【プレミアム限定】京都ハンナリーズ、千葉ジェッツ、HCと選手へのインタビュー(12月11日)

12月11日(日) ハンナリーズアリーナで行われた京都ハンナリーズ対千葉ジェッツの試合後インタビュー。京都は浜口炎HC、リック・リカート選手、川辺泰三選手。千葉、エリック・ガードーHC、石田剛規選手、モリース・ハーグロー選手。
(写真/文=金澤 朱志)

京都ハンナリーズ

浜口炎HC
―今日の試合の総括
今日は昨日の反省をいかしてミスも少なく良く我慢もしながらチームとして戦えたと思います。次の秋田戦まで1週間空くんですけどチームとして準備てステップアップ出来るように頑張りたいと思います。

―10連勝した感想は?あとコーチ自身こういった経験はおありですか?
はい、仙台の時に10連勝しています。10連勝の中でいろんなゲームがありました。少しずつですけどチームとして我慢しながらステップアップしてるなというのは感じます。やっぱり簡単なことでは無いと思うので選手がしっかり考えながらやってきてる結果が出てるなというのが感想です。

―今オフェンスが好調ですがどのあたりから良くなってきたなという感じはありましたか?
まずこれで18ゲームぐらい終わって、うちはモーションオフェンスをしてますのでお互いがどういうプレーが得意なのか、人がわかってきたというか、同じプレイヤーで練習をやってきているので呼吸が合ってきたというのが、ひとつ良くなってきた点だと思います。ただシュートが入る、入らないのは別としてスペーシングが取れてて良い感じでオフェンスが終われることが増えてきた。少しずつですけど。

―二人のビッグマンがいる中で、またひとりビッグマンで新加入の選手が入りますけど彼の役割や仕事は何を求めてらっしゃいますか?
まずはリバウンドをしっかり取ることとディフェンスとリバウンドですね。

―序盤0-10のビハインドの場面で村上選手を投入しましたが、あれはどういった指示ですか?
あの時点で同時に3人入れ替えたんですけど、リズムを変えたかったというのがひとつです。リー(クマード)と(川辺)泰三と(村上)直を入れて少し動きをつけたかった。

―今日はファールが多かったですが。
今日も多かったです(笑) 昨日よりフリースローが20本ほど少ないので良いと思います。

―今日のゲームでは特別に引き締め直したという感じですか?
いいえ、特には。うちのバスケットをしたいと。またリバウンド(を取ること)とレイアップ、ファーストブレイクを出されないこと、もう少しスペーシングを取りなさいという部分をゲームプランにあげました。いつも通りですね。いつも通り出来るかどうかが最大のポイントです。

―10連勝という良い形で秋田戦ですが、具体的にこう戦おうというのはありますか?
(秋田は)非常にタレント揃いで、やっぱりポイントガードの運動能力が高いです。あとはトラップに来る。ディフェンスもアグレッシブなので、そういう部分をしっかり準備出来たら良いかなと思います。

―年内はかなり厳しい試合が続くだろうと仰ってましたが、嬉しい誤算といいますかチームの完成度は思ったよりも早くまとまったきたという感じですか?
いや、苦しいには苦しいですね。多分選手に聞いても10連勝したっていう雰囲気では無いと思います。やっぱりダブルオーバータイムもありましたし、高松の2戦目は負けそうでしたし、宮崎の2戦はどっちに転んでもおかしくなかった。たまたまうちに勝ちが転がってきていますけど。そういう意味では決して楽ではないです。

********************

リック・リカート選手
―チームではコミュニケーションが大切にされていますが、心がけていることはありますか?
言葉の壁はあるんですけどバスケをやっている上では共通の言葉がありますし、そういうところでコミュニケーションを取っていってるということと、浜口HCも言うんですけど例え言葉がわからなくてもコミュニケーションを取ろうとするということ、喋り合うということが大事。それをみんなでやろうとしています。

―元チームメイトのモリース・ハーグロー選手がいますが意識はしましたか?
彼がいるからといって特別なことをしなかったです。試合前には彼がどういうプレイヤーでどういう動きをするとか、そういうことをチームメイトに伝えて、しっかり準備できるようにしました。

********************

川辺泰三選手
京都のゲーム展開で最近は徐々に点数も取れてきていてモーションオフェンスが機能しだしてるからと思うけど、でもディフェンスで70点台に抑えるっていうのがうちのバスケットだと思うしディフェンスが機能していたと思う。スペースも昨日よりも今日は出来ていてみんながいきていたと思う。うちのバスケットが出来たことが勝因だと思います。

