2月13日(日)富山グラウジーズvsライジング福岡 試合後のインタビューとゲームレポート

前日の接戦から一転、この日は福岡が得意の早い展開で富山を圧倒し、前日のリベンジを果たしました。試合後の記者会見の様子及びゲームレポートは下記になります。

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ライジング福岡

小川忠晴HC

-今日の試合の総括について
「今日の勝因は、まずディフェンスだと思います。今日のディフェンスはここ最近のゲームの中で、一番いいものだったと思います。このようなゲームでは途中で集中力が切れることもあるんですけど、選手達が40分間、集中力を切らさずにプレーしてくれたことを嬉しく思います。
数字で見たとき、2ポイントの確率が、久しぶりにこれだけ高くなりました(2ptFG:34/61、55.7%)。確率の高いところ、リング下とかレイアップとかあると思うんですけど、やはりそういった所で得点が伸びてくると、点数が伸びてくるし、それは僕達がずっとやってきた事です。今日のゲームは、僕達にとってすごく為になった内容だったと思います。
あと数字で見えない所では、控えの石谷がすごくいいディフェンスをしてくれました。体を張って、ルーズボールに行ったり。彼がチームに勢いをプラスしてくれたと思います。」

―前日の敗戦を受けて、今日の試合で指示したことは?
「オフェンスに関してはターンオーバーです。ターンオーバーの質について言いました。ドリブルからアタックするときにミスが多いので、それに気をつけるように言いました。
ディフェンスに関しては、トランジションの中でのピックアップを早くしなさいと指示しました。ピックアップを早くして、スティールを狙おう、と。ギャンブルディフェンスにならないようにという事です。早めにピックアップするのはいいのですが、そこでスティールを狙わずに、そこでしっかりとリズムを止めることが大事だということを、チームの大きな目標としていました。」

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#8竹野明倫選手

―前日の敗戦を受けて、今日の試合で意識したことは?
「ディフェンスですね。出だしからディフェンスでアグレッシブに行くというのはチーム全体で統一意識があったので、それが結果に出たと思います。」

―前日に比べて個人成績も向上しましたが、自分でチームを引っ張ろうという意識はありましたか?
「そうですね、出だしからアグレッシブに行こうと思ってたし、今日はそれがいい結果に繋がったと思います。」

―日本人選手としてはリーグでもトップクラスの出場時間を与えられていますが、チームから信頼されているという意識はありますか?
「そうですね、それがあるからこれだけシュートも打てるというのはあります。先週の試合かな?シュートが本当に全然入らない時があったんですけど、(コーチが)ずっと使ってくれて、最後いい所で決めることが出来ました。それは、嬉しかったですね。」

―福岡はウェストで上位争いを繰り広げていますが、前日のように下位チームに敗れるなど、波があります。チームとしてここからステップアップする為に必要な事はなんでしょうか?
「相手に合わせないことですね。本当に強いチームとやるときは、ディフェンスもいいしオフェンスもいいし、いいバスケットというものが出来るんですけど、どうしても下位のチームになると、勝てない。勝てないというか、相手に合わせて、いつも竸って・・・という展開になってしまいます。なので今日のゲームの出だしのディフェンスというものをチーム全体が忘れずに、どんな相手でもあの出だしが出来れば、次のレベルに行くんじゃないかなと思います。」

―前日のようなチーム全体が不調で、またエースのパーカー選手が調子が出ないような状況の時に、竹野選手自身がその状況を変えようという意識はありましたか?
「それはもちろん思いますね。(その状況で)どうすればいいか、というのは考えるし。オフェンスは悪くてもディフェンスは出来るので、声を出して「ハッスルしていこう」とは言うんですが、なかなか(チームが)乗れない。いいディフェンスはしてるんですよね。しているんですけど、僕達の流れに持って行きたいところで、オフェンスでミスが出たり、簡単なターンオーバーをしてしまったりして、乗れない。だいたい悪いときはいつもそんな感じなので、そこをチーム全員がもっと意識して、乗りたいところで波に乗れるように全員が考えて、バスケットをすることが大事だと思います。」

