勝負を決めた第2クォーター。アイシンが敵地で勝利を飾る(72-86)

10月23日(日) 栃木県立県南体育館行われたJBL、リンク栃木ブレックス vs アイシンシーホース試合は72-86でアイシンに軍配があがった。桜木ジェイアールが26点を決める活躍を見せ、22日からの連戦で2つの勝利をもぎ取った(文=西本 匡吾 @kyogo_nishimoto)

********************

スコアボード

10月23日(日)15:00

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q 合計
リンク栃木ブレックス 20 9 22 21 72
アイシンシーホース 22 23 21 20 86

【スタート】
リンク栃木ブレックス:#0田臥勇太、#1川村卓也、#15竹田謙、#22網野友雄、#33ラマー・ライス
アイシンシーホース:#2朝山正悟、#3柏木真介、#4ケビン・ヤング、#24古川孝敏、#32桜木ジェイアール

【レフリー】
吉田 利治 / 東 祐二 / 野口 浩正

【観客者数】
2511人

【主な個人スタッツ】
リンク栃木ブレックス:網野友雄18点7リバウンド、ラマー・ライス17点、川村卓也15点6リバウン
アイシンシーホース:桜木ジェイアール26点9リバウンド4アシスト、ケビン・ヤング11点6リバウンド、アンソニー・リチャードソン10点8リバウンド

********************

 コート上での桜木ジェイアールに、ディフェンスの有無は関係ないようだった。ローポストでボールを貰い、確実にリングに沈める。リングへ向かう最短距離のステップとシュートテクニックは序盤から得点を生みだしていた。
第1クォーター、マッチアップはかつてのチームメートである網野だった。前日(22日)の試合で10本の3Pシュートを決められたことで、この日、リンク栃木のブルース・パーマーHC(ヘッドコーチ)はジェイアールへのダブルチームを止め、外角からのシュートを打たせないことに腐心した。アイシンはジェイアールにボールを集め、彼は第1クォーターだけで得点を2桁に乗せる。しかし、リンク栃木は川村の3Pシュートや田臥のバスケットカウントを沈めるなどして得点を重ねる。2000人以上の歓声が後押しこともあってか、リンク栃木が試合の流れをつかみかけていた。
 
 だが、伏兵の一発がつかもうとしていた手を叩く。
 
 残り10秒になるか否か、ハーフコートライン付近で柏木がダブルチームで囲まれる。柏木は冷静に反対サイドにいた古川に大きなパスを出した。古川はノーステップでボールを高嶋に渡す。高嶋が放った3Pシュートは、残り時間1秒のところでリングを通過した。
 アイシンが20-22とリードして第1クォーターを終える。

 この試合が大きく動いたのは第2クォーターだった。
 アイシンは柏木、古川、ケビン・ヤングを下げて橋本、喜多川、アンソニー・リチャードソンをコートへ送る。橋本はルーキーながら堂々したプレーメイクで、結果的に柏木がこのクォーターに出場したのはわずか7秒だった。
 
 また、5分過ぎにはリチャードソンが川村のボールをスティールし、そのまま落ち着いてレイアップを決める。そして、その直後のディフェンスでは田臥がドライブしたところを、喜多川が回りこんでオフェンスチャージングの判定を勝ち取った。1分19秒にはジェイアールと代わった大宮が、セットオフェンスのかたちから古巣相手にシュートを決める。柏木、朝山の両ガードの出場がなく、控えの選手が中心でもアイシンは流れを作りだしていた。ここで29-45で大きくリードすることに成功する。最終的にこのリードをうまく保ったまま勝利を手にした。

 リンク栃木は、第2、第3クォーターとフリーになる選手がいるものの、シュートを決めきることができなかった。また、インサイドではラマー・ライスが奮闘するものの、やはり、タイラー・スミスの長期離脱、新加入の山田が怪我明けという状況は大きな影響がある。ダブルチームにいかない作戦を取ったこともあり、ジェイアールとリチャードソンの1対1を中心に攻められてしまった。ただ、安齋が復帰を果たしたこと、新加入でイバン・マクファーリン(※2012年1月31日までの限定契約)が加わることなど明るい材料も多い。まだシーズンは開幕したばかり。勢いに乗るのはこれからではないだろうか。