3月5日(土)富山グラウジーズvs新潟アルビレックスBB 試合後のインタビューとゲームレポート

3月5日(土)富山県西部体育センターで開催された富山グラウジーズvs新潟アルビレックスBB戦、試合後の記者会見およびゲームレポートです。

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新潟アルビレックスBB

廣瀬昌也HC

-今日の試合の総括について
「第3Qで走れたのが良かったと思います。そこで、(点差が)2桁になって、1桁に戻って、もう1度ディフェンスを頑張って走れたというのがポイントだったと思います。

下地はこれで終わる人間じゃないので、明日の方が怖いですね。気を引き締めて、明日もう1回、チャレンジ精神で戦っていきたいと思います。」

―第2Qまでの接戦から、後半に突き放す展開となりましたが、ハーフタイムでの指示は?
「前半はちょっと重たくて、走り切れてなかったので、とにかくディフェンスを頑張って走ろうということです。しっかりやるべき事として、そこをしっかりやろうという話をしました。」

―後半からのゾーンディフェンスにおいて、選手に意識させた事は?
「足を使うことですね。戦術的なことは練習でやっているので、とにかく足を使うことです。エネルギッシュに守って、足を使うという事です。」

―そこからのトランジションオフェンスの決定率が、今日は非常に高かった事については
「今日はレイアップまで行けて良かったです。ウチのチームは、明日(これが)出来るかどうか分からない。明日はまた気を引き締めていかなければいけないと思います。」

―昨シーズンまで新潟のACだった下地HCとの対戦でしたが、意識したことは?
「あまり意識しないようにしていました。読み合いになってしまうと、結局は表だった、という事になりかねないので。意識しないようには心がけていました。自分達が、相手の強み、弱みをしっかり分析して、自分達のバスケをやろうということで、(試合に)挑みました。」

―下地HCと言葉は交わしましたか?
「何も。挨拶だけです。普段のゲームと一緒です。」

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富山グラウジーズ

下地一明HC

―今日の試合の総括について
「はい、もう情けないです。戦うという事が全くできなくて、僕自身、本当に悔しいです。

勘違いしてるのかな、と。強いチームに競って、勝ったり負けたり。俺たちはいい試合が出来るんだ、と。そんな中で、下手なのに、変に自信をもってやろう、と。

さっきも(選手達に)言ったんですけど、お前達はチャレンジ精神をもってやらないと、と。その意味では、今日は全く(戦えなかった)ですね。もう戦術云々じゃないですね。何回も言ってますが、戦う意志がある時というのは、オーラが出ていると思うんですよ。今日は全く(オーラが)感じられなかったですね。今日は本当に悔しいです。

ゾーン(オフェンス)の時も、リングに攻める意識が無くて、みんながアタック、アタックで。分かるんです、アタックは。けど、違うだろう?と。シュートを考えてアタックなら分かるけど、全部(そうじゃ)無いだろう?と。

僕はよくボードに「アグレッシブに行け」、「リングに行け」と書くんですけど、「リングに行く」ということは、アタックもして、シュートも打てということなんですよ。そこも説明しているんですけど、まだ1対1での駆け引きが出来てないんですよね。

でも、今それを練習で考えてやっているので、ちょっとずつですけど、その1対1の駆け引きを覚えようとしています。もう少しかな、と思います。

僕らは、試合をこなしながら、練習も急ピッチでこなしながら、成長も求められているので、(これは)確かに難しいことではあります。選手もいろいろ(頭に)詰めすぎて、どれがいいんだろう?と悩んでいる部分もあると思うんですけど、それを一つずつ解決していかなければいけないと思います。」

―古巣の新潟との対戦ということで、意識したことは?
「いや、何もないです。ただバスケットをやるだけなんで。それしか思いはありません。」

―新潟で指導していた池田、小松らが活躍したことについて
「そうですね、今日は本当にやられましたね。いつもとは違う雰囲気はありましたね。でも、誰が教えようが、彼らがああやって頑張ってくれているのは事実だし、それは嬉しい限りです。

当然、自分のチームも育てなければいけない。でも、バスケというのは僕らのリーグだけじゃないので。実際、日本のレベルはどうなの?と問われた時に、正直、世界で戦えないレベルだと思うんです。浜松の中村HCがおっしゃってますけど、そこでなんとか貢献できる日本人を、僕も育成していきたいなと思っています。

