11月12日（土曜） 船橋アリーナで行われた千葉ジェッツ対秋田ノーザンハピネツ戦。千葉、エリック・ガードーHC、中村友也、板倉令奈選手。秋田、中村和雄HC、菊地勇樹選手の試合後のインタビュー。（文＝定山 敬）
写真：(C)CHIBA JETS
千葉ジェッツ
エリック・ガードーHC
―今日の試合を振り返って
この2連戦は非常にタフな（苦しい）ゲームでした。選手全員が家族の一員だと思っているので、ジョージ（リーチ）の欠場がこれほどまでチームに影響を及ぼすのかと痛々しく感じています。一人の不在で心が痛みますし、悔しいです。
自分の想いを全て、チーム（千葉ジェッツ）に注ぎ込んでいるので、それだけにこの2試合の敗戦は悔しいです。今日は今日で終わりなので、気持ちを切り替えて次の仙台との試合戦の準備をします。選手が一人欠けた状態でこれから挑まなくてはいけないことが悔しく、また悲しいのです。
バスケットの話に戻しますと、ジョージの不在でチームスタイルの変更を余儀なくされました。昨日、今日と慣れないプレースタイルで試合をしなければならなかった。
秋田は本当に素晴らしいチームだと思います。常に首位にいるチームだと確信して言えます。選手素晴らしいですが、何よりも中村HCによってよりよく導かれていると思います。負けるなら彼に負けるのが一番良いですね。
両チームにとって、4試合連続で対戦することは理想的な戦い方だとは言えないと思います。相手はその事を言い訳にしていないと思いますし、我々も同じです。先週の日曜日に勝利してから、昨日、今日と選手たちのモチベーションを保つことが一つのチャレンジでした。
―秋田戦での田中選手の出来（11月5日0点、11月6日0点 11月11日5点、11月12日6点）について？
試合を映像で振り返ってみるまでは、何とも言えませんが、秋田が何かしたから彼の良さが消されたという訳ではないと思います。彼がこのチームのプレーしたいペースを決めるので、ドライブからのアシストやシュートについては今日は決まっていたと思います。できる限りコートに立たせたい選手です。今日はアウトサイドよりもインサイドの勝負だったと思います。相手がオフェンスでインサイドを攻めて、反対に我々はインサイド攻めることが出来なかった。そこで勝敗が左右したと思います。リバウンドでも負けてしまい、インサイドの重要性を感じます。
―そのインサイドですが、今後リーチ選手のいない中でどう機能させていくのか？
確かに今日の試合はショートコーナーからの展開は何も無く、中村HCの判断が的中しました（終始2-3ゾーンで守っていた）。インサイドでアタック出来ない分、３Pシュートに依存しすぎたと思いますが、反対に30.8%の確率（39本中12本成功）で決めています。確率は今シーズンで一番良かったので、その確率を土台にしていきたい。あとはフリースローの確率（48.4%）を向上させていきたいと思います。
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中村友也選手
―今日の試合を振り返って
昨日の修正点、相手にやられてしまった部分が生かされていなかったですね。あとはジョージ（リーチ）が居ない中でリバウンドが取れないので、自分自身もっと頑張らないといけない。
モー（ハーグロー）とジャメルの二人だけになっているので、そこも改善したい。もっともっと修正点は沢山ありますが、次の仙台戦までには改善していきたいと思います。
今日振り返っては、ホンマにやられましたね。もっともっとハッスルしても良かったと思っています。
―相手の方が身長も高く、幅が大きかったが？
そこはディフェンスのやり方次第で対処できると思います。こちらは３Pシュートだけでした。もっとインサイドでアタック出来たと思います。相手のゾーンを攻めきれなかったですし、シュートが決まらなくてもインサイドを攻めてファールを貰うようにしたかった。インサイドを攻めればアウトサイドが開くというセオリーがあると思うのですが、今日の前半は本当に３Pばかりで、反対に相手は３Pをあまり打たずに中で攻めてきていました。しかも確率が良かった。
ホンマにそこだと思います。
昨日はディフェンスリバウンド取れましたが、二日目は流石にマークされますね。マークされてもリバウンドを取れるように頑張ります。
―10試合振り返って、チームと自身の成績について
もっと勝てたと思う試合もありますね。今はもう貯金（勝ち星）があると思っていないです。5割のイーブンかマイナスくらいに感じでいます。長いシーズンで開幕から勝ち越してきただけで、今日のように連敗すると、もう貯金もないので、自分たちが上位に居るとは思っていないです。上位チームだと構えてしまうと相手にやられてしまうので、もっともっと丁寧にいきたいと思います。