―新加入のクウソー選手のプレーについての印象は?
「ヘルプのディフェンスもすごくするし、体を張ってプレーしてくれるので、とてもいい影響を与えてくれています。」

―ここに更に225センチのフーガ選手が加わり、これでチームの補強は一段落ですが、このメンバーが揃うことにより、ウェストを勝ち抜くタレントが集まったと思いますか?
「メンバーは揃ったので、あとはどれだけ選手が毎試合、気を緩めること無く、自分達のバスケットを貫き通せるか。どんな状況であっても、その気持ちは緩ませることなく戦うことが、カギになると思います。」

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富山グラウジーズ

下地一明HC

―今日の試合の総括について
「今日は何も言うことがないです。申し訳ないとしか言いようがありません。応援してくれたブースターさん達に申し訳ないと思います。

先週の埼玉でも同じ経験をしたので(土曜に勝利、日曜に敗戦)、同じ過ちは繰り返すな、と。昨日以上に集中して(ゲームに)入りなさいと言ったのですが、徹底し切れなかった。また僕の反省ですね。昨日、(試合後の)ミーティングが終わった時点で、「今日の勝ちは忘れなさい」と言いました。明日勝って、みんなで喜ぼうと話したのですが、今日の入り方は本当に悪かったですね。」

―後半にあまりタイムアウトを取らなかったのは?
「自分達で打開させました。たぶんあそこで、選手達も気づいてましたね。今日、僕は4メン(アウト)にこだわったんですよ。個々の能力を生かすという意味では、僕は4メンが好きなんです。これを今、彼らにマスターしてもらいたいんですよ。ウチのチームは能力あると思うんですよ。その能力を生かすために、オフェンスをみんなで作りながら、1対1でアタックしよう、と。その意味で4メンアウトに徹底したんですけど、ボールをシェアできなかった。終わった後、彼らが気づいたので、それが収穫かなと思ってます。タイムアウトは取らずに、自分達で打開しなさい、と。俺が責任取るから、自分達で打開しなさい、と言いました。
やはり、僕に言われてやるようじゃまだまだなんですよ。最後、ウチのJD(#3デービス)とも話したんですが、(彼は)自分なりにフラストレーションがあった、と。なぜそれをチームメイトに言わないんだ、ということです。ケンカしろと言ってるわけじゃなくて、しゃべることが大事なんです。やはり自分の胸の内の思いを、チームメイトに伝えなければいけないし、それを抱えていても、何の解決にもならないんです。ウチのチームはファミリーなんだから、隠し事はないんだと。今までもいろいろあったんです。それでも僕は1回も止めたことはないし、解決したか?しか聞かないです。解決しなかったら、コーチも含めて、チームで考えよう、と。言うことが大事なんです、コミュニケーションが取れますから。それで彼も納得してくれました。
まだやることはたくさんあるんですけど、今大事なのは、各々個人をを知ってもらうことです。それぞれを知っているチームを作りたいです。
ずっと言ってますが、やるのは選手なので、僕はそれを信じて見守るしかありません。結果が伴わなければ僕が責任を取ればいいので。彼らを信じて、バスケットをさせてあげたいと思ってます。」

―埼玉戦以降、デービス選手が外でボールを回す場面が多くなってますが、この意図は?
「実際、(チームに)ポイントガードがいない中で、彼がもっとボールをプッシュしたり、コントロールしたり、彼には出来ると思うんです。そんなにスピードやクイックネスがある訳ではないですが、賢いので、彼を信じて任せてます。その中で、オープンなのにボールが来なかったり、ボールを触る回数が少なかった。そう感じているのに言わないというのは、僕は納得いかなかったんです。指示は一緒です。4メンアウトでボールをシェアしなさい、カッティングも、素早くすれ違いで。スクリーンもしっかり掛けなさいと。でも、徹底し切れなかったのは僕の責任です。」

