【プレミアム限定】秋田・中村和雄HC 大阪・ライアン・ブラックウェルHC 秋田・ウッズ選手、長谷川プレーイングマネージャーインタビュー(12月17日)

12月17日(土) 横手市増田体育館で行われた秋田ノーザンハピネッツ―大阪エヴェッサの試合後インタビュー。秋田:中村和雄HC、リッキー・ウッズ選手、長谷川誠プレーイングマネージャー。大阪:ライアン・ブラックウェルHC。
(文=宮川 紀元)

大阪エヴェッサ

ローレンス・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
試合を通して、秋田さんが激しいプレイをしてきたことが今日の結果につながったんじゃないかな、と思います。特にリッキー・ウッズ選手はタフショットも決め、いい状態でした。我々に関しては、前半オフェンスが停滞してしまって非常に苦しんだところを、後半に入ってからは少しいい兆しが見えてきたかな、と思います。

―オフェンスが停滞した原因はなんでしょうか?
ボールを回せなかったことがすべてだと思います。先ほども言いました通り、後半は少し修正できましたが、前半に関しては秋田さんの術中にはまってしまって外からのシュートを多用してしまったのがその要因だと思います。
秋田さんはダブルチームを徹底して仕掛けてきましたが、それは裏を返せばダブルチームじゃないと守れないということでもあると思いますので、ダブルチームをセットされる前に全員が足を動かして、積極的に動いていくことでもうちょっといいオフェンスにつなげられるんじゃないかと思っています。

―秋田のディフェンスがすごく良かったということですか?
もちろんよかったですが、我々が受け身になってしまった、リングに積極的にアタックすることを徹底できなかったのがすべてだと思います。

―次戦への課題は?
ディフェンスに関しても、タフショットを決められたとはいえリッキー選手にやられすぎたので、修正する必要があると思います。

―今日から復帰したワシントン選手の調子はどうですか?
けがから3週間空いたという状況では、非常にいいプレーをしてくれたと思います。まだ左腕は100%ではないですが、そういった中では非常によくやってくれたと思います。

********************

秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC

試合後の勝利インタビュー

ありがとうございました。マイケル・ガーデナーがいなかったのは、彼を中心に作ってきただけに相当苦しかったです。それで、スタイルを変えてみました。速くなくてもいいから、丁寧に、しっかりやろうと。
秋田に来て、長谷川と庄司が僕を相当支えてくれています。僕は相当にわがままで長生きだから。長谷川と庄司がいて、その下に水町がいる。そのずーっと下に菊地がいる。信平は、眼中にない。第2Q、(佐野)吉宗を使わないであえてガードを3枚にして、結果的にはこれが当たった。
これからも僕は長生きです、相当に長生きです。そして、おれたちには、長谷川と庄司がいる。長谷川は(出身地の)横手での試合だから、骨がくっついていないのに出たいといってきた。バカを言うんじゃない。おまえと庄司は有明で暴れるんだ。ほかのチームになくて、おれたちにはあるのは、長谷川と庄司なんですよ。
しかし、菊地もようやく髪を切ってきた。かっこいいぞ。でも、髪で見せるな、プレーで魅せろ、とずっと言ってるんですよ。マイケルがいなくて、みんなが我慢して役割を果たしてやってくれたと思います。選手にぜひ拍手を。

試合後記者会見

―今日の試合の総括
大阪はリン・ワシントンが復帰してきて、最初はゲーム勘が戻らなかった。その間にうちが得点をとれたことが大きいかな。

(シーズン)最初は3ポイントシューターを集めたんですよ。3ポイントで勝負しようと思って。そしたらシューターが怪我したりでいなくなって、マイケル・ガーデナーを中心にした。でもそのマイケルが骨折でリタイアして。これはちょっとこの前の(捻挫で欠場した)浜松の時と訳が違うので、これからもちょっと長い時間かかるでしょう。

この3日間の間で作り直したんです。オフェンススタイルを思い切って変えてみた。まあね、こういう引き出しはいっぱいあるよ、経験があるから。選手たちに丁寧にやらせた。でもまあリッキーはリッキーだから。みんなおとなしいから、リッキーはちょっと(ある程度自由に)行かそうと思いましたね。野獣みたいなのも一人はいないと。
あとは、再三言うけど菊地がもうちょっと…。20点取れって言ったんだ。大阪相手では、お前のチャンスは20点分あると。でもなかなかね。1本入ったり2本入ったりすると…あ、1本はまぐれだからね、あんなの。リングがアシストしてくれた、訳わかんない入り方で。2本目入って、これはくるな、と思ってもこないわけですよ。たぶんまだ、自分は20点取れるんだという気持ちはないと思うんですよ。早くそういう気持ちになってくれるといいと思いますね。

(ガーデナーが故障したことで)ポジションに関しては、まだまだ苦しい。カーティスの最後の活躍は、勝ちが決まった後だから面白くないんだ、僕としては。いつ決めるかの問題だから。大切なところでやってほしい。

