12月23日（金） 船橋アリーナで行われた千葉ジェッツ対新潟アルビレックスBB戦の試合後インタビュー。千葉、エリック・ガードーHC、石田剛規、板倉令奈選手。新潟はマット・ギャリソンHC、根東裕隆選手。
（文＝定山 敬/写真＝西本 匡吾）
千葉ジェッツ
エリック・ガードーヘッドコーチ
―今日の試合を振り返って
自分たちのファールトラブルを抑えよう目的で始めた2-3ゾーンを長く引っ張りすぎました。結果的に３Pシューターをオープンにしてしまい、高い確率で決められました。コミュニケーションミスもありました。後半しっかりプレーして追い上げる事が出来ると分かっていました。一時期は一桁まで追い上げましたが、大事な場面でリバウンドが取れず、ホルム選手には19のリバウンドを許しました。
新潟は第1Q素晴らしい出だしで、千葉は悪い第2Qで前半を終えました。後半はしっかり立て直すことが出来たと思います。池田選手が3ファールした時に、アタックできる場面がありましたが、そこで躊躇（ちゅうちょ）してボールを回していました。本当なら早い段階で4つ目のファールを誘うプレーをするべきでした。明日は自信をもって勝ちに行きたいと思います。
―新潟の印象は？
似ていますが、日本人選手のサイズは新潟の方が大きいと思います。３Pシュートの確率も千葉よりは遙かに良いと思います。
両チーム共にあと一人（ONE PIECE）足りない感じです。その一人が加わると両チーム共にもっと良くなるのではないかと思います。
コーチ（マット・ギャリソン）も優秀です。世界は小さいもので、彼の伯父が私と同じ地元出身（ウィスコンシン州のオークレア）で、しかも私の小学校の時の先生だというのを、先程知りました。
試合とは全く関係ない話です（笑）
―失点が多く続いていますが、今後の修正点は？
千葉は新潟と同じくリーグ内でファールが多いチームです。どうしてもファールを抑えようとすると（マークが緩くなった）失点を増やしてしまいます。新潟も同じスタイルなので、今日はフリースロー100本くらい打つ試合を想像していました。
教えているディフェンスのスタイルを貫くと直ぐにファールを取られるので、あまり気持よくディフェンスが出来ないのが正直な所です。
bjリーグだけでなく、日本のバスケ全てに言えることですが、バスケそれ自体は見た目以上にフィジカルだということです。プロはある以上は少しくらいファールでは気にしない選手が多いと思いますし、もっとフィジカルなプレースタイルに慣れることが大事だと思います。それに慣れる事が出来れば世界レベルでも戦っていくことが出来ると思います。
これは今日のジャッジ批判ではありません。全体的な印象の話です。改善できれば日本のバスケにとってプラスに働くと思っているからです。
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石田剛規選手
―今日の試合を振り返って
前半の点差をそのまま引きずった感じがあるので、前半ファールケアする戦い方だったのですが、ケアする中でも、もう少し固いディフェンスをして、簡単に３Pシュートさせないようにしなければならないと思います。明日はそうしていきたいです。
―短い出場時間ながらも12点あげましたが、自身のプレーについては？
そうですね、得点に絡むことが出来たと思いますし、３Pシュートも少ないチャンスでしたが、決める事が出来たのは良かったと思います。これを続けていきたいですし、ディフェンスでも貢献したいと思うので、もっと（積極的に）前から相手にプレッシャーをかけられるようにしたいと思います。
―勝率5割を切りましたが、アップダウンが激しくフラストレーションは無いか？
アップダウンがあることは事実ですし、反省しなくてはいけないのですが、とりあえずは目の前の1戦1戦を戦いたいと思います。新潟も今シーズンは2試合しか対戦しないので、明日負けると得失点差を含めて勝ち越すことが出来無いので、勝つにしても今日を上回る得点差にしていかないといけないと思います。13点差以上ですけど、そういった事も意識して戦っていきたいと思います。
アップダウンがあるなら、（今日がダウンで）明日がアップになるように頑張りたいと思います（笑）
―新潟の印象は？ 似ている感じがしますが？
そうですね。前半の戦い方でこの得点差になってしまいましたが、ペースや戦術はそんなに難しい相手ではないと言いますか、似ている感じはあるので、ポイントポイントをしっかり抑えて、明日は自分たちのペースで、相手を苦しませる事が出来ればなぁと思います。
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板倉令奈選手
―今日の試合を振り返って
前半の点数差が全てだと思います。
ファールトラブルを避けるためにゾーン（ディフェンス）しましたが、シーズン始まった時から変わっていないです。。あまり機能していないです。そのクウォリティであれだけ長い時間引っ張ると、新潟のようなシューターが居るチームには格好の餌食（えじき）かなと。
当然の結果だと思います。
―どの部分が機能していないのか？
新潟はトランジションを速くしてきます。うちはトランジションがあまり良くないですし、当然新潟はスカウティングしていると思います。うちがゾーンを敷く前に攻められていました。そこが課題だと思いますし、コミュニケーションが全然取れていないですね。どこから（ボールを）受け渡すのか、どこをケアして、どこを捨てるのか、そういった所で、相手のメンバーを見ながらゾーンが出来ていないです。
もっともっと練習していかないといけないと思います。
―スカウティングで池田、小松選手といったシューターが居ることは確認していた？
はい。その二人が３Pを多く打っていることは確認済みですし、池田選手は確率も50%超えていることも知っています。ただゾーンディフェンスに関しては殆ど練習出来ていないですし、それが露呈した感じです。
―ボールを振られるとどうしてもディフェンスも振られる印象を受けますが？
