【プレミアム限定】千葉・ガードーHC。富山・下地HC、アイラ・ブラウン、城宝選手インタビュー(12月18日)

12月18日(土) 八千代市民体育館で行われた千葉ジェッツ対富山グラウジーズ戦の試合後インタビュー。千葉はエリック・ガードーHC。富山は下地一明HC、アイラ・ブラウン、城宝匡史選手。
(文=定山 敬/写真=西本 匡吾)

千葉ジェッツ

エリック・ガードーヘッドコーチ

―今日の試合を振り返って
今日は選手たちを褒めたいと思います。本当に感謝しています。選手一人ひとりがチャンスを自分の物にしてくれたと思います。勝つことそれ自体よりも勝ち方が重要だと思っています。追い上げる展開から逆転に成功しましたから。
板倉が素晴らしい仕事をしてくれたと思います。指示通りにオフェンスで相手をファールトラブルに追い込んでくれました。一色(翔太)も水戸選手にしっかりディフェンスすることでオフェンスのリズムを崩すことが出来ました。これも指示通りです。今まで無かったインサイドの存在感も、スタテンとモリヴァの二人が良い活躍で攻守で貢献してくれました。中村も第2Qでしっかりリバウンドを取ってくれましたし、オフェンスではシュートが決まりませんでしたが、総合的に活躍してくれたと思います。
ハーグローとはずっとプレーしてきたこともあって、試合終盤のベースラインからのインバウンドプレーでしっかりシュート決めてくれました。もう何十回と一緒にやってきているプレーです。スタテンも良いスクリーンをかけましたし、板倉も良いパスして、ハーグローとスタテンの二人を記者会見ではありま褒めませんが、スタッツを見れば彼らの活躍が分かると思います。
今日は本当にブースターに感謝したいです。
満員の中、素晴らしい歓声で、その声援に選手たちも後押しされて気持よくプレーできたと思います。まだシーズンは続きますので、是非今後も会場に足を運んで欲しいと願っています。

―今日は第1Q最初から2-3ゾーンにしていましたが?
序盤ゾーンすることで、ファールトラブルを避けたいと考えていました。後半は持ち味でもあるマンツーマンでアグレッシブに仕掛けたかった事が理由です。ある程度ファール出来る状態で後半に挑みたかったからです。

―2、3連続で相手にシュートを許した場合、次の千葉のオフェンスは必ずモリース・ハーグロー選手から始まります。しかも彼はパスを殆ど出さずにシュートしていきますが、戦術的にそう指示しているのでしょうか?
ハーグローとは関係が長く、言葉を多く使わなくても意思の疎通が出来ますが、まだ他の選手たちについては関係性を確認しあっているところです。ハーグロー自身の性格もそうさせていると思います。得点能力が高い選手なのでオフェンスに注目が集まりますが、今日は城宝選手に対しての守備は素晴らしかったと思います。是非彼のディフェンスにも注目して欲しいと思います。シーズン序盤にも秋田のガーデナー選手を5点に抑えていました。

―第4Qに一色選手に凄い勢いで指示していましたが、どんな指示だったのか?
インサイドへのヘルプをしなくても構わないから、一色には水戸選手に対する仕事をしっかりするようにと。水戸選手をオフェンスから外すことでリズムを狂わせたいと考えていました。
チームとしてこれからどんどん戦っていかなくてはいけないわけですが、今までの経験が今の自分を作っています。選手たちにも、こういったタフな試合(追い上げてから逆転)を経験することで自分と同じようにコーチの意思をコート上で発揮できるようになっていってもらいたいと思います。それが理想です。

―今日はいつも以上に喜怒哀楽を出していてように思われましたが、何か理由があるのですか?
いつも喜怒哀楽を出していると思いますが、そう見えませんか。審判の目を避ける為に、今日は少しベンチの端で指示していましたよ(笑)

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富山グラウジーズ

下地一明ヘッドコーチ
―今日の試合を振り返って
負けは全部私の責任です。私自身が反省するしかないです。

―昨日、ダメと言っていたブラウンと水戸選手については?
アイラ(ブラウン)は非常に集中していました。水戸はまだ何かおかしい感じがしますね、正直。原因は分かりません。(水戸選手)本人が這い上がってくるしかないと思います。彼が機能しないとうちは弱い。それに尽きます。今日は勝っていたと思います。敗因は第3Qに私がタイムアウトを要求しなかったからです。力(ちから)としてはうちの方が全然上だったと思います。千葉は粘っこい良いチームだと思いますし、ヘッドコーチも良い人なので、チームとして纏まっている感じがします。
まだこれから強豪と戦っていくので、頑張って這い上がっていくしかないと思います。

―城宝選手が板倉選手ににマッチアップするので、ミスマッチを狙ってくる事は分かっていたと思いますが?
城宝にはあそこはディナイ(ボールを持たせない)しないさいという指示をしましたが、あれでファールコールされると選手は怖くなって積極的に行けなくなりますよね。

―今日は城宝、水戸選手の二人がファールアウトしましたが、今後の対処法は?
みんな分かっていると思いますよ。加藤、堀川、山城も分かっていると思います。自分たちがやらなくてはいけないと。加藤も上がってこない。堀川は最近右ドリブルが上手くなったと思います。今は徹底して練習させていますから。滋賀にいた時はドリブルついたことは無いと思いますよ。勝ち負けは確かに重要ですが、彼らが私とバスケを一緒にやって、心に残るものがあって、良かったと思えるものにしていきたい。それが結果として優勝につながっていければ良いのかなと思います。負け惜しみと言われても構いません。バスケを引退した後の方が人生は長いですから。人としてどうあるべきかを教えていくとが大切だと思いますし、今日のような試合もあるのだと選手も私も反省しないといけないと思います。

