2月5日(土) 新潟アルビレックスBB vs 浜松・東三河フェニックス 試合のインタビューとレポート

新潟にとって後半戦初のホームは、首位を独走する浜松を迎え撃ちます。試合は延長に縺れ込む接戦となりました。試合後のインタビューの様子は下記に、ゲームレポートはその下になります。

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浜松・東三河フェニックス

中村和雄HC

―今日の試合の総括について
「今シーズンはこんな試合が相当多いんですよ。3分の1はこんなゲームかな、負けゲームを拾っている感じです。大きな理由は僕にも分かりません。何故拾っているのか。けど、今のところ勝ってはいます。

で、勝っていることによって、先週のオールスター明けくらいから、プレーに雑さが見られるんです。ターンオーバーが少ないチームでやってきたのに、非常に無造作で、今日も20個のターンオーバーがありました。10本多いんですよね。だから、正直言ってどこかで2つ、3つと負けて出直したほうがいいかな、というのはあります。

新潟に関しては、16番のニックが入ったんですけど、プレースタイルがちょっと分からなかったので、そのとまどいはありました。

僕はもともと(新潟は)強いチームだと思ってますし、会場に入ってもいい雰囲気だと思うし、歴史がある新潟というチームには関心していました。見るほうからしたら、(今日の試合は)最高にエキサイティングな試合だったと思います。」

―第4Qにシュートの確率が落ちた理由は?
「無いですね。(理由は)分からないものですよ。原因なんて本当に無いんです。こじつければ何でもあるんでしょうけど、たまたま入らなければ入らないだけの話です。

ファウルトラブルが多いのが大変でしたね。(ファウルトラブルを)相殺するのが。あと大口がまだちょっと使えないのが痛かったと思います。(本人は)「今週から大丈夫」と言ってるけど、捻挫がひどかったので。ちょっと使ったらダメだったので、これも痛かったですね。

勝つ原因も分からないし、負ける原因も分からないものです。最後のところは本当に分からない。こじつければ何とでも言えるんでしょうけど、実際には分からないですよね。あの流れでは。」

―池田選手を3点に抑えた事はチームにとって大きかったでしょうか?
「(浜松の選手に対して)最後に入れられることはないでしょう(延長開始直後の3ポイント)。あれは腹が立ちます。

(池田選手は)今シーズンいいからね。非常にいい感じです。今日の新聞見たら、池田がね、「2連勝する」なんて言うから、そうは行かないな(笑)。よし、そうかと思って。

池田はやっぱりマークしてますよ。今シーズンいいから。去年は悪かったんです。今年は非常にいいんで、その意味では、彼に対する注意は払いました。」

―太田敦選手のディフェンス面での貢献について
「良くなってますよ。僕はあの子のディフェンスがbjで一番のディフェンスだと思ってるんです。素晴らしいです。よく見たら分かりますよ。(オフェンスが)イラついてファウル。あれはディフェンスの見せ所ですよ。センターであれだけ(オフェンスの回りを)グルグル回る、これは外国人にはなかなか出来ない。僕のところのセンター(ラーカイ)に言っても分からない、出来ない。(太田の)ディフェンスとリバウンドに対する貢献度というのは、相当よくなっていると感じています。今も(ロッカールームで)褒めてきたんです。なかなかいいぞ、と。」

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新潟アルビレックスBB

廣瀬昌也HC

―今日の試合の総括について
「どっちも内容的には良くなかったと思うんです。浜松さんも本調子じゃなかっただろうし、ウチもターンオーバーが多くて。ミス、ミス、ミスで。

その中でも勝てるチャンスはいっぱいあったと思うんです。残念なのはターンオーバーのところ、あとFTのところ。最後は向こうが決めて、こっちが落とした、ミスしたという、ちょっとの差だと思うんです。

やはり前半イニシアチブを取られて、後半追い上げるのに、浜松さん相手だとエネルギー使うし、しんどいと思うんです。初めからしっかりとターンオーバーを減らしてやっていかなければ、ああいった強いチームにはなかなか勝てないと思います。