そうですね。ご覧になった通りだと思います。ドリブルを突かないオフェンスは極端に苦手で、同じような1対1を仕掛けるチームであれば良いのですが、そこが課題ですね。
―（千葉と新潟の）タイプは近い感じはしましたが？
新潟もサイズを小さくしていますし、ホルム選手が入っても極端に大きくなる訳ではないですが、バスケットの質は全然違うと思いました。
―どの部分が違いますか？
個々の選手能力は千葉の方があると思いますが、うちは個人で打開する時間が長すぎる気がします。新潟はしっかりパッシング（パス）で崩していていました。うちはチームとして能力を使いこなせていない時間帯が多いですね。
―勝率5割を行ったり来たりしていますが？
富山戦（12月17日、18日）くらいから意識的に良くなったと思いますが、今日はまた少し後退してしまったかなと思います。富山戦の前よりは酷くないと思います。
直ぐに改善するのは難しいので、少しずつ乗り切れたら良いなと思います。
―第2Q、千葉にアシストが1本も無かったですが？
そこをチームの全員が分かっているどうかですね。責任感のある選手が多く、ビハインドになると『俺が何とかしよう！』と思う選手が多いので、そこを俺がではなく、『ジェッツで何とかしよう！』と思わないととトータルのアシスト数でも（この試合、千葉は11 新潟は20）リーグで下の方になってしまいますね。
シュート確率にも関係しますが、良いパスを回せば、良いシュートチャンスが生まれる訳で、シューターの確率も高くなっていくと思います。
―田中選手は良いボールがキックアウト（パスアウト）されずに苦しんでいる感じを受けますが？
そうですね。石田も佐藤もそうですね。うちは本当に良いシューターが居るので、そこを何とか活かすことができれば良いなと思います。
そういう意味では自分が今はミスマッチをついてインサイドでプレーして、逆サイドにボールを振ったりしようと考えているのですが、もう少し結果が出せれば良いと思っています。
この前の富山戦が自分の中での開幕戦だと思っています。
その前までは個人で何とかしていましたが、富山戦は1勝1敗で終わりましたけど、皆でボールをシェアしようと思い、今までの18試合とは違うと私個人は感じました。
富山戦からスタートかなと思いますね。
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新潟アルビレックスBB
マット・ギャリソンヘッドコーチ
―今日の試合を振り返って
試合後に千葉のエリック・ガードーHCが明日はもっとリバウンドを取ること、気持ちを全面に出すことをインタビューで言っているのを聞いて、明日は相手が出だしから気持ちを出して戦ってくるでしょうし、リバウンドにも積極的に飛び込んでくると思っています。
チームは最初の5分間非常にアグレッシブでしたし、シュートも決まっていましたし、フリースローも良かったでし、ボールも上手く展開出来ていたと思います。ディフェンスについてはもう少し向上できる余地はあるのかなと思いますが、思い描いていた通りの試合展開でした。
第3Qの開始にリードを守ろうとしてしまった事が流れを失う原因になったと思っています。リバウンドが取れたことで、試合最後の3分間は良い仕事が出来たのではないかと思います。
明日大切な事は、全てのクウォーターでしっかり自分たちの気持ちを出して戦うことです。
―第3Qにマンツーマンからゾーンに変えた理由は？
ファールトラブルを避ける為です。
―そのゾーンの裏側を攻められていたと思いますが、対策は？
ヘルプディフェンスが自分の守るべき場所から大きく離れてしまっている、オーバーヘルプしていると、試合後のミーティングでも言いました。明日はその部分がキーになると思います。
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根東裕隆選手
―今日の試合を振り返って
前半の入り方はチームのやりたい事が出来たましたし、オフェンスもディフェンスも上手く出来たと思いますが、後半の出だしは前半と全く違う感じだったので、その部分で接戦になってしまったと思います。明日はその部分をしっかり修正していきたいと思います。
―試合と同じように前半好調でしたが、自身のプレーについては？
走れていましたし、ノーマークになっていたのでシュートも打てましたが、後半も同じ感じでいかないといけなかったのですが、何故かわからないですが、走らなくなりましたし、ディフェンスも意思の疎通が出来なくなりましたし、雰囲気が悪くなりましたね。
―千葉はファールを貰いに来るプレーが多く、ファールトラブルになり易いですが、その部分も原因ですか？
外国人選手もそうですし、自分もそうでしたね。ファールが多かったのは多かったと思いますけど、それでもやるべきことをしっかりやらないといけないと思いますし、前半のようなバスケをするべきだと思います。
―（佐藤）公威選手のケガやキーフ選手の帰国もありますが、チーム状態は？
やることは一緒ですし、（ケガは）仕方のない事だと思っているので、一つ一つの試合をしっかり戦っていくことだと思います。勝つことが二人（佐藤、キーフ）にとっても良いことだと思うので、結果をしっかり残してやっていきたいと思います。
―ヘッドコーチから求められていることは？
つなぎ役ですね。ハイポストからのつなぎです。ボールを逆サイドに振ったり、ローポストへのパスを出したり、ピックアンドロールでのスクリーン役をしたり、そういったことを全部やろうと思っていますし、求められています。
―今日は相手の2-3ゾーンに対して「つなぎ」が上手く出来ていたと思いますが？
そうですね。ずっと練習でもやってきていることですし、仕事ですから。
―自分の役割はしっかり出来ている？
ミスも多いので、ミスが無くなれば全然良いと思います。もっともっとシューターにシュートを打たせたいと思いますし、自分でも（シュートに）行けると思うので、判断を良くしていきたいです。
―ブースターへコメントを
走るチームでもあり、シューターがシュートを決めるチームなので、シュートどんどん打って決めて盛り上がっている姿を見て、楽しんでもらいたいと思います。
応援宜しくお願いします。