個人としては、初めてですね。これだけ試合に出ているのは。bjリーグに在籍してこれだけ試合に出場させてもらっているのは初めてです。昨シーズンの出場時間みてもらってもわかると思いますけども。10試合ですけど、オフェンスリバウンド（16本）もディフェンスリバウンド（19本）でも自分の仕事をする。ただ単に獲得されたというか、獲得されて良かったと思えるくらいの選手になりたいと思います。リバウンドとオフェンスリバウンドからの得点だけでなく、今シーズンからは３Pシュートも狙って行きます。頑張ります。
―それがコーチから求められている役割？
３Pシュートは打つチャンスがあれば打ちますけど、それよりもリバウンドです。先ずはアグレッシブにプレーして流れを作ること。自分の中ではそう思っていますし、コーチからもリバウンドですね。取れないですね、うち（千葉）は。そこまでリバウンドが強いチームではないです。ジョージが今は居ない中、リバウンドが取れない時間帯があるので、コーチから求められているだけでなく、自分からですね。千葉でプレー出来てよかった思っています。
もっと頑張ります。
「エナジーやで！」と書いておいて下さい（笑）
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板倉令奈選手
―今日の試合の含め、この秋田4連戦を振り返って
スタッツ（数字）としてはそこそこ良かったかなと思いますけど、まだあの時シュートに行くことが出来たなとか上手く攻めることが出来たなとか反省点は沢山あります。
58点くらいですかね。
―その数字は100満点で？
そうですね。
―リーチの怪我とリバウンドについて
外国人選手が3人になって、中村がリバウンドが頑張ってくれましたが、あと一人いるか居ないかで正直キツい所があります。特に替えのきかない選手なだけに。
―リーチの怪我でチームの雰囲気が悪くなった？
元々、インサイドでバスケットするチームでは無いので、全員アウトサイドからどこでも1対1出来る選手を集めているので、大きく崩れてもいないし、フラストレーションも溜まっていないです。ジョージが居ないと、サイズが小さくなるので、その部分はキツいですね。
―秋田への苦手意識は？
苦手意識は特にないです。勿論秋田は素晴らしいチームだと思いますけど、この2連戦は自滅ですね。特に昨日の試合は9割勝っている試合でちょっとしたターンオーバーで相手に３Pシュート決められてしまいました。自分たちの出来次第で勝ち負けが生まれてしまっているので、苦手意識は今の所ないですね。
―2-3ゾーンに対して外からのシュートが多かったが？
そうですね。前半だけで３Pシュートを24本打ってますからね。うちが秋田のようなオフェンスになっていましたね。石田が繋げてくれていましたが、あれはうちのスタイルでは無いです。その部分は見なおしていきたいと思います。外から打って決まるか決まらないかというバスケットをやっているので、自分がコートに出ている時は積極的に中に入っていって、ファールをもらったり、そこから外に出そうという意識はありました。それをもっとチームで取り組んで行かないと強いチームには勝てないと思いますね。
―状況を打開しようとする選手が板倉選手しかいない感じを受けたが？
相手のスカウティングがモー（ハーグロー）とジャメルに集中していると思いますので、そこを如何に分散させるがカギになると思いますし、どんどん仕掛ければ何か起きるのではないかとも思ってますね。
―体調は？
怪我も無く、体調も良いです。
―もっと出場時間が欲しい？
選手なので試合に出続けたい欲はありますけど、コーチが判断していることなので、納得しています。
チームで上手くシェアしていますから。
―仙台戦へ抱負を
相手がどうではなく、自分たちのプレーが40分間出来るかどうかだと思います。個々に分散してプレーしてしまう傾向があるので、いかに40分戦えるかがキーなると思います。個人技に頼りすぎるなく、自分たちのバスケをやらないと相手が強いかどうかも分からないので、先ずは自分たちのバスケットをやるだけです。
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秋田ノーザンハピネッツ
中村和雄HC
―今日の試合を振り返って
相手の11番（ハーグロー）と44番（スタテン）を抑えることが上手くいったこと、即席にしては選手たちがディフェンスを対応してくれたことが一つ目。あとはスタンリー（オシッティ）がリバウンド、特ディフェンスリバウンドで頑張ってくれたことが2つ目。リバウンドを頑張るとリズムが良くなるから。あとは個々に問題はいっぱいあるけど、ガーデナーがもうちょっと賢くプレーすると良くなっていくと思ってる。分かった分かったと言うけど、分かってない。マイケル（ガーデナー）に預けているのだから…。あとは彼をどういう風に指導していくかがカギになるかなと思う。