ただ後半の追い上げという意味では、ディフェンスが(レギュレーションでは)72ptsに抑えていたというのは、向こうもオープンショット何本か落としてくれているし、普段では信じられないようなターンオーバーもやっているのですが、外にどんどんプレッシャーをかけていこうというのは良かったのではないかと思います。

そこをまた明日引続きやりながら、明日は本当にリベンジしたいと思います。」

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#25ジュリアス・アシュビー選手

―今日の試合について
「アップダウンの激しいゲームだったと思います。浜松はとてもいいチームなんですが、そういったチームに対して、すごくミスが多かったと思います。それでも勝つチャンスはあったんですけど、それを物にすることが出来ませんでした。」

―第4Qにアシュビー選手の得点で追い上げました
「浜松は自分に対してダブルチームを仕掛けてきたのですが、それに対する対応をしていって、それに対する浜松の対応が上手くできていなかったのだと思います。」

―ダブルチームの対応について
「オフェンスの度にプレーを変えたりして対応しました。」

―前半はダブルチームに苦しみましたか?
「ダブルチームはされていましたが、それを全部自分がシュートを打たなければいけない訳ではないので、ゲームの流れの中で、ダブルチームされたらボールを捌けばいいという事なので、前半はパスを捌いて、スコアできるチームメイトに回すようにしました。」

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#32池田雄一選手

―今日の試合について
「試合の序盤はターンオーバーで相手に流れが行ってしまったんですけど、粘り強く戦えたと思うし、17点差を追いつくこともできました。実際には勝てるゲームだったと思います。やはり詰めの甘さというか、相手が本当に勝ち方を知っているというか。残念な結果だと思ってます。」

―ターンオーバーの数もそれほど差がないのですが、3点の差はなんでしょうか?
「ターンオーバーの数自体は変わらないと思うんですが、やった場所、時間帯ですね。ウチは試合の入りの部分でターンオーバー、ターンオーバーで相手に流れを渡してしまったというのは、反省点だと思います。

3点差でも何点差でも、ウチのFTが入ればもっと優位に進めただろうし、勝負どころのターンオーバー、今日はたまたま澤岻さんがやってしまった、それは痛かったんですけど誰がどうのこうのではなくて、チームとしてどうやって改善していくかだと思います。まずはこの経験を明日に生かさないといけないと思いますし、明日は本当に大事なゲームになると思います。」

―延長の最初に池田選手の3ポイントが決まった所で流れに乗ったかのように思えたのですが
「今日はなかなかいいパスが来なかったというのはあります。今日は澤岻さんが攻めていたので、いつものタイミングでは(パスが)来なかったし、個人的には苦しんだ部分もありました。延長戦の最初は、いつものタイミングで思い切って打てたし、入って良かったと思います。(延長で)5点差をつけた時点で、(リードを)7点、8点と伸ばしていければウチのペースだったと思うんですけど、そこは浜松さんに上手く追いつかれたと思います。」

―いいパスが来なかったというのは?
「試合終盤ではオープンになる時間帯も多くて、いつもなら澤岻さんがペネトレイトから捌いてくれるところを、今日は自分で(シュートまで)行ってました。それはそれでいいんですが、自分自身ではリズムに乗れなかったところもありました。明日はチャンスがあればどんどん狙っていきたいと思います。」

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#16ニック・ダヴィッツ選手

―今日の試合について
「すごくいいゲームだったと思います。素晴らしいチームに対して私達は戦いました。勝つチャンスはあったんですけど、最後は及ばずに負けてしまいました。彼らがいいチームだったという事だと思います。」

―新潟のメンバーとして初のスタメンとして意識することはありましたか?
「まだ新潟で3試合目なので、他のゲームと同様、とにかく一生懸命やろうと思っていました。スタートだからと意識することは無かったですし、試合の流れの中では勝つチャンスがあったと思うんですけど、勝てなかったのが残念です。

延長戦に入って4点、5点とリードしている時は勝つチャンスがあったと思うし、もちろん、どんな時でも勝つチャンスはあると思ってプレーしています。浜松はチャンピオンチームで、いいチームですから、彼らはその状況の中で活路を見出したという事だと思います。ただ私達も、こういった状況の中で勝つ方法を見つけて、しっかり勝っていかなければいけないと思います。そこで勝つことが出来れば、彼らのようなチャンピオンのチームになれると思います。」

