1月16日(日) 新潟アルビレックスBB vs 大分ヒートデビルズ 試合後のインタビューとレポート

前日の敗戦から修正し、三友が復帰、新加入のサイラス・テイトが加わった大分と、ホームでの連勝を狙う新潟。試合後のインタビューの様子は以下となります。

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大分ヒートデビルズ:エル・ジェイ・ヘップHC

-今日の試合の総括について
「今日の敗戦は非常に残念です。レイアップを8本も外し、FTは7/17でした。このようなミスをすると、新潟のような強いチームにアウェイで勝てるはずはありません。アウェイということで、環境的に飲まれた部分もあったと思います。」

-今日の試合はゾーンディフェンスから入りましたが、この狙いは?
「こちらの戦略として、シュートを決めたらゾーン、外したらマンツーマンにするというディフェンスでした。」

-澤岻選手に対するディフェンスのプレッシャーについて
「昨日の試合の反省から、澤岻選手にはアグレッシブにダブルチームするように指示して、昨日から修正しました。」

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新潟アルビレックスBB:廣瀬昌也HC

-今日の試合の総括について
「今日はベンチメンバーに尽きますね。周りを作ってくれて、盛り返してくれた。立ち上がりは集中してないわ、ターンオーバーはするわ、スタメンがだらしなさ過ぎて、そこをベンチメンバーがすごく盛り返してくれました。そこで(ゲームを)作り直せたのが一番大きいかなと思います。それに刺激を受けて、(スタメンが)後半頑張ってくれました。ちょっとだらしない部分もありましたけど。

昨日は(スタメンが)みんな35分出てるんですよ。だからこうなる事はある程度予測していました。試合前に日本人全員呼んで、「今日はお前らだよ」と。それに対して、本当によく応えてくれたと思います。ただ、第2Qにシュートは入らなかったんだけれども、「全部打ってこい」と。インサイドにダブルチームに行ってたんですけど、思い切ってやってくれて。ディフェンスからもリズムを作ってくれて。本当にベンチメンバーに尽きると思います。」

-小松選手のシュートがやっと決まりました。
「今日は来た、やっと来ました。あれで何かを掴んでくれれば。ただ、やっぱり中とのコンビなんだね。中の2人(アシュビーとアンドリュース)に言ったんですよ、「コイツら打つから、全部リバウンドだけ行ってくれ」と。そして「この2人は全部リバウンド行ってくれるから、お前はシュートを打ちなさい」と。その中と外の信頼関係が、リズムを作ってくれたと思います。ジュリアスも得点に走らずにアタックボード、オフェンスリバウンドに果敢に行ってくれたので、そうなると外も楽に打てると思います。そこはすごく良かったと思います。

それと、タカトが今日はシュートがゼロ、0/4なんだけれども、打つべきところで打ち始めています。それがすごく良かったと思います。で、とにかくディフェンスを頑張ってくれた。「三友を止めろ」と。いいディフェンスをやってくれて、本来の彼の役割をやってくれたと思います。シュートが入る、入らないは練習しかないから。ただ、アグレッシブに打つべき所で躊躇せずに打つのは、それはタカトだったり秀平だったり。根東は根東らしくカットインして。それぞれが役割を果たしてくれたと思います。」

-齋藤選手が入ったとき、最初は受けている感じがありましたが、タイムアウトの時に指示があったのでしょうか?
「そうそう。プレッシャーをかけて、とにかくピック(アンドロール)をやらせるなと。トップから、サイドの方へ追いやる。それを一生懸命やってくれました。で、澤岻がちょっとバテてたんで。全然アグレッシブさが無かった。ほとんど(シュートを)打ってないんじゃないかな。そういった意味でも、タカトがよく作ってくれました。

こういうゲームもあると思います。昨日ハッスルした分、ジュリアスも第3Qでバテバテで。今度ニックが入ってきてくれるので、そこでジュリアスに頼らず、外だけにもならずに、中に割っていく力。今日のウィリーが最後でやってくれた、ああいったものがもっと出てくるようなゲームを作れればと思います。ニックのコンディショニングをしっかり上げて、どこまで追い込めるか分からないですけども、なるべくそうしたいと思います。」

