先週末に五泉市さくらアリーナで開催された大分ヒートデビルズ戦について。
振り返ると、大分はウェストの8位、勝率は3割台ながら、昨シーズンも大分でプレーしたタージ・フィンガーの加入後は好調で、またT・J・カミングスが週間MVPにセレクトされるなど好調なチーム。
チームの核は澤岻、ロティック、三友の3ガードと、フォワードのホワイト、カミングスのコンビであり、ここに線は細いながらもインサイドと、そして堅実にチームプレーのできるフィンガーが加わったことにより、またチームとしてのコンディションが上がってきたこともあってなかなかやっかいなチームです。
ただ上記のメンバーではサイズが少々足りないのが事実で、ゾーンを含めて比較的インサイドを小さく守り、そこからのトランジションでの得点を狙ってきます。ハーフでのバスケでは、小さめのサイズとチームで唯一、ポストプレーのできるカミングスのプレーの確実性が低いこともあり(よく言えばフィジカルで荒々しいのですが)、ハイスコアリングチームではないものの(それをやるにはメンバーが足りない)、オフェンシブなゲームを展開してきます。
新潟もトランジションからの展開は得意としますが、激しいゲーム展開は場合によってはワンサイドゲームとなってしまう可能性もあり、その意味で確実性の高いプレー、それはオープンショットでありインサイドですが、これを決められるか?がカギになります。しかし、イーストの中位をフラフラする新潟にとってウェストの下位チームは確実に叩くべき相手に間違いありません。
新潟はビッグマンのホルムのプレーが確立されないと厳しい展開になるのがここしばらくずっと続く傾向で、オフェンスの基点を作れず苦しいアウトサイドを打ち、これが外れるとリバウンドがロングになり速攻に走られる・・・という悪循環に陥る可能性があります。
もちろん、チームとして選択肢が少ない分、大分のストライクゾーンが狭いのは事実で、ここをどうコントロールしてくるかがルーキーの鈴木HCにとっての課題となります。
という訳でまずは土曜の試合。
********************
両チームいずれもマンツーマンでティップオフ。
新潟はマキシーとホルムがポストで攻め、また大分はホワイトのミドルで得点を狙うがいずれも決まらない。
大分は序盤からディフェンスをゾーン、マンツーと激しく入れ替える。インサイドはもちろん、特にウィングのシューターへのチェックが厳しい。新潟はアウトサイドが決まらず、更にゴール下でのシュートも全く入らずとオフェンスがまるで機能しない。
ディフェンスで頑張れるならオフェンスもよく回るというもの。大分はカミングスのジャンパーに始まり、三友の3ポイント、カミングスの速攻からのバスカン、新潟のミスからロティックの速攻とやりたい放題。14-4となって新潟のタイムアウト(3:44)。
しかしその後も状況は変わらない。新潟はシュートが入らないだけでなく、ミスも連発して大分に簡単な得点を許してしまう。大分が18-6と大きくリードして第1Qを終了する。
********************
新潟のFGは3/19(15.8%)とお話にならず、更にターンオーバーが7と勝ち負け以前の状態です。FTAもゼロとリングへのアタックも見られませんでした。
大分も特筆するほど良かったわけではないですが(例えばFGは8/21、38%)、新潟が7回もチャンスを与えてくれたので、これを生かして着実にリードを広げることができました(ターンオーバー、新潟7-0大分)。
カミングスが9pts、5rebとさっそく存在感を発揮していますが、さすがの活躍を見せたのはロティック。以前ほどの怖さは無いにせよ、4stlと抜かりの無いプレーで新潟のバックコートにプレッシャーを与え続けました。チャンスでしっかり決めてくる三友の存在も大きい(5pts、FG2/3)。迷い無く打つショットは入るものです。
********************
メンバー的に恵まれているわけではない大分にとって第2Qは鬼門になりえるけど、この日は新潟にとっての鬼門となりました。
大分はベンチの梅宮が思い切りよくシュートを放ち、ポンポンと得点を決めてくる。守っては3-2のマッチアップゾーンが引き続き機能しており、新潟は入りそうなシュートさえ打てない。スクリーンを使ってはシューターにスペースを作ろうとするが、大分は粘り強くこれを守る。
テンポを変えたい新潟はディフェンスをゾーンにしたりメンバーを替えたりするがリズムは変わらない。大分は新潟のミスから速攻に走ってはホワイトがバスカンを決め、また新潟のゾーンに対してよくパスも回る。シュートが外れてもボックスアウトが徹底されておらず、ホワイトがティップでダンクを決めるなどディフェンスも集中力を欠く。オフィシャルタイムアウト(4:49)で大分が35-11と大きくリードを広げる。
その後も流れは大分。ロティックが3ポイントを連発し、カミングスがルーズボールに飛び込むなど足も動く。新潟ではマーリーが個人技でひとり気を吐くも、最後までリズムを掴めない。ハーフタイムで大分が46-22と大きくリード。残り20分で24点というのは十分に逆転が起こりうる点差ですが、ここまでの新潟の内容はあまりに悪すぎます。
