【プレミアム限定】インサイドで勝る新潟がトランジションで埼玉を突き放す(93-80)

12月17日(土)、新潟市鳥屋野総合体育館で開催されたbjリーグ、新潟アルビレックスBB対埼玉ブロンコス戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

序盤こそ埼玉のスローペースにリズムを掴めなかった新潟、しかし第2Q以降はインサイドで勝り試合を優位に進める。後半も新潟ペースで試合は進み、終盤にトランジションからの連続得点で埼玉を突き放した新潟が勝利した。

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埼玉ブロンコス

ナタリー・ナカセHC

-今日の試合の総括について
今日は新潟のスマートなプレーにやられてしまいました。すべての面で優位に立たれてしまい、特にポストマンに関しては非常に厳しい試合でした。プレシーズンで負傷したジェイミー・ミラーが復帰しましたが、(インサイドが)1枚ということで、非常に厳しい戦いになりました。

-新潟がサイズダウンしたメンバーでのスタートとなりましたが、この対処は?(雑誌)
特にそれに対応するということではなく、出来るだけいつものプレーをやろうとしていましたので、トランジションとパス回しに集中するように選手に指示しました。

-第1Qの入り方はよかったようですが?(雑誌)
実際には、第1Qの出来はあまり好きではありませんでした。いつもであればもっとアグレッシブに戦うのですが、シュートのタッチもあまり良くなく、オフェンスでもアグレッシブな部分があまり無くて、私としてはあまり好きな展開ではありませんでした。いつも通りであれば、もっと点差がついた展開だったと思います。

-ここ数試合は非常に小さなラインナップでしたが、今週からミラー選手が復帰しました。これに伴って戦い方はどう変化しますか?(バスナビ)
ここ数週間、スモールラインナップで試合をしてきましたが、もちろんクイックネスや早い展開といった利点もありました。私自身はそんなに外のシュートに頼りたくないというのはありましたので、もちろんジェイミーが戻ってきたことによって、インサイド・アウトサイドが効果的に使えるようになったというのはあります。

-新潟のインサイドの2人に関して脅威を感じましたか?(新聞)
どのチームも脅威です。信州もそうですし、滋賀もそうでした。シャキール・オニールがいたロサンゼルス・レイカーズがそうだったように、インサイドが強ければ、それだけでアドバンテージになります。我々のようにインサイドが弱いとアウトサイドばかりになってしまい、今日のような結果になってしまうと思います。

-欠場しているフラワーズ選手のステイタスについて教えて下さい(バスナビ)
日に日に良くなってはきています。恐らく来週中にはなんとか復帰できると思います。

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#15寺下太基選手
※質問はすべてバスナビ

-今日の試合について
僕らはトランジションディフェンスが最悪だったので、それに尽きますね。それだけです。サイズで負けているのは分かっているので、ハーフコートではどうしても守れない部分もあるけれど、トランジションで走り負けるのはどうかな?と思いました。

-欠場していたミラー選手が復帰したということで、インサイドに関しては多少、楽になったでしょうか?
はい、ディフェンス面ではだいぶ楽になったと思います。ただ、信州戦では(ディフェンスがローテーションして)ヘルプに行ってヘルプに行って、(相手に)アウトサイドで捨てれる選手が何人かいたので、まだあのようないい試合に持っていけたんですが、新潟は、あの2人のシューター(池田と小松)を離してヘルプに行ってしまうと、今日みたいになってしまいます(池田と小松の3ptが12/21)。すると全部1対1で守らなければいけなくなるのですが、その点ではミラーがいる分、クリス・ホルムをなんとか・・・守れない時もあるけど、1対1で守ってくれればと思います。彼はまだ40分出れないのですが。スモールラインナップでは、ヘルプ、ヘルプで外からシュート、になってしまうのは最悪のパターンなんで、あの2人のシューターはなかなか離せないですね。

-その意味では、(ここ数試合のような)小さいラインアップの時は、アウトサイドを捨てたりと割り切りやすかったという部分もありますか?
でも、新潟(相手)だと捨てれないですからね。今いるメンバーで、1対1でなんとか守るしかないですよね。

-試合の序盤から、寺下選手が1on1を仕掛ける場面が目立ちましたが、これはチームとしての指示ですか?
そうですね。新潟さんは去年みたいにショットブロッカーがいないので、中に行ける時は行けという指示でした。今は特にフラワーズが、チームで1番の平均25点取ってくれる選手がいないので、どうしてもケニーとハンフリーへの負担が大きくなってます。そこを軽減できるように日本人が頑張らなければいけないので。北向も新井もシューターで、(シュートは)水物じゃないですか。だから、(ドライブで)アタックできる自分が行けたらいいかなと考えてました。

-今日のようにドライブからの得点を決められるというのは、自分のイメージするプレーに近いですか?
そうですね、もうちょっと外を打ちたかったですけど。(新潟のディフェンスが)結構詰めてきたんで、抜きやすかったです。

-今週はまだ厳しいですが、来週以降はフラワーズ選手の復帰が期待できそうです。インサイドの選手が揃えば、チームとしてより戦いやすくなりますか?
ヘルプ、ヘルプ・・・というディフェンスは無くなると思います。ひとりひとりディフェンスで頑張って、フラワーズもディフェンスが凄いので。彼が相手のエースを守ってくれたら、僕らは今日みたいに外を決められることはないと思うし。だいぶ楽になると思います。