もう少しシュートに対して全員が積極的になってもいいのかなという感じがしますね。センター陣にしても信平、水町にしても先ずはシュートに向かう姿勢をみせてもいいかなと思う。
千葉は外国人が3人のみ（ジョージ・リーチが怪我）で大変だと思う。我々もセンターが怪我をしていて、このゲームに出場してないのだけれど、我々は4人外国人が居たから。3人になったことで相当響きますよね。だから相手が一人少なくなったことでこちらは計算してプレーした。ファールをどう貰うか。その部分を昨日、今日と強調してプレーさせた。相手の弱みにつけ込んだ感じで卑怯と言われれば卑怯だけど、でも勝ちたいから。昨日も言いましたが、汚いバスケット（相手の嫌なプレー）でも良いので勝てればいいと感じに終始した。
―昨日はインサイドで腰が引けてると言ってましたが、今日はインサイドでプレー出来ていた？
そうだね。昨日は特にスタンリーとイージェイが悪かったから。今日は得点とリバウンドに絡んで、ちょっと良い感じになったかな。そういう意味ではマイケルやリッキーに得点が無くても、日替わりで出てくるのは良いことかなと思いましたよね。千葉がやはり外国人3人になった。今一番苦しい時だと思う。どうやって乗り越えていくか分かるような気がします。大変だと思うけど、（千葉に）頑張って欲しいと思う。
―勝つという気持ちが全面に出た？
まだ時間がかかると思います。チャンピオンになる事がテーマ。チャンピオンに成るために（どうするのか）先ず考えて行動して欲しい。まだまだボッーとしていてルーズボールにしても何にしてもスゴ味がない。スゴ味が出てくるといいかなと思う。まだまだこれからと感じ。
―アウェイでは負けなしですね。
自分ではあまり感じない。お互い（自分がアウェイでも相手がアウェイでも）大変だと思うけど。
面白いものだよね、バスで移動していることが。慣れる。JBL、WJBLに居たときは考えられなかった。
こういう（バスで長時間移動する）世界は考えられなかったよね。企業がお金持ってるから、お金で苦労することはないから、良いホテルに宿泊出来る。（bjは）バスで来て、ホテルも悪いとは言わないけど、JBLと比べると相当大変ですよ。
慣れるものですよ！
バスケット界もこういう事に慣れていかないといけないと思う。TV放映が有るわけでもないし、企業からのお金でやるだけだから。選手にもっと負荷やプレッシャーをかけていくともっと日本は強くなると思う。10試合終わっても、勝ち数はあまり気にならないですよね。気にならないうちに勝っていることが一番良いと思うね。この後、ビデオ見て直ぐに新潟戦に切り替えてくれるようになってもらえれば良いかな。
―この3試合（今日を含めず）、日本人選手の得点の平均が16点だが？
全然関係ないですね。昨日の試合は庄司が最後に３Pシュート決めている。よく言われるけど、チームだから。誰がどれくらい得点取るとかは関係ない。日本人だろうがアメリカ人だろうが。それに関しては関係ないと思う。
―新潟もHCが代わりましたが、それに対する意識は？
全部（のチームが同じ）ではないですかね？ どことやっても。新潟、岩手、千葉でも、どのチームと対戦するにしても同じです。全部が新しいチーム。意識は変わらない。
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菊地勇樹選手
―今日の試合を振りかえって
自分のプレーはあまり良くなかったと思います。
―日本人選手の中では最多の14得点でしたが？
まあ、出場時間も一番出ていましたので。自分の中ではディフェンスから（ゲームに）入ろうと。チームもインサイドから攻めていくことを決めてましたので、自分から得点することに意識はしていませんでした。
―インサイドアウト（インサイドからアウトサイド）の対して上手く反応した？
そうですね。
―中村HCはどんな人ですか？
それは私に聞かなくても、皆さんご存知だと思いますから。
これで何か言うと、色々あるので…。
―8勝2敗の成績ですが、何が変わりましたか？
先ずはヘッドコーチが変わって、チームのバスケスタイルも変わりました。チーム、選手一人ひとりの目的、目標、意識が高まっていると思います。
―コート上で求められている役割は？
全てです。シュートを打つこと、決めること、ディフェンス、リバウンド全部です。どれか一つ欠けても怒られます。
―怒られる？
はい、怒られます。
―怒られることに慣れましたか？
慣れないです。慣れないです。私に限らず長谷川、庄司もみんな怒られます。年齢に関係なく一人のバスケ選手として見なされているので。
―誰に対しても？
はい。良い事は褒めますし、悪いと怒られますね。
―チームの良さ？ どの部分が一番良くなった？
全体的にボールが回っていること、選手が止まっていることが無いことです。常に動いています。
―体調は？怪我もなく万全？
はい。
―次戦の抱負？
目の前の試合を一つひとつ進んで勝っていくだけだと思いますので、応援宜しくお願いします。