-今日で前半戦を終了し、13勝11敗、貯金が2という状態です
「そうですね、ただ(ホーム戦では)沖縄と東京に連敗しているので、その借りは必ず返さないといけないですね。やはりホームでもっと貯金を作っていきたいと思いますし、最終的にはホームコートアドバンテージを取って優勝決定戦(プレイオフ)というのが目標なので、その目標を達成できるようにまた精進していきたいと思います。」

-今回のシリーズで公威選手を見てどう感じましたか?
「良くなった。今日はちょっとバテもあるんだろうけど、昨日よりちょっとアーチが足りなかったですね。でもシュートを見ていてもアーチがすごく出てきて、すごく良くなったと思います。以前は、(シュートの時に)フェイドする癖がずっとあったんですよ。ジャンプショットするときに、後ろに流れてしまう。それを直そうと思っていろいろチャレンジしたんだけれども、新潟にいるときは直りきらなかった。それが若干直って、シュートのアーチが出てきて、すごく綺麗なシュートになってきました。(シュートフォームを真似してヒジを指しながら)ここを直したのは僕ですよ(笑)。でもそれが、今はいいアーチを作れているから、体の使い方がすごく良くなってきているのかなと思います。」

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#6齋藤崇人選手

-今日の試合について
「昨日はあまりプレイイングタイムが無かったので、今日は積極的に自分の持ち味を出していこうと思っていました。僕の場合はディフェンスからリズムを作ることが多いので、相手にプレッシャーをかけて、(相手が)嫌なことを与え続けて行こうと思っていました。」

-三友選手に対するディフェンスで意識したことは
「彼は非常にシュート力があるので、簡単に打たれないことを意識しました。最初からボールにプレッシャーをかけて、シュートに持っていく回数を減らさないといけないというもありましたし、抜かれた事もありましたけど、それで下がれば相手のペースになっていくと思うので、抜かれてもどんどんプレッシャーをかけていこうと思っていました。」

-狙い通りの仕事は出来たでしょうか?
「もう少し、いやらしく出来たと思いますけど、まあまあの点は与えられるのではないかと思います。」

-シュートに対する積極性が見られた試合でした
「ノーマークがほとんどだったので、そこを打たないとリズムも悪くなりますし、そこを入れるか入れないかは今後の課題だと思います。入るか入らないかは分からないですけど、打つことが大事だと思うので、これからも続けていきたいと思います。」

-気持ち的に前向きなったきっかけは何でしょうか?
「やはりホームですし、負ける試合はお客さんに見せたくないと思うので。やはり(試合に)出ないのは悔しいですし、出られるように、何かチームに貢献しなければ出れないので、貢献するために何が必要かという事を考えていたので、今日のようなプレーになりました。」

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#13小松秀平選手

-今日のプレーについて
「昨日から思い切ってやれたのかな、と。その延長上で今日もすごく気持ちも入れていたし、自分のリズムでシュートを打とうとした結果、(シュートが)入ってくれたし、他のプレーにも繋がってくれたのではないかと思います。

最近、あるブースターの方から、僕は(新潟で)3年目なんですけど、ずっと見ていただいた方がいて、その人のアドバイスじゃないですけど、自分のシュートを調子のいい時に戻して頂いたので、それを練習でも試合でも実践しようと思って、思い切って打とうと思ってました。」

-シュートが入っていなくても、流れの中で打たなければいけないような場面で、自分の中で思い切って打つことが出来ていますか?
「廣瀬さんにも思い切って打てと言われてますし、自分は打つのが仕事というのもずっと言われてます。自分のリズムも打ってナンボだと思うので、まずは打つことを頭の一番に置いてました。で、空いたら打つ、そこで迷ったら廣瀬さんも納得しないし、すぐに分かる人なんで、納得したシュートを打つためには、本当に思い切ったシュートを心がけていて、やっと結果が付いてきました。」

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以下、ゲームレポート

新潟アルビレックスBB vs 大分ヒートデビルズ@新潟市東総合体育館(2011.1.16)

新潟ー大分
第1Q 13-21
第2Q 19-6
第3Q 18-20
第4Q 22-15
最終スコア 79-58

【スタート】
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー
大分:#0佐藤博紀(以下、佐藤)、#33ロティック、#23佐藤公威(以下、公威)、#31フィンガー、#6ハウエル
※大分は前日欠場の#1三友が復帰。またビザが下りたばかりの新加入#44サイラス・テイトもベンチ入りしてます。

【レフリー】
#13清水博、#37加納康平、#44デビッド・ロウ

【観客者数】
3,110人(WJBL・bj共通)