―山城選手がPGでプレーする時間が多くなってますが、この評価は?
「彼を入れる時は、プッシュを徹底するように言ってます。やはりバスケットの理想は、リバウンドを取ってプッシュして、2、3秒でシュートを決めることだと思うので、チームがプッシュ出来なくなった時に彼を出すことによって、全体的にボールを全体的にプッシュしてくれます。ただ、今日はちょっとダメでしたね。やはり福岡さんがしっかりスカウティングしてきてプレッシャーをかけてきたので、まだまだ僕も勉強不足です。」

―日曜の試合になかなか勝てないという現状について
「それは打開しないといけないですね。1戦1戦しか考えてないので、常にチャレンジャーの気持ちで、今後も戦っていきたいと思います。」

―今日の敗因について

「昨日も話したと思うんですが、まだまだスキルが無いんです。その意味で、スキルアップが急務なんですが、これは徹底して練習していくしかありません。彼らは休みの日も自分達で練習してますし、(上達を)信じて待つしかありません。当然、僕も教えてるし、教えたいと思ってます。僕が見てまだ1週間ちょっとですから、これを継続して続けていくことが大事だと思います。彼らの成長無くしてチーム力はアップしないので、そこは徹底してスキルアップに拘っていきたいと思います。

正直、(富山の)バスケIQは高くないかもしれません。人を見るとか、細かい技術が無いんですよね。ディフェンスが動くときに、ディフェンスの目が切った瞬間に動くとか、背中にカッティングするとか。結局大回りするから、ディフェンスにバンプされてディナイされたりして。本当に細かいことなんですよ。人間の後ろを動くというのは(相手は)やはり嫌なので、その瞬間に動くとか。こういった細かいスキルがまだ無いのですが、そこは福岡さんは上手いです。パーカー選手にしても、体を(ディフェンスに)あずけながらロブパスを取ったり。竹野にしても、ピックの使い方とか絶妙ですよね。そういった意味では(富山は)外国人も含めてスキルが無いので、そこは教えがいがあります。どう変わるかは分かりませんが、楽しみですね。僕はそれを信じていきたいです。

やはり、僕に言われてじゃなくて、自分たちで考えてスコア出来た時が、一番嬉しいと思うんですよ。自分達のフォーメーションで、ボールをシェアして、みんなでスペースを作って、その中で一人を生かす。それは実は回りのおかげだと、そういった事が分かるようになってくれると、彼らが成長したということだと思います。その時まで、長い目で見たいと思っています。もちろん、その為に練習して、試合では指示はします。

ただ、今日は情けないので、自分達で打開しなさい、と。僕は何点離れていようが絶対に戦うので。ブースターさん達があんなに応援してくれているのに、最後に諦めるとか絶対にしたくありません。その気持ちだけは、選手に絶対に持っていてもらいたいですし、常日頃から伝えています。」

―今後の試合について
「2連勝してないので、仙台さんを叩いて2連勝して帰ってきたいです。負けに行く訳ではないですし、当然、優勝を狙ってますから。4位に入ってワイルドカードからプレイオフに行く思いで僕はいます。最後まで絶対に諦めません。どこからそんな自信が?と思うかもしれませんが、まだチャンスはあるんですよ。そのチャンスを掴めるかどうかだと思うので、掴めると信じてこれからも戦いたいと思います。」

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ゲームレポート

ライジング福岡 vs 富山グラウジーズ@ありそドーム(2011.2.13)

富山ー福岡
第1Q 13-25 
第2Q 12-20
第3Q 17-26
第4Q 25-18
最終スコア 67-89

【スタート】
富山:#9水戸、#14加藤、#3デービス、#21ハーパー、#36スミス
福岡:#8竹野、#1仲西、#15マーリー、#3パーカー、#31クウソー
※福岡は加納に代わり、前日11ptsと好調だった仲西がスタート

