレーを決めたりというのがありましたが、うちの選手にも同じようなことを話しまして、試合の流れを決めるような大きなプレーは(シュートを)決めきらないといけないということが大切だという話をしました。あと薦田(拓也)が震災の後、レンタル移籍で大阪さんに非常にお世話になって、今日もコートの中でオフェンスもディフェンスも貢献してくれたので、そういう意味では彼は良い恩返しも出来たと思いますし良かったと思います。

―特に第1Q、大阪のディフェンスに苦しんだと思いましたが第2Q以降、指示したことは何でしょうか?
指示したことは、大阪が非常に良いディフェンスをしている時でも、こちらもディフェンスからしっかり入ろうと。ディフェンスをちゃんとやることで上手く間を離されずについていくということは話しました。ただちょっと違ったのはうちの選手の場合、決めきれなかったシュートが何本かあって、そういうところでは大阪さんのほうがメンタルも上だったろうし頑張りもあったのかなと思います。今の状態だとロッカールームに帰ってきても誰一人お互いを指摘するような話も無いし、逆に言われると困るというような顔の選手もいるので、そういう意味で言うとお互いが罵り合うのではなくて、そういう会話があっても良いのかなという気はします。

―先週2連敗があってからミーティングがあったということですが特にどんなことを話して今日の試合に臨まれたのでしょうか?
チームで話し合ったのは、もう1回チームでしっかりひとつになって戦うということ。バラバラにならないように、というのがおおまかな議題で話し合った内容です。そういう意味で言えば今日は志村(雄彦)が40分間しっかりとチームをまとめあげて、特に試合のテンポをコントロールしてくれた。速める時は速める、遅くする時は遅くするというところで。

―最後の場面はどういったオフェンスを選択されたのでしょうか?
うちには能力の高い選手がいるので、その能力の高い選手のうちのひとりにボールが渡って最後に(得点を)取る、という話はしました。ちょっとシュートを打つのが遅かったのかなというのもあるんですけど、大阪さんのディフェンスもタイトでしたし、もうちょっと何秒か早く(シュートを)打ってたらまた違ったのかなと。ダン・フィッツジェラルドのところにボールが回った時に彼が(シュートを)打ってれば、というのはありました。誰であれ最後ボールを持った選手がちゃんと時間内に決めろという指示でした。

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日下光選手
―今日の試合を振り返って
1点差でも負けは負けなので勝てなければ何にも無いと思っているので。ああいうゲームが出来たことで後は勝ち切ることだと思います。

―外国人選手がひとり抜けた中でこういうクロスゲームが出来たのは逆に収穫でしたか?
そういう状況でもまとまるのがチームだと思いますし、正直勝ちたかったので悔しいです。

―ピアースHCは試合後に選手同士が話し合うような場面が必要ではないかということを仰ってましたが日下選手はそれについてどう思いますか?
チームスポーツですから声をかけあうのはすごく大切なことだと思うので、そう言われてるのであれば今以上にやっていく必要があるかなと思います。