その意味で、ウチの日本人も頑張って切磋琢磨しています。(HCに就任して)まだ1ヶ月です。いきなり成長なんて出来ないと思います。皆さんもご存じだと思うのですが、成長というのは、2年、3年とかけていくものだと思うし、新潟の例では池田もそうだし、小松もそうだと思います。(グラウジーズの選手と)僕が出会ってからまだ1ヶ月ですが、その中で徐々に成長している選手もいます。もっともっと彼らに教えてあげて、もっともっといいパフォーマンスが出来るようにしてあげたいと思います。」

―高野選手が久しぶりにプレーしましたが、この評価については?
「彼に関してはディフェンスを本当にハッスルしてくれて、ディフェンス、リバウンドで頑張ってくれます。

今日は久しぶりの出場ですけど、第2Qはよく頑張ってくれたと思います。彼は今後、ディフェンスの面で使っていきたいと思います。リハビリも一生懸命頑張っていました。

これは日本人も外国人もそうなんですが、僕が来た時より、個人練習をするようになったんですよ。練習前も、練習の後も。僕が来た時はシューティングしかやってなくて。確かにシューティングも大事なんですが、それ以外のことは全くやってなかったんです。ボールのミートだとか、もらう前の動きだとか、ドリブルだとか。全員に教えているのですが、そっちが楽しいですね。」

―明日の試合に向けて
「今日の僕たちは何も出来ていないので、戦うだけです。皆さん今日見ていて、「あれ、いつもと違う」と感じたと思うんですよね。(今まで)ずっと戦って来たのに、なんで今日は?と思うんです。天狗になった訳じゃないんでしょうけど、「やれるんだ」と変に自信過剰になっていたと思うんです。違うよ、いつもチャレンジャーとして挑もう、ということを伝えていきたいと思います。

楽しいですよ。こういった苦難を乗り越えて一歩ずつ成長していきたいと思います。」

―今日のようにチームが気持ち的に戦えない時に、それを打破するのは選手個人でしょうか、それともチームとしてでしょうか?
「それはやはり両方なんですね。前半が終わった後に言ったのは、僕はすべての答えを言いたくない、と。試合でも練習でも、自分達で考えたことを表現してもらいたいんですよ。それを全部教えてしまったら、指示待ちの人間にしかならないし。

正直に言うと、その打開する力に関しては、今のチームはまだその力が無いと思います。その意味で、少しずつ教えながらいくしかないですね。僕が全部言ったら、彼らも面白くないと思うんですよ。後半のゾーンの攻めで、彼らにはヒントを与えたんですよね。でも、実際は動けなかった。という事は、僕もまだまだだし、選手もまだまだなんですね。

(選手達は)今、変わろうとしているんですよ。自分達で考えて、ハドルを組んで。練習でも声を出すし。ひとつのプレーに対して疑問に思ったら、どんどん僕に聞いてくるし、まわりとも話しているし。その積み重ねだと思うんです。

言い訳にはしたくないんですけど、僕はまだ(HCになって)1ヶ月しか経ってないんですよ。その中で勝たなければいけないし、成長も求められる中で、どれかひとつを削除してやらないと、彼らがパンクしてしまうと思うんです。やはり徐々に教えてあげないと。ゆっくり、もう少し時間をかけて教えていきたいと思います。

でも、彼らも悔しがっていたんです。こんなはずじゃない、もっとやれたのに、と。だったら始めからやれって話です。だから明日の策はありません。「やれ」と。そんな気持ちですね、僕自身も。」

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#33高野慶治選手

―今日の試合について「本当に悔しい結果です。僕自身も復帰という事で勝ちたいという気持ちがあったんですけど、やはり結果に出なかったというのが悔しいです。」

―12minのプレーは開幕戦(18min)以来の長さでしたが、コートに立った時の気持ちは?
「嬉しい気持ちでいっぱいで、監督から名前を呼ばれたときは、本当に気合いを入れて行こうと思いました。コートに立った時は、嬉しいの一言でした。」

―前半はディフェンス面での貢献もあったと思いますが、チームとしては後半にバタバタと得点を許してしまいました。これをベンチからどのように見ていましたか?
「やはりボールをシェアできていなくて、ボールが回っておらず、もっと切れ込んだり、もっとアタックすればいいと思っていました。」