―bjリーグでは仙台、大阪とプレーして、今日が新潟の選手として初のホーム戦でしたが、会場の雰囲気はどうでしたか?
「新潟のブースターはすごく一生懸命応援してくれますから、そのようなブースターの前でプレーできるのは嬉しいことですし、応援してもらってよかったと思っています。」

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ゲームレポート

新潟アルビレックスBB vs 浜松・東三河フェニックス

新潟-浜松
第1Q 15-20
第2Q 17-20
第3Q 19-19
第4Q 21-13
延長 9-13
最終スコア 80-84

【スタート】
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#16ダヴィッツ、#25アシュビー
浜松:#11岡田、#7太田和、#9ディクソン、#21パーマー、#12ラーカイ

【レフリー】
#10上田、#24関口、#31堀田

【観客数】
1,339人

【主な個人スタッツ】
新潟:ダヴィッツ24pts、FG5/7、FT13/17、7reb、アシュビー23pts、2pt9/12、11reb、澤岻12pts、FT4/10、5reb、4ast、5TO、ヴィーズリー11pts、FG4/12、6reb、池田3pts、FG1/8
浜松:ディクソン21pts、2pt8/8、3ast、4TO、アーノルド17pts、FG5/13、FT6/10、ニクソン13pts、7reb、4TO、パーマー11pts、7reb、6ast、5TO、太田和7pts、4reb、3ast、太田敦8reb

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第1Q 新潟15-20浜松

両チーム、マンツーマンディフェンスでゲームスタート。澤岻がスクリーンからのドライブを決めると、浜松もディクソンがアリウープでディフェンスの裏をついて得点。

序盤は新潟がリード。アシュビーのミドルショットに浜松も速攻からラーカイのダンクが決まるが、その後は得点が止まる。浜松は新潟のピックアンドロールに対して高い位置でのダブルチームを仕掛けるが、ヴィーズリーの3ポイント、そしてダヴィッツがゴール下にドライブとFTをもらって連続得点。中盤までは新潟が9-4とリード。

浜松もラーカイがゴール下のパワームーブで得点、しかしダヴィッツもリバウンドに飛び込んでティップインダンクを決める。しかし流れは徐々に浜松へ。まずディクソンが速攻から2人を抜き去って得点。兄のファンはシューターとして活躍したけれど(NCAAファイナル4のMVP)、弟は左利きを生かしたスラッシャータイプで、その強烈なスピードと突破力はかなりのもの。続いて太田和が速攻から3ポイントを沈めて11-11の同点に追いつく。

新潟も澤岻のドライブ、アシュビーのポストからのシュートで得点するも、浜松もニクソン、ディクソンのジャンプシュートで返し、その後ディクソンが再びゴール下でフリーになって得点。新潟は浜松の効果的なスクリーンに対応出来ない。

最後にディクソンがドライブからバスカンを押しこみ、20-15と浜松のリードで第1Qを終了。

※ディクソンのFGは5/5。右に左に、そして速攻とコート上を駆け抜けるディクソンを新潟は止められない。しかし、個人技としてのディクソンは目立つものの、チームプレーの中での機能なのでこれが実に強力。つまりディクソンだけでなく、ラーカイ、ニクソンらも得点に絡み、ボールがよく回る浜松は5astを記録(新潟は1)。リバウンドでは新潟が12-7とリードし、オフェンスリバウンドでは新潟の5に対し浜松はゼロ。しかしこれは浜松のFG、特に2ptが8/13と確実なのが理由で、ここまでインサイドはイーブンの印象。bjを代表するアシュビー、ラーカイのゴール下マッチアップも、ここまではまだ差がありません。

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第2Q 新潟17-20浜松

日本人が3人となる第2Q。ここで注目されるのはもちろん浜松の太田敦。第1Qの終盤から登場した太田敦は、既にアンドリュース相手にタイトなディフェンスで頑張っています。一方の新潟も齋藤、小松、根東といつもの第2Qメンバーを投入。ここでまだはっきりした流れのないこのゲームのパワーバランスが動き始めます。理由は太田敦。