ただ見てわかるとおり、マイケルがいないとボール離れが非常にいい。それからもうひとつわかっていたのは、ディフェンスが良くなるんですよ。マイケル・ガーデナーってのはほとんど守らないから。マイケルに、防御というのはないんですよ。いつでも攻撃だけなんですよね。そういう意味では、カーティスには守ろうとする姿勢がある。それはやりやすいんですけれど。

今日は、(序盤)ああいう風に点数取ると思わなかった。スタンの仕掛けが良かったかな。今日はもう少しロースコアと読んでいました。明日もまずは守備から。もうちょっとインサイドで(攻めて)くる気がするんだ、実際は。

とりあえず、相当ホッとしてますよ、正直。本当にホッとしています。なんでだかいつもめぐりあわせで、毎週のように相手(西)の1位がくるんだよね。今度、来週は(対戦予定の)京都が1位だったりしてね(笑)。まずはひとつ勝ってホッとしてますよ。

―オフェンスのスタイルを変えたというのは、具体的には?
5人にボールが回るようなバスケットをしたんですよ。フレックスというオフェンスと、スパイラルというオフェンスを組み合わせてやったんですよ。スクリーンをかけて、ボールと人が動くような。

―フリーで3ポイントが打てる場面が多かったですが、効果が出たということですか?
そうですね。まあ、リッキー・ウッズがもうちょっとボールを離してくれれば(さらにいい)。ちょっと調子が良くなると、マイケル・ガーデナーになるんですよね。(ガーデナーとウッズは)同じ大学だから。ついついマイケル・ガーデナーやっちゃうんですよね(笑)。もうちょっとこう、キックしてくれればいいかな。

―インサイドの頑張りはどうですか?
明日はもう少しきますね。(今日は)インサイドに集まりはじめた瞬間に、リン・ワシントンが外から2本決めたんですよ。第3Qに。これが逆にラッキーだったかな。それによって外に出てきて、外でプレーしようとしてくれたことがラッキーでした。外はそう入るもんじゃないからね。

―丁寧なバスケットということで、今日はかなりターンオーバーも減らせたと思いますが。
リッキー以外はね。今日はホワイトボードに「丁寧に」って雑な字で書いたから、明日は消して、丁寧に「丁寧に」って書き直すから(笑)。だから、頼むから丁寧にやってくれ。

―今日は会心のゲームかな、と思いますがHCの印象は?
「会心」というのがね、わからないんだ、いつも。あんまりそう感じないんですよ。ひとつひとつをどうやっていこうか、ってのが僕の感じなんですよね。

********************

リッキー・ウッズ選手
―今日の試合を振り返っていかがですか?
今日はチームとして本当に良くプレーできたと思います。最初から最後まで、アクセル踏みっぱなしで頑張ったという感じです。相手のチームにカムバックする余裕を与えずに最後まで振り切ることができたと思います。

―今日はディフェンスでもかなり頑張っていましたね。
勝ちにきてますから、コートにすべてを置いてくるつもりで、常に全力でやったので。

―大阪のマーシャル選手の印象は?
彼は本当にデカくて、強かったです。インサイドで押し込まれたときはこっちも押し返しますが、勝ったり負けたりなので常に全力で当たることが大切です。

―ガーデナー選手が故障で離脱しましたが、どうやって乗り切りますか?
個人的にどうこうではなく、チーム全体で彼の欠場をカバーして、違うスタイルのバスケットをがんばりたいと思います。

********************

長谷川誠プレーイングマネージャー
―出身地でのゲーム、自らは出られませんでしたが、振り返ってどうですか?
勝ててよかったです、本当に。特に増田は今年の夏に合宿で大変お世話になりましたので、ぜひ勝って恩返ししたいというのがありましたし、本当に良かったです。あとガーデナーが骨折したということで(逆境に対して)チームがひとつにまとまったので、一人一人が役割をこなした結果が勝利に結びついたんじゃないかと思っています。

自分が出られれば良かったかな、とは思うんですけど、その分しっかり治して復帰して、勝利に貢献したいな、と改めて強く思ったゲームでもありました。

―試合前、HCに出場を直談判したらしいですね?
まあ火曜日くらいから、シュートを打ち始めてアピールはしてたんですけどね。どうしてもまだ骨がくっついていないので、ちょっと難しかったです。しっかり治して、年内は難しいと思いますが、年明けにいいプレーを見せたいなと思います。

―HCから、「有明で活躍してほしい」というお言葉がありましたが、どう受け止めましたか?
いやもう、まさかそういう風に僕と庄司にかけてくれていると思ってなかったですし、それに応えられるように頑張らないといけないな、と改めて強く思いました。ジーンと強く胸に感じるものがありました。かなり響きました。

―HCは「長谷川と庄司が自分を支えてくれている」とおっしゃっていましたが、それを聞いてどうですか?
僕は立場上プレーイングマネージャーという、チーム全体を見なければいけない中で、プレーに専念しろと常に言ってくれていました。それ以外にもまあ多少ですけどカズさんを気にかけてやっていた部分が実ったというか、そういう風に感じてもらったのは非常にうれしかったです。