―明日、勝つために必要な事は?
「気持ちを切り替えて、気合いというか、チーム一丸となって戦っていきたいです。」

―久しぶりの試合ということで、ゲーム感覚は?
「そうですね、感覚的にはまだです。明日も試合があるので、徐々に慣れていって、チームの勝利に貢献したいです。

今週から練習に復帰したばかりなので、ラリー(トランジション)の展開や、フィジカルコンタクトの部分がまだですね。

ディフェンスでは、相手にやられないように足で付いていこうと意識していました。」

―ここまでのリハビリで辛かったことは?
「思ったより自分の足が柔らかくならなかったし、ちょっと焦ってしまった部分もありました。」

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ゲームレポート

富山グラウジーズvs新潟アルビレックスBB@富山県西部体育センター(2011.3.5)

富山-新潟
第1Q 19-20
第2Q _8-12
第3Q 18-28
第4Q 16-26
最終スコア 61-86

【スタート】
富山:#9水戸、#14加藤、#3デービス、#21ハーパー、#36スミス
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー

【レフリー】
#5デービス、#7石榑、#39田村

【観客者数】
1,176人

【主な個人スタッツ】
富山:ハーパー20pts、FG5/10、FT9/11。16reb、2stl、4TO、スミス13pts、FG5/9、8reb、加藤8pts、FG3/10、2stl、水戸6pts、FG2/9、4TO、デービス5pts、2ast、6TO
新潟:コナーレ16pts、2pt6/10、4TO、小松16pts、3pt4/6、澤岻13pts、FG6/6、2stl、ヴィーズリー12pts、2pt4/5、3ast、池田8pts、FG3/6、3ast、アンドリュース7pts、FG3/4、13reb、2blk、アシュビー5pts、FG2/9、5reb、2blk、根東4pts、FT4/4

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第1Q 富山19-20新潟

新潟は序盤から澤岻、池田とアウトサイドのタッチが軽く、この2人のミドルショット2本でスタート。アンドリュースのゴール下からのFT(1/2)で5-0とリード。

序盤、水戸、加藤らの3ポイントが決まらない富山。しかしここからはドライブからのアシストがゴール下に通り、スミス、加藤らが得点。ハーパーのドライブからのシュートも決まる。

新潟は池田のバンクショット、そしてスクリーンプレーからの3ポイントとアウトサイドが好調。アシュビーを起点としたオフェンスで、ダブルチームに対して澤岻のミドルと3ポイントも決まる。

一方の富山もハーパーのパスから加藤のミドル、次は落ちるがこれをハーパーがティップでダンク。スミスのポストプレー、速攻からデービスの3ポイントとオフェンスのバランスもいい。ここまで15-15のタイ。

終盤、新潟はアシュビーがシュートを決められず、富山もスミスがFTを0/2とチャンスを逃すが、速攻から水戸のバスカンが決まる。新潟もヴィーズリーの3ポイントが決まり18-18。

富山は開幕戦以来のロングプレーとなった高野がドライブからFTをもらい、開幕戦以来の得点を決める。

最後にコナーレがミドルショットを沈め、新潟が20-19とリードして第1Qを終了。

※富山の2ptが7/12(58.3%)と好調なのに対し、新潟も3ptが3/4とアウトサイドが決まる。お互いにシュートのリリースが軽い。

リバウンドも10-10、ターンオーバーも富山4-3新潟と大差なく、まだどちらのチームの流れを奪うには至りません。

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第2Q 富山8-12新潟

新潟はベンチメンバーがコートへ、ディフェンスも3-2のゾーンに。プレスをしかける富山に対し、最初のオフェンスこそ24秒OTと乱れるが、続くオフェンスで小松が3ポイントを沈め流れに乗る・・・かと思いきや、ここから富山がラッシュ。

カイルがオフェンスリバウンドによく飛び込んで得点すると、ハーパーからのパスで加藤が3ポイント。続いてハーパー自身も3ポイントを沈め27-23とリードを広げたところで新潟のタイムアウト(6:10)。

ゾーンディフェンスをすぐにマンツーに戻していた新潟、ここで再びメンバーを入れ替え、再びゾーンを敷くが、これが富山の足を止めてしまう。アウトサイド中心のオフェンスはことごとく外れ、ドライブからのシュートも決まらず、ファウルももらえない。結局、残り6分は無得点で終わってしまう。

新潟のオフェンスも低調ながら、池田、澤岻のドライブからのアシストでアシュビーがそれぞれゴール下を決め、また速攻から小松の3ポイント、そして終盤にはダヴィッツがバスカンでシュートを決め、32-27でハーフタイムへ。