206センチのビッグマンを新潟は外国人選手が守るしかありません。すると、当然他のポジションでミスマッチが生まれる。ここで狙われたのは根東でした。根東のディフェンスに対してニクソン、アーノルドが連続でジャンプシュートを決める。アーノルドは昨シーズンの3ポイント王。驚異的なジャンプ力とボディバランス、そこにシュート力を備えた彼を止めるのはどんな日本人でも難しい。更に太田和がウィークサイドへのドライブからリバースレイアップを決め、26-17とリードを広げたところで新潟のタイムアウト(7:41)。

新潟はインサイドアタックで反撃。アンドリュースが大きなステップでバスカンを決める。そこで新潟のフロントラインに立ちふさがるのが太田敦。まず、アンドリュースのポストからのオフェンスを守りきって3秒オーバータイム。これで太田敦がアンドリュースを守りきったのは2回目。次はアシュビー。粘り強くアシュビーの回りを動きまわってアシュビーのオフェンスファウルを誘う。

オフェンスではアーノルドがドライブから自らのシュートミスを押しこんでバスカン。そのアーノルドからパスのまわったパーマーが3ポイントを沈めて33-19、ここで再び新潟のタイムアウト(5:36)。あと30秒程でオフィシャルタイムアウトですが、ここは一気に浜松の流れになりそうな勢いでした。

しかし流れは浜松のまま。アンドリュースのポストオフェンスをダブルチームで抑えると、新潟のディフェンスミスを突いて大口が3ポイントを決める。新潟はアシュビーがジャンプショットを決めて約2分振りの得点、ここでオフィシャルタイムアウト(4:42)。

新潟は澤岻のドライブからのバスカンで追い上げようとするが、アーノルドのミドルショット、そして太田敦のハイポストからのシュートも決まる。しかし得点以上に痛かったのがアシュビーのプレー。シュートを決められた太田敦に対してポストから攻めようとするが、これがまたしてもアシュビーのオフェンスファウル。粘り強く守る太田敦に対し、肘を伸ばしてしまいました。

しかも新潟のタイムアウト後(3:20)、アシュビーがリバウンドでの接触でパーマーとのダブルファウルをコールされてしまい、これで3ファウル。アシュビーのファウルトラブルは新潟の敗戦に直結するのでやむなくアシュビーをベンチへ、そしてゾーンディフェンスに切り替えてなんとかやり過ごします。

浜松も終盤はバタバタとした展開になりましたが、それでも40-32とリードを保ってハーフタイムへ。

※8点という得点差以上に苦しい新潟。セカンドユニットはほとんど機能せず中盤にはスタートメンバーをコートに戻し、終盤には澤岻-齋藤というバックコートでなんとかゲームを乗り切っている状況です。新潟はFTでなんとかゲームにしがみついていますが(FT7/9)、この10分だけでターンオーバーが9、前半の3ポイントが1/9、アシストが5だけという惨状なので、この点差以上にチームの総合力の差を感じる内容となっています。

ただ浜松もターンオーバーが7と新潟に付き合ってしまい、点数的にはまだ分からない展開です。

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第3Q 新潟19-19浜松

新潟は3ファウルのアシュビーをベンチに残し、3-2ゾーンとマンツーマンのチェンジングディフェンスでスタート。一発目にラーカイがゴール正面からダンクを決めますが、その後はオフェンスが停滞してしまう。

しかし新潟もFTや池田のシュートが決まらない。池田はここまで楽なオープンショット無し。フロントラインに対する素早いダブルチームとローテションを見せる浜松は、池田にクリーンなシュートチャンスを与えません。

新潟ではヴィーズリーがドリブルから個人技でディフェンスを抜き去り得点、浜松も簡単にパーマーが速攻で返す。ダヴィッツも3ポイントショットでFTをもらうなど得点は少しずつ動くものの、試合の流れはお互いに掴めない。浜松のタイムアウト(6:59)、浜松が44-36とリードをキープしています。