【レフリー】
#24関口、#31堀田、#34永島

【観客者数】
1,548名

【主な個人スタッツ】
富山:スミス20pts、FG9/11、FT2/9、9reb、ハーパー18pts、FG6/16、8reb、2stl、ジョンソン10pts、rreb、4ast、山城8pts、水戸7pts、FG3/14、5reb
福岡:パーカー21pts、2pt10/19、FT1/5、12reb、2blk、マーリー21pts、2ptFG6/7、FT6/8、3ast、4TO、竹野17pts、FG7/11、4ast、3stl、クウソー12pts、11reb、コルデイロ9pts、FG4/5、7reb、17min、仲西7pts、3ast

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第1Q 富山13-25福岡

両チームともマンツーマンでゲームスタート。いきなり、竹野がミドルショットを沈める。そのセレクションに全く迷いはない。今日の福岡は来るのか?案の定、一気に福岡の流れとなる。

前日はクウソーのポストオフェンスから入った福岡。この日はアウトサイドからのシュートと積極的なドライブが目立つ。竹野のドライブは外れるも、クウソーがオフェンスリバウンドを押し込む。そのクウソーが加藤のシュートをブロックすると、これがマーリーの速攻に繋がりFT。

富山もハーパーのドライブでやっと得点するも、24秒オーバータイムなど福岡ディフェンスを攻められない。福岡は前日以上にポストへのダブルチームを積極的に仕掛け、富山オフェンスを崩壊させてしまう。

オフェンスではパーカー、マーリーが途切れることなく攻め続ける。富山のシュートミスからマーリーが速攻に突っ走り、7-2となったところで富山のタイムアウト(5:36)。

盛り返したい富山の出鼻をくじくのがマーリーの3ポイント。福岡のシュートはとにかくそのトリガーが軽く、富山はそのペースに付いていけない。

更に加速する福岡オフェンス。引っ張るのは前日から引き続き好調なマーリー。アウトサイドだけでなく速攻での決定力のあるマーリーが、ゴール下に速攻にと走り回る。そして得点を決める度にオールコートプレスを仕掛け(土曜について3-1-1と書きましたが、2-2-1のようです)、富山のミスを誘う。クウソーもゴール下でダンクをたたき込み、16-4と一気にリードを広げる。

この流れをやっと止めたのは水戸のシュート。山城のアシストから3ポイントを決めると、福岡のミスからジョンソンの速攻、そしてハーパーがダンクを決め、11-18と点差を戻したところで福岡のタイムアウト(1:53)。

流れを変えたい富山、しかし今度は仲西の3ポイントで福岡が追加点。その後マーリーのドライブからFT、そして速攻からパーカーがバスカンを決め、25-13と福岡がリードして第1Qを終了しました。

※富山にとっては、嵐のような第1Qになってしまいました。福岡のFGは40%と決して良くはないですが、FGのアテンプトが20本、FTのアテンプトが10本。これに対して富山のFGアテンプトはそれぞれ15と2。この差は、福岡のプレスディフェンスによる富山のターンオーバー7が要因です。

激しい福岡ディフェンスにリズムを崩された富山のオフェンスはミスが多く精度を欠き、ここから福岡はトランジションオフェンスを展開。特にマーリーは12ptsと圧倒的な存在感でチームを引っ張りました。

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第2Q 富山12-20福岡

前日はこの第2Qで18-10と盛り返した富山。しかしこの日の福岡は同じ轍を踏みませんでした。

第1Qはマーリー、今度はパーカー。シュートに速攻にとコート狭しと駆け巡り、竹野のシュートを挟んで7連続得点。34-13と一気に点差が開いたところで富山のタイムアウト(6:29)。富山はシュートがことごとく入りません。