※このQの富山のFGは3/13(23.1%)と低調で、astも1とボールが回りませんでした。

新潟も5/14(35.7%)と似たり寄ったりの数字で、お互いに決め手を欠いた状態が続いています。

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第3Q 富山18-28新潟

ここからのゲーム展開を支配したのは新潟のディフェンス。マンツーマンに戻しましたが、タイトな守りで富山に楽なボール回しを許さない。

オフェンスではヴィーズリー。プルアップからのミドル、速攻でレイアップ、そしてゴール下のコナーレへアシストパス。立ち上がり、いきなりアシュビーが3ファウルとなってベンチに戻ったものの、その不安を感じさせません。

更にコナーレの3ポイント、そして澤岻のパスからヴィーズリーが速攻でバスカンを決め43-33と点差が10点に開いたところで富山のタイムアウト(6:35)。富山もハーパーやスミスが得点していますが、シュートミスやターンオーバーがことごとく新潟の得点に結びついています。

タイムアウト後、富山を引っ張るのはハーパー。ドライブからバスカン、そしてゴール下のダンクはブロックされるもののファウル。ここで新潟のタイムアウト(5:51)。

次は新潟の流れ。澤岻がドライブから巧くタイミングをずらしてディフェンスをかわしレイアップ。その後のオフェンスで、池田がポストから似たプレーにトライするも決まらず、しかしアンドリュースがこのオフェンスリバウンドを押し込む。そしてコナーレが左へのドライブを決めて50-38として富山が再びタイムアウト(3:53)。富山のディフェンスは新潟の1on1を止められない。

終盤にかけて新潟が一気に加速。速攻から澤岻がスピード感あふれるリバースレイアップを決め、池田もフェイクからFTをもらう。ターンオーバーからヴィーズリーが速攻に走り、55-38とあっと言う間にリードが広がる。

富山もジョンソンのドライブや水戸の3ポイントが決まるが、終盤から再びゾーンに切り替えた新潟に対し、どうしてもオフェンスが単発になってしまう。

新潟はアンドリュースがローポストで躍動感みなぎるターンからの得点を決め、最後に小松の3ポイントが決まり、60-45とリードを広げて第3Qを終了。

※富山はFTを7/7と確実に決め、2ptも4/7と悪くなかったものの、新潟のオフェンスを止められませんでした。

新潟は3ptが2/5ですが、2ptは実に10/12。コナーレと池田がそれぞれ1本ずつ落とした以外は、全ての2ptシュートを決めました。特にファウルトラブルのアシュビーに替わってコートインしたコナーレは9pts、FG4/6とチームに貢献。ビッグマンの不在を、コナーレを筆頭にチーム全体でフォローしました。

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第4Q 富山16-26新潟

※新潟は一発目に小松が3ポイントを沈め、次はその小松がダブルチームされたアンドリュースからのパスをもらってゴール下で得点するなど好調。澤岻からのピックのプレーでアンドリュースがアリウープを決め、これがバスカンになるなど完全に新潟の流れとなる。

富山は第3Q中盤から引き続きゾーンで守る新潟ディフェンスを攻略できない。無理に攻めてはオフェンスファウルを取られたり、3連続で3ポイントを外すなど完全にリズムを失っています。

新潟は小松が左へのドライブをバスカンで沈め、澤岻も左へのドライブをあっさりと決めるなどオフェンスも好調。

71-51で迎えたオフィシャルタイムアウト(4:26)の後は、新潟が怒濤の流れで試合を決定づけます。コナーレが2本連続で速攻を決め、2本目はバスカンに。ダヴィッツもゴール下であっさり得点し、もはや富山ディフェンスは緊張の糸が切れたように見えます。さすがにここで富山のタイムアウト(2:15)。

その後、マンツーマンにディフェンスを戻した新潟に対し積極的なオフェンスを見せる富山。スミスのゴール下やアリウープ、ハーパー、デービスらの得点が決まるものの、時すでに遅し。新潟は終盤のFTを決め、86-61で快勝しました。

※富山は終盤の追い上げなどもあって2ptFGが5/9と悪くありませんでしたが、この10分間だけでターンオーバーが6、試合全体では19もありました(新潟は12)。

新潟はこの第4Qもオフェンスが好調で(2ptFG8/12、FT7/11)、5astとボールも回り、速攻を中心として確実に得点を重ねました。

新潟はアシュビーが今シーズンワーストのパフォーマンスながら(シーズン最低の5pts、FG2/9)、後半のタイトなディフェンスからのトランジションで富山を圧倒。後半だけのスタッツに限れば、得点は新潟の54-34、アシストが9-2、ターンオーバーが6-11、3ptが33.3%(3/9)-11.1%(1/9)、2ptが75%(18/24)-50%(9/18)と、ほとんどの場面で富山をリードしました。