10月15日(土)、新潟市東総合体育館で行われたbjリーグ、新潟アルビレックスBBvs富山グラウジーズ戦、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)
信州との開幕シリーズを1勝1敗で終えた新潟と、今の週末が開幕となる富山の対戦。富山がジャンプスタートでリードするが、後半は新潟の追い上げで接戦に。最後は城宝が決勝点となるフローターでネットをゆらし、富山が開幕戦白星を飾る。
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富山グラウジーズ
-今日の試合の総括について
はい、情けないの一言です。それだけです。それ以外ありません。
-具体的には?(雑誌)
見ての通り前半調子こいて、(自分達が)強いつもりで。まだ何も成し遂げてないのに。
後半の入りですよね。予想していました、絶対に(新潟が)同点に追いつくと。僕は(新潟の追い上げで)タイムアウト取らなかったですよね。僕は(チームに)責任を取らせました。でも彼らは、リードされること無くオフィシャルタイムアウトまで頑張りました。なので、オフィシャルタイムアウトではちゃんと彼らに伝えました。敢えて(TOを)取らなかったと。
正直に言いますが、勝ち負けは確かに大事です。でも去年から言っている通り、彼らの成長を僕は一番望んでいるんです。その成長を経て、優勝できたら一番嬉しいです。一番難しくて、一番過酷なことですけど、僕は敢えて今日からやらせました。
実際こうやって勝ち切ったのは、彼らのおかげですよね。
-今日のゲームの中で評価できる点は?(バスナビ)
いや、全く無いです。ただ、城宝が最後に(試合を決定づける)シュートを入れただけ。その前のFTも、あいつに全部託すと。お前で行くよと。
ちょっと水戸が腰を打ったのかよく分からないですけど、彼は大丈夫と言ってますが、それも考えて、ここ(最後)はハーパーじゃなくて、城宝で行くと。
だから、今年はオプションが多いです。水戸で行ってもいいし、ハーパーで行ってもいいし、城宝で行ってもいいし。ハキーム・ジョンソンなんかも凄く成長しているんで。
新潟はrun,runrunと言ってるけど、正直、新潟よりウチのほうが早いと思ってます。ただ、今日は後半、明らかに受身に回ってしまった。甘さが出ましたね。彼らに言いました、この勝ちは明日勝たないと意味ないよと。前半20点離して、あのままリードして行かなればいけないのに。最後のハーパーのプレーも、ハキーム・ジョンソンのプレーにも怒りました。あれをしっかり入れていれば、20点差の楽な展開だったのに、冗談じゃないと。
だから、評価できるところは全然ひとつも無いです。
-チームが苦しい場面で、チームとしてディフェンスで頑張るのか、それともオフェンスで頑張るのか、どちらですか?(バスナビ)
はい、もうディフェンスですね。ウチは(サイズが)小さいです。センターも(登録が)間に合ってない中で、正直、新潟さんが羨ましいです、9月の頭から(外国人が)5人いて。ウチはプレシーズン前に来ましたからね。その状況でチームを作らなければいけない中で、彼らは僕のキツい練習に本当によく耐えて、フォーカスしてやってくれています。もし9月頭から揃っていたら、もっともっと完成度は高かったかもしれません。その状況でタフなシチュエーション(の練習)が出来なかった。(彼らは)若いし弱さがあると思います。そういった部分はこれからもっともっと積み重ねて行けばいいだけの話だし、僕は彼らを信じてますんで。いつでも見守ってますし、時には怒るし、時には褒めるし、時には泣くし。僕はそうやって彼らと一緒にチームを作って歩んでいきたいと思ってます。
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#00ハキーム・ジョンソン選手
-今日のゲームについて(テレビ)
ターンオーバーが多かったこと、それが修正点のひとつです。シューティングは良かったと思うので、明日もそれ以上の結果が残せるようにしたいです。城宝選手を始め、チームメイトがみんなでいいゲーム運びをしてくれたので、自分もやるべきことをやろうと意識していました。
-今日はとても自信を持ってプレーをしているように見えましたが?(バスナビ)
自信を持っているのは間違いありません。下地HCは素晴らしい指導者で、ずっと一緒に練習しているだけでなく、自信になるようなコメントをもらっていて、それが自信となっていい結果に繋がっていると思います。今シーズンは去年以上のスタッツを残せると思うので、自分自身でも期待しています。
-チームにはもう一人ビッグマンが加わりますが、富山はまだプレイオフ(有明)へ進出したことがありません。今シーズンのチームについてはどのような展望を持っていますか?(バスナビ)