―ターンオーバーとアシストの比率もすごく良かったですね。
スペースが取れてる分、アシストが増えるよね。

―大阪エヴェッサとのプレシーズンマッチとは全然違いますが。
炎さんも最初はすごく言っていたけど、仙台の時でも年をあけるぐらいまではいつも1勝1敗だったと。モーションオフェンスはすごく難しいし外国人選手も新しい選手が入るし、それに合わせていってみんなのプレーが出来るようになるのは大体年明けで、そこから貯金を増やしていけると言ってて、それを信じて頑張ってくれと言われていたから、それがやっと機能しはじめてきたんじゃないかな。誰がどういうプレーをするとかここはもっとこうして欲しいなというのを練習の時から言い合ってきたから、それがインサイドアウトサイドのバランスが良かったりしてアシストが増えました。ディフェンスは基本的に出来る人間が集まっていると思うし、それは元々良かったと思います。そこに加えて点が取れてきているのが良いと思います。モーションオフェンスが上手いこといってる時は(相手チームは)守れないと思う。

―点数が伸びるクォーターがありますがこれについては?
その時は(相手チームの)ディフェンスが崩壊してる。どこにフィーチャーしていいかわからないと思う。うちはインサイドが大きくて有利だから向こうも読んでて、ダブルチームに来る。それに対しての練習も最近出来ていたりとか、今日はアウトサイドシュートが入ったし(瀬戸山)京介や(村上)直やリー(クマード)が1対1行ける場面もあったし、その辺りのバランスが良くなると、どっちも止められなくなるからそれは良いと思います。

―思ったより完成は早かったということですか?
思ったより早かったけど完成は無いと思う。これからどんどん成熟させていって、より良いものが出来上がると思う。この時期に新しい外国人選手が入ったから、ここからもしかしたら停滞するかもしれないけど、それは上手くみんなで作っていきたい。

―10連勝の率直な感想は?
めっちゃ嬉しいです!今までの自分のキャリアで10連勝はあったかもしれないけど、(キャリアは)7年目だけど多分2回目ぐらいだし、特に自分がここまでプレータイム貰ってやれてるのは自信にもなるし、率直に10連勝は嬉しいです。

―昨シーズンは1勝1敗を繰り返した時期がありましたが、今回の10連勝は特別ですか?
特別やね。ブースターもそれを望んでいてだろうしオーナーやフロントもみんな望んでいたこと。誰も負けたくないから。去年は去年で評価するとしたら2連敗せずに1勝1敗でも我慢し続けたからプレーオフに出られたと思う。今年はそうじゃなくて2日目もちゃんと戦えてるところがすごい良いと思う。2日目って相手もすごく準備してくるしタフなゲームが多いけど、それを今は取っているから。ちょっと前まで(試合の)出だしが悪かったけど(最近は)そうでもない。

―良くなってきたと実感が湧いたのはどれぐらいの時期ですか?島根、高松戦あたりですか?
島根の1試合目かな。だいぶ良くなってきたなと。その前ぐらいから感じてたけど、ダブルオーバータイムでのタフな試合を乗り越えれるっていうか、バランス良く点が取れたりし出したから自信がついたと思います。

********************

千葉ジェッツ

エリック・ガードーHC
―今日の試合を振り返って
京都は本当に素晴らしいチームで今まで負けたことがあるのが不思議なくらいです。素晴らしいHCの元、選手たちが良いプレーをしているので今シーズン優勝は間違いないと思います。エクスパンションチームとして京都がやってるレベルまでうちが行けていないということもあって、我々はこれから1試合1試合を大事にして上達するしかないです。「ファイナルフォーの決勝で会いましょう」と言いました。

―京都のモーションオフェンスの具体的な対策は?
まずウィングへのプレッシャーをかけすぎてバックカットを何度もやられてしまいました。ローテーションもコミュニケーションのミスが多かったり。あと1つのポゼッションで20秒ぐらい良いディフェンスが出来た場面もあったんですが残りの1、2秒でタフショットを決められたり。試合を振り返ってみればおそらくポゼッションの中で10回か15回くらいはすごく良いディフェンスが出来た場面も見つかると思います。ただしせっかく良いディフェンスをした後にオフェンスリバウンドを取られてしまうと、かなりタフな状況を自分たちで作ってしまう。京都に17個オフェンスリバウンドを取られたことは残念。もったいないところでケアレスなファールをしてしまったりとか。

ただでさえ向こうのFGの確率が高い状況の中、向こうのほうがシュート回数が多いととても不利になります。向こうのほうが24回ほど多く打ってる。そうなると厳しいです。

―今日だけでなくシーズン通してチームのFG%が低いですがオフェンスの改善点はどこですか?
実はリーグで1番2ポイントの確率が悪いです。オフェンスの改善点としてはもうひとつパスを出すことでチームメイトをフリーにして確率の高いシュートを打つことが大事だと思います。シーズン最初のほうの話になるんですけども良いスタート出来たところでジョージ・リーチが欠けてインサイドのビッグマンがいなくなるのは少しチームにとって痛かった。それからひとつずつリズムを取り戻して行って頑張ってここまで来ました。これから4試合ホームで富山と新潟と試合があるので2011年を良い形で終えたい。

現在のチームの弱点としてはインサイドを支配出来る選手がいないこと。ボールも外は回ることがあるけども縦の動きであるインサイドアウト、パスアウトの動きが無いので、それはチームとして直していきたいところです。