ここから盛り返す新潟、ヴィーズリーのドライブからFT、そして澤岻が岡田相手にゴール下を攻めて得点。更にドライブからFT、これで岡田は4ファウル。

しかし浜松も太田敦のアグレッシブなオフェンスリバウンドからニクソンの難しいゴール下シュート、ディクソンのFT、ニクソンの3ポイントと続く。

新潟はファウルの多い浜松から1and1のFTをもらい、(確率が悪いながらも)得点を重ねる。リバウンドで浜松の選手の手が目(?)に当たったアシュビーがボールをコートに叩きつけてテクニカルファウルをコールされるなど余計なプレーもあったものの、終盤にかけては浜松のシュート確率も落ち、点差は動かない。

最後にディクソンが1on1からコートを横切るようなステップで難しいドライブを決め、51-59の新潟8点ダウンで第4Qへ。

※FGが5/14と低確率だった新潟をゲームにつなぎとめているのはFT。実に17本のFTをもらいながら、そのうち決めたのは9本のみ。astもゼロと決してオフェンスもいい流れ出ではありません。

しかし浜松も特段良い状況ではなく、全体的にバタバタとしたQでした。

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第4Q 新潟21-13浜松

アーノルドのゴール下バスカンでスタートした第4Q。新潟がシュートミスやターンオーバーを重ねる中、浜松はボールがよく動いて太田和がゴール下で得点。これで63-51の12点差となります。

ここから怒涛の反撃を見せる新潟。立役者はアシュビー。オフェンスリバウンドからのFTを決めると、ハイポストからミドルショットを沈め、次はドライブからダンクを叩き込んでマッチアップする太田敦に格の違いを見せつけます。57-65となって浜松のタイムアウト(7:10)。

しかし新潟の勢いは止まらない。ヴィーズリーがスティールから速攻を決め、続く速攻ではアンドリュースがバスカンを押しこむ。速攻からディフェンスにまとわりつかれながらもFTレーンの近辺から踏み切ってシュートを決めてきました。しかし惜しかったのはこのボーナスFTを決められなかったこと。

ここからの中盤の時間帯はお互いに攻め切れない展開が続きます。ヴィーズリー、澤岻のシュートが外れれば、パーマーのFTも決まらない。アシュビーがラーカイ相手にポストからシュートを押し込んだところでオフィシャルタイムアウト(4:42)。それにしてもアシュビーのパワーは凄い。力強さだけでなく、空中でバランスを崩しかけても体幹と指先のタッチがブレないというのは、やはり強力です。

点差は着実に詰まってきています。アシュビーがポストからターンシュート、ダヴィッツが3ポイントで続いてついに68-69の1点差まで来ました。パーマーのシュートに対してアシュビーもFTをしっかり決めて返し、再び1点差。しかしここで澤岻の1and1FTを落としてしまう。

新潟のタイムアウト後(1:36)、アンドリュースがポストからシュートを決めてついに逆転。浜松もディクソン、アーノルドらがFTのチャンスを得るも、確実に決められず。お互いにミスが続き、72-72の同点で残り時間15秒、新潟ボール。タイムアウトでセットアップしたオフェンス、ボールは最終的にヴィーズリーの手に。この3ポイントが外れ、試合は延長戦へ突入します。

※繰り返しますが何と言ってもアシュビーは強い。第4Qだけで14pts、FGは5/5にFTが4/5と圧倒的な存在感を発揮し、試合を振り出しに戻しました。

会場の後押しもあり追い上げる新潟に対し、浜松はFGを決められないだけでなく(FG3/12)、FTも7/12と確実性を欠きました。もっとも、新潟もFTが4/8と勝つチャンスは何度もあったのですが。

ここで勝敗を分けるのは?浜松は既にラーカイ、パーマーが退場しており、大口も不調とあってベストの状況ではありあません。しかし、新潟が勝つ為にはアシュビーの他に誰かがステップアップしなければいけません。それはもちろん、ここまで無得点の池田です。

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延長 新潟9-12浜松

その池田がいきなり左0度から3ポイントを沈め、会場の雰囲気は一気に盛り上がります。一方の浜松はシュートが決まらない。澤岻のFTはまたしても外れますが、オフェンスリバウンドをアシュビーが押しこんで77-72の5点差にリードを広げます。