今年の富山は例年と違い経験もありますし、新しいビッグマンのターナーもいろんな所でプレーした経験があります。その経験も必ず富山の力になると思うので、これからがとても楽しみです。富山は必ずやファイナル4かチャンピオンシップ(決勝戦)に進出すると、私は確信しています。
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新潟アルビレックスBB
-今日の試合の総括について
前半は内容的に良くなかったですが、後半は両チームにとっていいゲームになったと思います。bjリーグが(今日の後半のような)ゲームを続けていけばリーグのレベルも上がると思いますし、とても内容のある試合だったと思います。
前半の富山はシュートを効果的に決めていて、我々はルーズボールも取れず、ターンオーバーも凄く多かったです。そういった所で点差を広げられてしまったのですが、後半はそういった部分をしっかり修正できたと思うので、後半の内容は良かったと思います。
-後半に入る前の指示は?(テレビ)
焦っている感じがするので、焦らずにリラックスすることです。富山にとっては開幕戦ですから、気持ち的にも凄く入ってきていて、後半も強い気持ちで来るだろうから、しっかりとディフェンスで相手を止めて、前半多かったターンオーバーを少なくすること。そしてリバウンドをしっかり取るように指示しました。ゲームの最後には僅差の展開まで持っていけたと思います。
-試合最後のプレーではどのような指示を?(雑誌)
我々が持っているアウトオブバウンズからのプレーをコールしたのですが、狙い通りに(パスが)入ったものの、スリップしてしまいました。
-マーリー選手の所で勝負しようとしたわけですね?(雑誌)
まず前提として、ジャンプシュートで終わりたくありませんでした。リングにアタックして終わりたかったです。まず公威選手のカッティング、続いてナイル選手のカッティング。これを狙ったのですが、今日のゲームはとてもフィジカルで、レフリーもフィジカルにプレーさせていたので、そういった中で、ナイル選手にチャンスがあるだろうと思っていました。ナイル選手がボールを(リングに)持っていけば、ファウルをもらってFTをもらうか、アンド1をもらうか、そういった確率があると思っていました。
-後半のように追い上げる場面で、チームとして強調していたのはオフェンスですか、それともディフェンスですか?(バスナビ)
あの時はディフェンスが凄く良かったし、リバウンドも取れていたので、オフェンスを強調していました。そのオフェンスでは、しっかりと落ちついてオフェンスを組み立てること、ディフェンスではペネトレーションを止めること、しっかりリバウンドを取ること、これを指示していました。
-池田選手が城宝選手に抑えられる場面がありましたが、池田選手がベンチにいるときのオフェンスの組み立ては?(テレビ)
池田選手がベンチの時は、チームとして相手にもっともっとプレッシャーをかけようとしています。鳴海選手であるとかドワイト選手であるとか、小松選手や根東選手を入れて、相手に対してもっとプレッシャーをかける展開に持って行こうと考えています。根東選手はすごくいいディフェンダーですし、小松選手は今日4つファウルをしましたけど、城宝選手に対してすごくアグレッシブに守っていたと思います。
池田選手はコート上では外国人選手を守らなければいけなかったりとかとても役割が多いので、彼がやらなければいけない事は多いのですが、皆さんが思っているよりも私は池田選手がいいディフェンダーだと思ってますので、しっかり守れる選手だと思います。
オフェンスに関して池田選手が今取り組んでいるのが、ボールが無いところで如何に動くか、スクリーンでいかにオープンになるか、これについて取り組んでいます。それもだいぶ向上してきていると思うし、まだまだ向上できると思います。
今日の池田選手については、彼自身も分かっていると思いますが、今日以上のプレーを出来ると思っています。チームとしてこれだけターンオーバーが多いと、オフェンスで彼が絡むのも難しくなると思います。
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#23佐藤公威選手
立ち上がりに富山に走られたし、トランジションでやられたし、1on1で目の前で打たれたのもあったし、やはり(新潟の)自滅で相手を乗らせてしまった、それが16点差まで開いてしました。自分達がもっと気を引き締めて行かなければいけなかったですね。油断ではないですし、しっかり準備して(ゲームに)入ったつもりだったんですけど、(富山の)外のシュートがパパンと(連続で)入った時に、自分達が驚いてしまったというか。一番悪かったのがやられたくないファストブレイクで走られたり、セカンドチャンスを与えたというのが、自分達のリズムを崩した原因のひとつだと思います。
-そこからどのように立てなおしたのですか?