【主な個人スタッツ】
新潟:アンドリュース18pts、FG8/13、FT2/6、20reb、アシュビー14pts、FT8/12、小松11pts、3pt3/8、3ast、ヴィーズリー10pts、3pt3/6、5reb、池田9pts、齋藤4reb、4ast
大分:ハウエル14pts、FG7/12、10reb、ロティック11pts、8reb、3stl、フィンガー11pts、FG4/8、11reb、3ast、三友7pts、公威6pts、FG2/10、4ast、ジョンソン8reb、3stl、テイト5foul、6:48min

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第1Q 新潟13-21大分

新潟はマンツーマン、大分は前日も見せていた2-3ゾーンと、マンツーマンを組み合わせたチェンジングディフェンスでスタート。

快勝した翌日の立ち上がりに相手に簡単にリードを許すという新潟ではおなじみの展開がまた繰り返される。大分は佐藤のミドルショットに続きロティックの速攻、前日はエンジンがかかるのが遅かったハウエルのポストからの得点、さらにロティックの速攻が決まり10-3と大分がリードしたところで新潟のタイムアウト(7:49)。新潟は1発目の池田の3pt以降はアシュビーにミスが相次いでしまいました。最初のゾーンで躓き、大分が得点するとまたゾーンなのでミスを繰り返すという悪循環でした。

立て直しをはかる新潟、しかしまだシュートが決まらない。大分もしばらくそんな新潟に付き合っていたものの、公威の見事な3ポイントが決まり13-3となり、再び新潟のタイムアウト(5:33)。

ここからやっと新潟のリズムが戻る。アシュビーのポストからのアタックと、続くヴィーズリーの3ポイントで反撃。大分は新加入のテイトをさっそく投入するも、見るからにコンディションが不十分で全くいいところが無い。それでも佐藤からゴール下へのハウエルへのアシスト、そして速攻からフィンガーの得点が決まり再び盛り返す。

終盤、新潟はコナーレの難しいバンクショットにヴィーズリーの2本目の3ポイントが決まるも、大分もロティックがヴィーズリーのタイトなディフェンスをかわしてのジャンプシュートを決め、そして復帰した三友がルーズな新潟ディフェンスを抜き去って得点し、大分が21-13とリードして第1Qを終了。

※大分が堅実にオフェンスを組み立て(2ptFG9/18)、6ast、3TOと確実にゲームを進めたのに対し、新潟は7ターンオーバーとバタバタした立ち上がり。3ptが3本決まったからいいものの、2ptFGは1/3、特に中盤までのオフェンスは完全に破綻していました。

大分ではロティックがよく走って得点に絡み(6pts)、公威も積極的なシュートでそれに続いています(5pts)。

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第2Q 新潟19-6大分

前日はお互い低調だった第2Q。この日も立ち上がりは重たい。新潟の根東、齋藤のシュートは決まらず、大分もハウエル、公威とシュートミスが続く。

しかし流れを変えたのはアンドリュースのダンク。オフェンスリバウンドから派手なダンクを叩き込み、チームのムードを一気に盛り上げる。これに小松の速攻が続き、17-21と追い上げられた大分のタイムアウト(7:26)。

大分は細かくメンバーを入れ替え、ディフェンスでも第1Qからのチェンジングディフェンスで流れを変えようとするが、肝心のシュートが決まらない。

一方の新潟はエンドからのプレーでアンドリュースのアリウープ、そして小松の3ポイントが決まり22-22の同点に追いつく。それにしてもアンドリュースのアリウープを許した場面の大分はうまくありません。ショットクロックが残り4秒で、コート上の新潟はアンドリュース以外はベンチメンバー。状況的にアリウープの非常に可能性が高い場面でしたが、大分ディフェンスはあっさりこのプレーを許してしまい、新潟に勢いを与える結果につながってしまいました。残り4:59でオフィシャルタイムアウト。

大分ではテイトがゴール下で頑張りますが、これが全く決まらない。逆サイドではポストのアシュビーからカットインした根東にパスが通り、またそのアシュビーがポストでテイトとフィジカルにコンタクトしながらも得意のターンシュートを沈める。大分はFTで新潟に簡単にオフェンスリバウンドを許してしまうなど、精細を欠いたプレーが続きます。

