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元NBA選手で、2シーズン京都ハンナリーズに在籍し、チーム創設以来初めてのプレイオフ進出に貢献したラウーフ選手に2010-11シーズンの振り返りからバスケットボール選手としてのキャリア、そしてこれからのラウーフ選手について語ってもらいました。
――2010-11シーズンを振り返る
-まずチームとラウーフ選手自身について今シーズンを振り返っていただけますか?
今シーズンのことを振り返ってみると本当にみんなで楽しんでバスケットボールをすることが出来た。本当に良い選手に恵まれたし、選手同士すごく仲が良かった。それはシーズンが進むにしたがって、どんどん良くなっていった。実際、来シーズンを迎えるにあたって人の入れ替わりはどうしても出てくると思うし、怪我も起こるだろうし、夏の間にそれぞれがどういう準備をしてくるかによってもまた変わってくると思うけど、チームとしてこれから本当に良くなる可能性のあるメンバーだった。昨年よりも良い成績を収めたことがそれを証明してると思う。
夏の間に怪我を治してしっかり体を作るということを先ほど話の中で出たけれど、それ以外にもそれぞれ自分の弱みを克服して成長して戻ってくるということも大切。今シーズンを振り返ってみてダメだったことのひとつとして1勝1敗の週末が7~8週間ずっと続いたことがあった。それは土日を通して同じことをチームとしてしっかりやり遂げられなかったという結果だと思っている。その理由としてもちろん個人として一人か二人は同じ状態で臨んでいたと思うけど、それがチームとして出来なかったことがダメだった理由のひとつだと思う。もうひとつは勝負どころで決めなければいけないシュートをしっかり決められなかったことと、アグレッシブに攻めてしっかりシュートまでもっていくことが出来なかったことも今シーズンダメだったことのひとつとして挙げられる。
それから一人、二人じゃなくてみんなでリバウンドを取りに行く姿勢も今シーズンは上手く出来ていなかった。宮崎と試合をした時、宮崎の選手達はいつもみんなでリバウンドを取りに来ていたので自分達もそういうことをやっていかなきゃいけないと思うし、それらが出来るようになればどこにでも勝てるチームになれるんじゃないかなと思っている。
実際今シーズンは西側のカンファレンスで優勝した沖縄に対して勝ち越せているので、それを1シーズン通して出来るようになれば本当に良いチームになれる。
-昨シーズンと比べて最も成長した部分は?
選手一人ひとりを見てみると昨年から在籍する選手に関しては弱みを克服して今シーズンに臨めていたのではないかな。個人的に選手の名前を挙げるつもりはないけど、ディフェンスで1試合を通して同じようなプレイが出来るようになった選手もいたし、オフェンスでアグレッシブに攻められるようになった選手もいた。チームとしてはシーズンが進むにしたがって、それぞれがチーム内における役割を理解出来るようになってきていたし、それぞれの選手同士の弱みとか強みをお互いに理解出来るようになってきていたので、どういう状況でプレイさせたらその選手が最大限に力を発揮できるかとか、どういうふうな状況にある時はヘルプをしなければいけないとか時間が経つにしたがってお互いわかるようになってきていた。例えばドリブルが苦手な選手がいたら出来るだけボールを運ばせないように助けにいったり、シュートがあまり入らない選手がいたら出来るだけボールを回して自信を取り戻せるようにしたりとかお互い出来るようになっていった。
今シーズンのチームとしてのフリースローの確率についてはちょっと自信が無いけど、自分の感覚としてはフィールドゴールの確率は多分昨シーズンよりも今シーズンのほうが良かったと思うし、リバウンドに関しては数字としては悪くなかったかなと思うけど、このチームのメンバーを考えたらもっと取れるのではないかな。ディフェンスも昨年に比べてすごくアグレッシブになっていたけれど、まだこれからもっと良くなる可能性はある。オフェンスに関してもコーチの決めたフォーメーションに沿って昨年よりもボールを良く動かせていたのではないかなと思う。
-今シーズン、初めてチームはプレイオフに進出しました。プレイオフで得られたものは何でしょうか?
プレイオフというのはレギュラーシーズンに比べるとやはり試合自体がすごく激しくなると思うし、例えばその試合の中ですごく小さい失敗をしたとしても、それが結果として大きくなる可能性があるけれど、試合への入り方はレギュラーシーズンと同じでなければいけないと思う。試合に入るときの例えば集中力だったり努力だったりそれに向かう為の準備は、それがレギュラーシーズンだろうとプレイオフであろうがいつも同じでなければいけない。変わらなければいけないのは例えば作戦だったりとか対策の部分だけだと思う。今シーズンのプレイオフに関して言えば全力を尽くしたところもあると思うけれど、自分達のやりたいようなことが充分に出来なかった。特に二日目のゲームに出てしまった。もし来シーズンもプレイすることが出来れば、もっと強くプレイ出来るようになりたいし決めるべきシュートはしっかり決めていけるようにしていきたい。他のチームと比べてもうちのチームは能力的にも充分優勝を狙えるメンバーが揃っていると思う。
-今シーズン、最も思い出に残ってることは何ですか?チームのことでもいいですし、プライベートなことでもいいです。
バスケットボールという競技自体が同じルーティーンで生活することが多いので、バスケのことに関してはほとんど生活のリズムは一緒だけど、それ以外のことに関してなら、今シーズン空いている時間に自分で曲を書いてレコーディングスタジオに行ってレコーディングをしたことを一番憶えてる。それをやることでバスケから少し離れて気晴らしをする機会を持つことが出来たし、そうすることでバスケから離れてまたバスケに戻る時の楽しみも増えたように思う。あとは練習が終わった後にトレーニングをするのに週に4回、トレーニングジムに来てトレーニングをするのも楽しみだったし、その後にはサウナに入ってシャワーを浴びるのも気持ちが良かった。
-オールスターの3ポイントコンテンストにも出場されましたが、何か思い出はありますか?
今シーズン、オールスターの時に3ポイントコンテンストにノミネートされたことは本当に良かったと思う。以前から他の人からすごく寒くてやりにくいという話は聞いていたが、やっぱり寒くてシュート自体は打ちにくかったけど、出場すること自体は非常に楽しめた。他のチームの選手達とリラックスして楽しむことも出来たし、ファンの人達と一緒に時間を過ごすことも出来て良かった。
それで思い出したけど今年憶えていることのひとつとしては、向日市の体育館がすごく寒かった!(笑) そこで何試合かやったことを憶えている。
-私も取材に行かせていただきましたがすごく寒かったです!(笑)
僕なんか短いショーツを履いてるからもっと寒かったよ!!
Vol2はマクムード・アブドゥル=ラウーフ選手のをキャリアについて振り返ります。