やることは変わらないんですが、(ハーフタイムに)チームで話し合ったのが、この点差は自分達の責任だと。これを取り返すのも自分達の責任で、このゲームをモノにできたらチームとしてワンランク上がると。そういった話をみんなでして、それでみんなも気分が乗ってくれたと思うんです。池田さんも、自分達がやるべきことをやろう、感情を入れていこうと言ってくれたので。それでみんなの意識を取り戻したというか、しっかり戦える姿勢になったと思います。
-あと一歩及ばなかったのは、何が足りなかったのか?
相手はビッグショットを決めてましたね。外国人にしても、すごいタフショットを決めてました。あれが入っているうちは、相手のリズムだったような気がします。
-後半からポストマンを使うようになりましたね
そうですね、前半はポストを使えてなかったです。自分達でコントロール出来てなかったです。僕もそうですね。ターンオーバーが18なんてとんでもないですね。
-明日に向けて
今日の後半のチーム、後半の勢いを明日に持ち越して、最初からあれを出せたらベストです。それしかないと思います。
-最後の場面、富山に同じプレー※を2度決められた点については?(バスナビ)
※城宝選手からのピックアンドロール、1度目のドライブは城宝選手へのファウルでFT、2度目はドライブからのフローターが決まり決勝点となる
そうですね、チームとしてピックアンドロールをどうやって守っていかなければいけないか、そういったのは感じました。ピックアンドロールは必ず(オフェンス対ディフェンスが)1対2になるじゃないですか。それを如何に自分達のアドバンテージにするかだと思います。(ディフェンスの)寄りだったり声をかけてあげたり、そういった小さな事をしていかなければいけないと思います。
-過去の新潟のチームに比べるとディフェンスで粘り切れない印象がありますが?(バスナビ)
それは自分達の気持ち次第ですね。もう1回気持ちを入れなおして出来るかですね。今日は気持ちをクリアにして、また明日に向けて調整していきたいと思います。
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#31ジェームス・キーフ選手
-第4Q追い上げの立役者となりましたが、自身のプレーについては?(新聞)
個人的にはいいパフォーマンスが出来たのではないかと思います。ゲームの中にも凄く入っていたし、第3Qの追い上げではベンチも凄く盛り上がって勢いがあったと思います。その中で自分の役割が出来たのが、とても嬉しく思います。
-前半については?(新聞)
凄くミスが多かったと思いますし、富山にトランジションでのポイントを与えすぎてしまいました。ペネトレーションを恐れてヘルプがいなくてそのまま失点する場面もありましたし、あのようなゲームの入り方をしてしまうと、いくら後半にいい内容で追い上げたとしても、やはり追いかけながらのプレーになってしまうので、追い上げるのも難しくなってしまいます。あのようなゲームの入り方をしてはいけないと思ってます。
-明日の試合に向けて(新聞)
ゲームの終盤に向けてはいい内容だったと思うので、この勢いを明日の前半へ持ち越してプレーしたいと思います。良かったところは引き続きいいプレーを続けて、悪かったところはしっかり修正して明日のゲームに臨みたいと思います。