それでも速攻からフィンガーのFTや三友の3ポイントなどが決まるのですが、新潟は速攻でアンドリュースのダイナミックなアリウープ、そしてアシュビーも自ら速攻をリードして得点し、新潟が32-27とリードして第2Qを終了しました。

※前日の第4Qも9点と一桁だった大分、この日もこのQで6点と足が止まってしまいました。FGは三友の3pt1本だけで、2ptFGは0/11と全く決まらず。リバウンドでも10-18と新潟に圧倒され、目指すチームプレーが組み立てられませんでした。

新潟はアンドリュースの3つのダンクを含む7pts、7rebの活躍に、小松、根東らベンチメンバーの貢献もあり着実に得点。4ast、1TOとボールもよく動き、会場の雰囲気も一気に盛り上がる展開となりました。

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第3Q 新潟18-20大分

しかし得点差はわずか5点。まだどちらに転ぶか分かりません。出だし、新潟は攻守でアンドリュースがボールに絡む。ポストから得点を決めると、スティールから池田の3ポイントが決まる。

しかし大分はオフェンスのバランスを取り戻す。フィンガーがドロップステップでアシュビーをかわして得点し、ロティックからのアシストがフィンガーへ通る。第2Qはコートに出なかったロティックが、ここでは大分オフェンスの中心となります。続くロティックのミドルショットは外れるが、このボールをハウエルが奪い得点。更にロティックのスティールから速攻、そしてハウエルのゴール下のフックが決まり37-39と2点差まで新潟のリードを縮めたところで新潟ベンチからタイムアウトのコール(5:36)。新潟は好調のアンドリュースにボールを集めましたが、得点が止まってしまいました。

新潟は再びオフェンスを組み立て、澤岻からのパスがアンドリュースへ通り得点。ヴィーズリーのドライブからのFT、そしてこのオフェンスリバウンドからコナーレのミドルショットと続きます。相変わらずコナーレのシュートはアーチが高く綺麗です。

大分ではハウエルがチームを引っ張る。そのフィジカルを生かしてポストからのパワームーブを決めると、新潟ディフェンスのミスをついてダンクを決める。これに続かんと代わってコートインしたテイトも奮闘するも、この数分間で3つもファウルをしてしまい、あっという間に5ファウル退場となってしまう。それでもフィンガーの速攻や、またしても新潟ディフェンスを抜き去る三友のドライブで得点。

新潟はアシュビーのゴール下からのFTに小松の3ポイントが続き、50-47と僅差でリードしたまま第3Qを終了。

※新潟の流れのようで、実は大分が着実に得点を重ねたこの10分間。2ptFGは10/14と確実で、特に8ptsのハウエル(4/4)、6ptsのフィンガー(3/5)がそのオフェンスで貢献しました。FTが0/4と決められなかったのは痛い。

新潟はゴール近辺で活躍したアンドリュース(FG3/5)を除けば低調で、2本の3ポイント(池田、小松)でなんとかリードを保っている状態です。こちらもFTは4/8と締まらない。

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第4Q 新潟22-15大分

ゲーム全体の雰囲気として、時としてどちらかのチームの流れもあるけれど、何となく過ぎてしまう時間帯が多い。そして、この第4Qの出だしでは大分が何となくプレーしてしまう。新潟はヴィーズリーと小松の3ポイントが連続で決まり、3点差でスタートしたこのQが約1分で9点差に広がってしまう。ここで大分のタイムアウト(8:25)。

点差を詰めたい大分と、突き放したい新潟。しかしお互いに決定力を欠く展開がしばらく続く。大分ではハウエルがポストからのアタックを繰り返すが決まらない。新潟も小松がシュートを連発するものの、この精度も低い。時間だけが過ぎ、新潟が62-49と点差をキープしたままオフィシャルタイムアウト(4:51)。

その後、公威のアシストからのジョンソンの得点や佐藤の3ポイントなどが決まり、最小で6点差まで大分が詰めたものの、アンドリュースのティップダンクなども決まり大きな流れは変わらない。

終盤、大分のファウルゲームに対して新潟もFTを決めきれない部分もあったものの(残り2分を切ってからのFTは6/10)、大分もそのシュートチャンスで得点を決めきれず、新潟が72-62で連勝を飾りました。

※早めに追い上げたかった大分ですが、2ptFG4/12、3ptも1/7といずれも精度を欠いており、決して堅実とは言えないオフェンスだった新潟(FG5/16)との点差を最後まで詰められませんでした。