次は竹野。右に左にディフェンスを揺さぶり、ミドルショットに鋭いドライブと竹野らしいプレーを連発。山城にしろ水戸にしろ、富山の誰も竹野を止められない。

富山はジョンソンがドライブからやっとこのQの初得点。第2Qに入ってから実に4分30秒も無得点でした。

オフィシャルタイムアウト後(4:49)、福岡は再びギアを上げます。プレスから加納がスティールして得点すると、竹野の鋭いドライブからコルデイロのバスカンをアシスト。ボーナスFTも沈め、これで43-17と実に26点差までリードが広がりました。

富山のオフェンスは相変わらずなのですが、ここから奮起したのがスミス。ひたすらゴール下にアタックを続け、ボールに飛びついてはリングに押し込みます。速攻から外れた水戸のショットをティップインで押し込んでバスカンを決めるなど、文字通りの孤軍奮闘状態。

それでも点差はなかなか縮まらず、45-25の福岡20点リードでハーフタイムとなります。

※前日は富山が18-10、この日は福岡が20-12。福岡はしっかり修正しています。

富山はターンオーバーこそ4と減ったもののシュートが低調なだけでなく(FG5/19、26.3%)、せっかくもらったFTも2/7(28.6%)と散々たる状態。

福岡は引き続き積極的なオフェンスを展開。ここではパーカー(7pts)、竹野(6pts、3ast)がチームを引っ張り、着実にリードを広げました。

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第3Q 富山17-20福岡

富山が盛り返すなら後半の出だししかありません。スミスがオフェンスリバウンドを拾ってダンクを決め、水戸もドライブから難しいバンクショットを決めます。

しかしオフェンスなら負けない福岡。竹野のドライブからゴール下の仲西にアシスト、速攻でハーパーがダンクを決めれば、クウソーもドライブからダンクを叩き込んで雄叫びを上げます。クウソーのハッスルにベンチも盛り上がる。ここにマーリーがジャンプショット、速攻からの得点で続いて57-31と再び点差が広がっていきます。

富山も積極的に攻めてはいますがターンオーバーが出たり、速攻が連続でオフェンスファウルになってしまうなど空回りの感もあります。

それでもハーパーの速攻からのバスカンやジョンソンの連続得点などで追い上げますが、福岡の流れを変えるには至らない。カイルがゴール下でバスカンを押し込むも、ボーナスFTを決められないなど、もう一つ流れに乗り切れません。

終盤は再び福岡のラッシュ。足が本調子ではないコルデイロがオフェンスリバウンドからのシュートを決め、速攻ではまたまたパーカーがバスカンを決める。マーリーの速攻、そして最後は再び竹野の見事なドライブが決まり、71-42と福岡がリードを広げて第3Qを終了しました。

※富山は2ptFGは50%(8/16)と改善してきたのですが、福岡のプレスにまたターンオーバーが6も出てしまいました。また、福岡のトランジションからのオフェンスも止められず(2ptFG11/17、64.7%)、徐々に点差が広がっている状態です。

福岡ではマーリーがここまで既に21ptsと好調で、マーリー、竹野、パーカーの3人で71ptsのうち39ptsを稼いでいます。

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第4Q 富山25-18福岡

試合はほぼ決していますが、まだ富山にはチャンスがあります。その為には福岡オフェンスを止めなければいけませんが、これが出来ない。

コルデイロのゴール下、竹野のアウトサイド。コルデイロは動きこそ限られますが高さがあり、確実に得点を重ねます。更にパーカーがゴール下にドライブと加点。富山もハーパーを中心になんとか攻めようとしますが、やはり苦しく、81-51で富山のタイムアウト(5:11)。この30点が、この試合の最大得点差でした。