-HCが交代して数試合を消化しましたが、ナカセHCのスタイルには慣れてきましたか?
選手ひとりひとりやることが明確になっています。ウチには点取り屋がいるので、そこで点を取れない時に、なんとか他の日本人で頑張れたらと思います。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
いい試合だったと思います。埼玉はとても危険なチームです。彼らからすればアウェイの試合ですし、シュート力も運動能力もあるとてもいいチームです。その埼玉に対し、簡単なレイアップであるとかオープンシュート、ダンクを打たせないように選手達には徹底させていました。そのようなシュートを一切許さないというのはどのようなコーチにとっても夢だと思いますが、特にサターフィールド選手、ハンフリー選手、彼らのイージーなシュートを許さず、しっかり止めるということを特に強調していました。その部分に関しては、チーム全体として上手く出来たと思ってます。

試合の序盤は、アーロン選手をハンフリー選手につけていたのですが、上から打たれてしまう場面もありました。ハーフコートでは、埼玉のペネトレーションに対し、全体的に少し下がって守るようにして、シュートを打ちに来たらしっかりチャレンジショットしてオープンのまま打たせないということ、これを試合を通じて強調していました。そういった鍵となるところで出来た部分もあったので、ディフェンスに関しては成長してきているのではないかと思ってます。

オフェンスに関しては、スタートを変えたという影響もあるかもしれないですが、出だしがあまり良くありませんでした。オフェンスのリズムがあまりよくない状況でした。小松選手が外からよくシュートを決めてくれて、3ポイントのチーム全体での数字の低さを補ってくれたのではないかと思います。外のシュートは良かったのですが、FTがあまり良くなかったので、そこはチームとして向上しなければいけないところだと思います。

-新しい32Xというゾーンディフェンスについて、第2Qにやったようですが、この出来については?(新聞)
まあまあだったと思います。今週始めたばかりのゾーンなので、チームとして強みとなるようなゾーンディフェンスを構築していかなければいけないのですが、何回かは埼玉のオフェンスを止めることが出来ました。オープンショットの場面もありましたが、しっかりクローズアウトに行って止められた部分もあったと思うので、まだまだやり込まなければいけないと思います。今週はじめたばかりにしては、使えた部分もあったと思います。

-スタートメンバーを変えた意図は?(雑誌)
スタートの2人が肩を脱臼して変えざるを得なかったです。マッチアップの部分で、相手のラインナップに合わせる必要もありました。明日はまた違うかもしれません。

-後半は突き放せそうで突き放せない展開がしばらく続きました。ここについてはどのような課題がありますか?(バスナビ)
離すチャンスがありながら離せないのはすごくフラストレーションがたまりますし、チームとしての課題でもあります。それはチームの中でも話しています。ディフェンスでしっかり止めた後に、FTをもらってもミスしてしまったり、ターンオーバーが連続したりして流れを止めてしまうことがすごく多いので、そこも課題だと思います。先ほどの話ではないですが、まだ我々が成長の途中段階にあるのかなと捉えています。

今週、私の恩師と話をしたのですが、バスケットのゲームというのは、ある一部分、2分、3分の為に、他の時間をプレーするのだと。2分、3分が、そのゲームの全てになる、そんな時間があるのだと言われました。その数分の要所の部分で、我々はミスが出てしまう。それが続いてしまう。最終的には集中力の問題なのかなと思いますが、やるべきことは毎試合ボードに書きだして確認していますし、それはみんなで取り組んでくれていると思います。ただ、チームとして向上してきていると思いますが、そこで怪我人が出てしまったり、万全の状態ではない選手が出てしまったり、そういったこともシーズンの中では起こりうることなので、そういった中でどうアジャストしていくかということだと思います。我々のリズムが出てきた時に、その流れを切らずに続けていくことが大事だと思うので、それがなかなか出来ない状態が続いています。チームとしてパニックになってはいませんが、ここでしっかりと立てなおして、改善していかなければいけないというのは、チームとしてもずっと話しています。

選手に言っているのは、それぞれの選手がプロバスケ選手なんだと。それぞれポジションはあるけど、怪我であるとかいろんな状況の中で、普段やってない役割を求められるかもしれない。そこでプロ選手であれば、しっかりと求められることが出来るのだと。それぞれの選手がプロ選手として求められること、普段やってなくてもやらなければいけない時もあるだろうし、そういったところが課題だと思ってます。そういった状況に合わせてアジャストしていきたいと思います。

-第3Qにスタートにホルム選手を戻した理由と、小松選手のアウトサイドが入ることによって、埼玉ディフェンスがインサイドのヘルプへ行くのに影響が出たのか、この2点について(新聞)
小松選手がよくアウトサイドを決めてくれたのですが、それはトランジションの中で、ウィングの選手がしっかり走ってクロスしてくれてたからです。ウィングマンが走り切ることによってディフェンスを収縮させ、走り抜けることによって(クロス)、(ディフェンスを)外に広げる。これによってインサイドにオープンスペースを作ることが出来まし、アウトサイドもオープンになります。それがよく決まったと思います。前半はインサイドがあまりフィニッシュできませんでしたが、後半はよく決まりました。外が走りきってインサイドでもアウトサイドでもスペースを作ったことによって外のシュートが入ったと思いますし、それがインサイドを助けた部分もあったと思います。

スタートを戻したのは、タイミングやスペースを含めて、今まで我々がやっていたことに近いということがあります。インサイドに2人いることによって、埼玉もインサイドを守らなければいけなくなるので、そういった部分も含めて、後半はビッグマン2人で行きました。

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#13小松秀平選手

-今日の試合について
※一部のみ
内容は確かに良くなかったと思います。特に前半は重たい雰囲気でミスも続いていたし、決めるシュートも決めれなくて、チームの雰囲気も若干悪くなってしまったんですけど、後半は切り替えることができました。その中でも勝てたというのは良かったと思うし、また明日、僕らはまだホーム2連勝としのはしてないので、2連勝できるように、また明日の埼玉さんは違うチームだと思いますので、僕らもしっかり準備して戦っていきたいです。