しかしその後が続かない新潟。ディクソンの速攻に対するファウルは澤岻のフレグラントファウルがコールされ、続くオフェンスでディクソンが鋭いドライブから得点し75-77と追い上げます。

新潟もダヴィッツがウィークサイドへのドライブからFTをもらい得点。79-75の4点差で残り2分。まだ分かりません。

新潟は澤岻のドライブがディクソンに抑えられジャンプボールになります。ここからの細かい動きが面白い。澤岻とディクソンのジャンプなら、かなりの確率でディクソンが勝ちます。浜松は確実にキープしたいところ。ここでダヴィッツが動く。レフリーが状況を確認してからサークルに入る、本来であればプレイヤーは動いてはいけない場面だけど、ダヴィッツがスルスルっと浜松側のゴール下へ。ボールはトスアップされ、ディクソンは真後ろのリング側へボールをティップ。しかし、背中側で動くダヴィッツを確認していなかった。まんまとボールを奪ったダヴィッツはターンしてゴール目の前のシュートを狙う。ところがここで再び太田敦が立ちはだかり、このシュートをブロック。浜松にとって大きなピンチをしのいだ場面でした。

第4Qからの勢いが徐々に失速しつつある新潟。一方の浜松はニクソンがシュートを決めて77-79の2点差まで詰めてきました。新潟のタイムアウト後(0:59)、新潟のシュートミスから速攻に走るのはディクソン。アシュビーのファウルを受けながらもバスカンを押しこみ、ボーナスショットも決めてついに80-79と逆転しました。再び新潟のタイムアウト(0:39)。

確実に得点したい大事な場面、しかしここで澤岻が痛恨のパスミス。浜松ボールとなり、浜松のタイムアウト(0:28)。新潟はここで迷わずファウルゲームを選択しますが、ここまで決して確率の良くなかった浜松のFTがここでは決まり(ニクソン、岡田で4/4)、浜松が延長戦の末に84-81で逃げきりました。浜松はこれで10連勝です。

※試合全体で見ればターンオーバーがお互いに多く(新潟:19、浜松20)、またFTの確率も悪かったのですが(新潟:24/42、57.1%、浜松:17/26、65.4%)、やはり大事な場面でミスが出てしまい、また実に18本ものFTを落としてしまっては、これでリーグトップのチームに勝つといのは難しいものです。

浜松の17astに対して新潟は9とボールが回らず、3ポイントも3/19、15.8%と精彩を欠きました。終盤にはアシュビーの得点力で活路を見出しましたが、それまでは強力なフロントラインを生かすことができず、ポストからのボール回しも効果的でなかった為に池田ら3ポイントシューターがオープンショットを打つことが出来ませんでした。

やはり浜松のディフェンスはタイトで、特にこの日に限れば太田敦がMVPとも言うべき活躍を見せました。終盤にはアシュビーにやられる場面もあったものの、試合を通せば外国人に引けを取らない存在感をポスト近辺で発揮し、これが浜松が優位に試合を進める大きな要因となりました。ファウルトラブルやベテラン大口の不調などありながらも、チームとして最後までチームオフェンス/ディフェンスをやり通した結果が、この苦しい展開での勝利へと繋がりました。

新潟にとっては新戦力ダヴィッツのホームデビュー戦という事で期待も大きかったと思いますが、結局はチームとしての力を発揮しきれないまま敗れてしまいました。終盤にアシュビーが奮闘する中、カギは池田のシュートだったはずです。ダヴィッツも24ptsといきなりチームトップの活躍を見せてくれましたが、まだ「チームとして」の得点は多くありません。チームにとってアシュビーと共にオフェンスの核となる池田をチームは最後まで生かしきれず、悔やまれる敗戦となりました。

最後に余談ですが、澤岻はFTのタッチがズレていたようです。この試合では4/10という確率でしたが、澤岻はFTの度に少しずつショットする位置を変えていました。リングの正面からちょっと右によってみたり、下がってみたり。後半(第3Q、第4Q、OT)に限れば澤岻のFTは1/7です。その理由が技術的なものであれ例え何であれ、これらを決めていればゲームの展開は少なからず変わっていたはずです。