オフィシャルタイムアウト後(4:51)から終盤にかけて富山も反撃しますが、福岡でもクウソーが最後までゴール下で存在感を発揮しました。

最終スコアは89-67。福岡が富山をあらゆる面で圧倒し、前日のリベンジを果たしました。

※前日はお互いにその持ち味を発揮できず、最後の最後で富山の執念が一歩勝った試合だったのですが、この日はひたすら福岡のバスケが展開されました。

第4Qの終盤以外はほとんど福岡ペースで、富山は最後までその流れを修正できませんでした。89ptsのうち59ptsがマーリー、パーカー、竹野によるもの。これでもパーカーは最後まで不調で、ファウルをもらえない事もあって試合中にはレフリーに面と向かって1分近くひたすら抗議する場面もありました。この試合は福岡のショーケースのような試合だったのでそう見えて当然なのですが、このチームは実によく出来ています。オールコートのプレスディフェンスでミスを誘い、速攻に走り、シュートチャンスがあれば迷わず打つ。パーカー、マーリー、竹野と武器は揃っており、ゴール下には高さのコルデイロとパワフルなクウソーが控えています。

速攻型のチームなので必然的にシュートミスは多くなりますが、ひたすら繰り出されるトランジションからのオフェンスで次々に得点を重ねます。この速攻の決定力は特筆すべきものがありました。

更にハーフコートにおいても、コートを広く使ってドライブにアウトサイドと積極的なオフェンスを展開。福岡のオフェンスはボールがどこにあろうと常に他のチームメイトが動いており、わずかでもディフェンスのギャップがあればそこを突こうと狙っています。これは間違いなくチームプレーの質の高さを示すものであり、やはりウェストで上位を目指すだけの実力を感じさせるものです。

イーストに関しては比較的ディフェンス重視のチームが多い中、福岡のようなオフェンシブなチームバスケは見ていて楽しく、またベンチも含めたチームがよくまとまっている印象を受けました。

新加入ながら存在感を発揮したクウソーに、更に225センチのビッグマン、フーガが加入する福岡。既存の得点力を生かしつつ、ここの高さが加わるライジングの今後にも期待できそうです。

一方の富山。

前日も決して良くなかったですが、この日は全くいいところがありませんでした。荒れた展開を狙ってくる福岡に対して完全に飲まれてしまい、最後まで自分たちのバスケを展開できませんでした。20ターンオーバーというのは、どんなチームにとっても勝つことを難しくしますし、FTが11/23で勝つことも、やはり簡単な事ではありません。また、下地HCのやりたかった4メンアウトのオフェンスも、結局はアウトサイドのオフェンスが1on1頼りになってしまい、チームとしてオフェンスを組み立てることが出来ませんでした。

収穫点を上げるならば、ベンチのジョンソンが2試合とも堅実なプレーでチームに貢献したことがあげられます。土曜は勝利を決定づけるプットバックを含む9pts、4rebを記録。この日も10pts、4reb、4astとオールラウンドな活躍を見せてくれました。ミスも多いですが、ジョンソンのプレーに確実性が増せば、間違いなくチームに勢いを与えてくれるはずです。

また、ビッグマンのスミスは2試合で42pts、22rebと富山というチームに欠かせない存在であることを改めて証明しました。シュートは17/26と悪くない数字ですが、2試合で8/18というFTはいただけません。手首のスナップが毎回のように違い、決して高い確率のフォームには見えません。

そして山城。PGとしてコートに立つ時間が長くなり、判断ミスも多いのですが、土日いずれも25minほどの出場時間をもらい、最低限の仕事はこなした印象です。プレスへの対応やシュートの精度など課題も多いですが、彼がボールを回すことにより、富山はチームとしてベターなバスケを展開できるようです。ハッスルプレーや、チームメイトに大声で指示を出す場面など、今後のプレーに期待させるものがありました。

そして、これら3人だけでなく富山のメンバーそれぞれがその持ち味を存分に発揮できるならば、この日のような試合をする事は減るでしょうし、間違いなくより上位を目指すことが出来るでしょう。それこそ、新しくHCに就任した下地HCに求められていることなのです。