********************

石田剛規選手
―今日のゲームの感想は?
やはり京都は良いバスケットをするというかチームバスケットが出来ていて、オフェンスもディフェンスも組織的に戦うチームなので、僕らは力負けしてしまったなという気持ちです。

―リーグで1番2ポイントの確率が低いですがオフェンスの改善点はどういうふうにしていけばいいと思ってらっしゃいますか?
シュートセレクションというのがもちろん大事だと思うんですけども、今は5人それぞれがアグレッシブに攻めている段階だと思うので、それを徐々に京都のようなエクストラパス、もうひとつパスを回せるようなチームになると僕らも強くなれるんじゃないかなと思います。

―チーム内で選手同士のコミュニケーションは特に問題無いということですか?
新しいチームなのでいろいろ喋りながら自分たちで成長させていこうという努力はしているんですけど、18試合終えてまだまだ成長出来てない部分もあるし、新たに浮き彫りになってきた問題点もたくさんあるので、こういった負けを大事にしてもう一回選手同士で喋って変えていきたいと思います。

―新たに浮き彫りになった問題点というのは具体的には何でしょうか?
今日なんかはオフェンスでもディフェンスでも組織力というかそういった部分での力の差が出て負けてしまったと思う。僕らはまだ1対1しか出来ていないチームなので、5人で攻めること、5人で守ることっていうのを共通理解として持つことが出来れば、まだまだ勝っていけるちーむじゃないかなと思っています。今日はそれをみんなが肌で感じたと思うので、それを大事にしていきたいと思います。

―今日のご自身のパフォーマンスについてはいかがですか?
負けてしまったので点数はなかなかつけれないんですけども、与えられた時間でコーチが求めていることをやろうとは思ってます。ただ今日出てしまった問題点は僕自身も関わっていることだと思うので、個人的にも修正してその修正をチーム全体に広めていけるようにしたいと思います。

―チーム内で期待している選手はいますか?
日本人は良い選手揃ってますし真面目な選手が多いのでコンビネーションやクリエイトする能力をあると思うので、それをいかに外国籍選手とフィットさせていくかということだと思います。外国籍選手も新しく入ってきたジャマル(ホルデン)も段々チームのことを理解してきていると思うので、個々の力だけじゃなくてそれぞれの持ち味をいかすために自分が何をするべきなのかっていうのを考えられるようになれば、誰っていうのはあげれないですけども、一人ひとりの個性を発揮するために組織力を身につけたいなと思います。

―現役に復帰されて今どういう心境ですか?
すごく今日なんかは悔しいですし京都のようなバスケットボールに憧れる部分もありますし、今日大敗してしまって悲しい、悔しい気持ちではあるんですけど、こういった苦難を楽しみながらやりたいなと思うので、バスケットをしていなかったらこういった苦しみもないと思いますし、京都ブースターの方も温かい声援を送ってくれてるし、千葉から来てくださった方もいるし、そういった声援を受けることもバスケットのコートに戻らないと出来ないことだったので、それはすごい感謝をして今の時間を楽しみたいと思います。

********************

モリース・ハーグロー選手
―今日のゲームの感想は?
とても不思議な試合でした。好不調の波がすごく激しい試合。簡単に分析すると京都のほうが40分間良いバスケをしたんだと思います。

―京都のバスケットの印象は?
とても良いチームだと思います。とてもフィジカルですしプレーに積極性があってリバウンドを大事にしてるチームなんだなと思いました。あとボールがよく回るチームだと思います。

―モーションオフェンスに対する対策は?
ボールが常に回っていて、いつ止まるんだろうと思いました(笑)

―止められなかったということですか?
今日は京都のFGの成功率が非常に高かったので決して悪いディフェンスをしているとは思ってないです。

―どこに焦点を絞ったら良いかわからなかったという感じですか?
そうですね、1点に絞ることが今回は出来なかったです。チームとして40分間まとまってプレーすることが今後の課題です。

―エクスパンションチームとしてここまで5割という成績ですが今の成績はどのように捉えてらっしゃいますか?
9勝9敗という結果は自分としては少し残念です。チームメイトも間違いなく同じ気持だと思います。まだまだ良いバスケットが出来て、もっと勝ち星を重ねていけるので5割には誰も満足してないと思います。

―どこを良くしていけばもっと良いチームになると思いますか?
経験だと思います。一緒にチームとしてもっと試合数を重ねていけば、自ずと改善点も出てきて、チームとして乗り越えるべきハードルを乗り越えれば大丈夫だと思います。

―大学が同じのリック・リカート選手とは何か話しましたか?
昨日ちょこっとだけ話して、今日は試合のあとゆっくり話すことが出来ました。実は彼と再会するのは5年振りで、こうやって日本で再会したのもすごく楽しいですね。

―5年前はどこで会ったんですか?
自分がまだミネソタの大学生の頃、リックは卒業しててプロとして仕事を始めていたんですけど、彼が大学に戻ってきてワークアウトした時です。

―ミネソタ大学はどういったチームでしたか?
実は彼とはルームメイトでした(笑) すごく楽しいチームでしたね。NITトーナメントのファイナルフォーまで行きました。