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アイラ・ブラウン選手
―今日の試合を振り返って
両チーム共に厳しい試合を続けていたと思います。試合の終盤にファールを取ってもらえなかった感じありましたが、タフに試合出来たと思います。

―前半3Pシュートが好調でしたが、意識して打っていったのか?
ドライブから得点する事は出来るので、意識して3Pで得点する事も自分の技の一つに加えていきたいと考えています。

―bjリーグ初めてのシーズンでキャプテンを任されていますが、bjリーグのスタイルに慣れましたか?
日本国内の移動には比較的簡単に慣れましたが、審判の試合の運び方、対戦相手についてはまだ慣れるのに時間がかかると思います。

―下地ヘッドコーチの印象は?
素晴らしいヘッドコーチです。完璧主義者で妥協を許さない人だと思います。自分自身でも完璧を求めているので、自分の良い部分を引き出してくれます。

―ブースターへコメントを
アウェイの試合でも応援に来てくれる人もいて、感謝しています。苦しい状況でもいつも応援してくるので、とても心強く思っていますし、そのブースターの為にももっと勝ちに繋がる試合をしていきたいと思います。

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城宝匡史選手
―今日の試合を振り返って
バスケでは負けていなかったと思います。うち(富山)の方が良いバスケをしていたと思いますが、審判のジャッジも含めてバスケなので、そこをアジャスト(適用)していかないといけないなと思いました。そこはチームとして反省点ですね。

―板倉選手とミスマッチになったが?
そうですね。第1Qの出だしで何本かやられてしまって。でも序盤だったので、それほど問題ではなかったですね。その後は抑えたので。

―昨日は40分間フル出場し、今日もファールトラブルにならなければフル出場になったと思うが、体力的に問題はないか?
全く問題ないですね。40分間フル出場出来る体(カラダ)をオフの間に作ってきているので、問題ないです。

―水戸選手のプレーについて
自分の良い部分を使えばいいのに、と思います。まだ若いですね。もっと賢く得点を取ることが出来る選手だと思います。スピードもジャンプ力もあって、平均20点くらい取ることが出来る選手だと思いますが、昨日も今日も消極的でしたね。昨日は話をして、もっと(積極的に)行け!と言ったのですが、なかなか…。

ー相手が2-3ゾーンで守ったこともあって、水戸選手は消極的になったのか?
それは関係ないと思います。私自身はあまり気にしていないです。相手がゾーンディフェンスだから何か(特別な事)をしなくてはいけないとか。ゾーンディフェンスでもマッチアップはあって、そこで1対1が起きるわけですから。そこ(相手のギャップ)を破ってパスを出すかと、レイアップに持って行くとか、そういうプレーをやって欲しいですね…。
ゾーンになるとパスする選手ばかり探して…。そこは経験ですよね。

―経験を生む出すものは何ですか?城宝選手自身はどうやって経験してきたのですか?
大阪に居た時はそういったプレーは全く出来なかったですね。ゲームを多く熟(こな)す内に、判断力がついてきますね。あとは録画した自分のプレーを見返したり、研究して、次の時はこうやってプレーしようと考えることです。トライアンドエラーして、出来るプレー、出来ないプレーが自分の中でも分かっていくと思います。だから、もっとやって欲しいのですよね、水戸には。ミスしても良いから。

―(水戸選手は)ゲームでの経験値が上がれば、もっと良くなる?
そうですね。トライしないと何も生まれない。やってみてダメだったら、実はやらなければ良いだけですし。彼にはそう言っているのですが…。

―今、富山は城宝選手がコートに居ないと攻撃の組み立てが上手くいかないように思えるが?
そうですね。今日もタフショットばかりで。コントロール出来ていないですよね。ボールもシェアしなくなりますし、ピックアンドロールやるならやるで、しっかりフォーメーション組んでプレーすれば良いのに、全部が中途半端で手詰まりになって、タフショットする。ゲームコントロールする水戸と私とが居なくなると厳しいですね。

―勝率が5割になかなか届かないですが?
みんな、自分たちの実力は分かっていると分かっていると思います。あとは試合で勝つという経験ですね。賢くプレーする事を学ばなくてはいけないですね。昨日ももっと引き離せるチャンスがあったのですが、ターンオーバー、ターンオーバー、ターンオーバーですから。今日もまだリードしていたので、退場してからもベンチで『まだ勝っているから、勝っているから』と声出していたのですが、現状のメンバーではコントロールするのは厳しかったのですね。

―この2連戦で2連勝すればMVPに選ばれるかなと思ったのですが?
逃しましたね(笑)千葉はスタテンとハーグローの二人が強烈ですね。彼らを抑えないといけないですね。

―インサイドではイニシアチブを取れたと思うが?
そうでうね。優(まさ)っていたと思います。ただ、得点数はこの2試合少なかったですね。今は色々と戦術的に試していることもあるので、そこも課題ですね。
それが使いこなせれば、フォーメンアウト(インサイド一人、あとの4人はアウトサイド)のヴァリエーションも増えると思います。