********************
それでも新潟は16ptsを記録したものの、ターンオーバーはまだ5もあり(大分3)、またシュートも確実性を欠いており(FG6/17、35.3%)、静まり返った会場の雰囲気を変えられません。まるでJXに圧倒されるラビッツの試合のような空気でした。
大分はFGが12/20(60%)と好調を持続。このオフェンスをリードしたのが、このQだけで5astの澤岻。特に新潟のゾーンに対するパス回しは圧巻で、見事なドリブルワークでディフェンスを翻弄しつつ、チームメイトにボールをフィードし続けました。澤岻のドリブルはディフェンスにとって本当に守りづらい。ガツガツと攻めてばかりではなく、ディフェンス、それも1対1ではなくチームディフェンス全体と駆け引きしながら押したり引いたり、かと思えば自分が打ったり。ギリギリのラインでプレーするのでどこかでミスしそうですが、しかしこの日はよく集中していました。もちろん、この澤岻のプレーにきちんと合わせたチームメイトの存在も大きい。
また梅宮がチャンスでしっかりシュートを決めたり、小原がミス無く堅実なプレーを見せたりと、ベンチメンバーの少しずつの貢献が、結果として24点という大量リードに繋がっています。
********************
追い上げたい新潟、しかしいきなりポストのホルムがターンオーバーでボールを失ってしまう。前半は不調のホルム、後半の出だしはチームに勢いを与えるためにもここで決めたいはず。それはホルム自身も、チームとしても考えていたはずです。そして案の定、ホルムにボールが入る。しかしその瞬間、ホルムの後ろから狙いすましたように澤岻が飛び込んできて、難なくボールをスティールしてしまう。澤岻うまいな~と思った瞬間でした。
新潟でも池田がオフェンスリバウンドから、あからさまなフェイクで大分のファウルを誘ったりと思わず唸ってしまうような好プレーを見せるのですが、決めるべきショット、チームとして決めたいオフェンスを決めないことには試合にならない。
大分はカミングス、ホワイトらが次々とシュートを決めて更にリードを広げる。
T・J・カミングスはUCLA出身のフォワード。というより、父親テリーがNBAの新人王にして(1983年)、オールスター選手であったことのほうが有名かもしれません(1985年、1989年)。テリーは6-9のパワフルなフォワードで、全盛期はNBAイースタンを代表する選手でした。80年代の強豪、バックスのエースとして活躍。膝の大怪我の後はセンターでプレーする場面が目立ちましたが、元気な頃はドライブもミドルもできる、そしてフィジカルな選手でした。NBAで18年もプレーした史上8人のうちのひとりで、そのキャリア平均が16.4pts、7.3rebというのが尋常でない選手だったことを物語っています。18年の平均ですからね。なお彼は聖職者としても知られていますが、R&Bのアルバムも出してます。歌って踊れる?6-9。iTunesでも買えますよ。
当時の動画はこちら。バークレーをちょっとスケール小さくした感じかな。TJよりはガタイがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=5Lfk5QaVeKw
こちらが現在のHP。曲も聴くことができます。もともと雰囲気のある選手でしたが、なかなか渋いです。
http://www.terrycummings.com/
テリーのTCというニックネームはたぶんスパーズ時代以降で、そもそも彼の本名はロバート・ティレル・カミングス。略してテリー。ちなみにTJの本名はロバート・ティレル・カミングスⅡです。なぜTJなのかは発見できず。あ、テリー・ジュニアか・・・。BJアームストロングと同じパターン。
で、そのTJ。身長はほぼ同じですが、線はテリーよりやや細い。DNAからしてサラブレッドなのでフィジカルは相当強いですが、インサイドでホルムに勝てるほどではない(ここら辺が彼がDリーグから上のレベルに行けない理由のような気がします)。しかしその分、アウトサイドからのタッチもあり、結構難しいミドルも沈めてくるし、ホルムのような遅いディフェンスであれば、大きなステップでドライブも出来ます(右だけですが)。FTレーンから踏み切ってるのか?というような歩幅の大きいドライブも何度かありました。
もう一人のフォワード、ホワイトはご存知かつてのMVP選手。6-6という身長以上にサイズを感じさせるフィジカルの強さと、安定感のあるジャンプショット、そしてパワフルなドライブを武器とするオールラウンドな選手。bjならどのチームでのエースになれる実績と才能のある選手です。彼の、左のドリブルからクロスオーバーで1on1を仕掛けるムーブが個人的にはお気に入りです。
この2人が個人技に走ってしまうとチームとして容易に崩壊してしまうことは想像に難くなく、恐らくここまでのシーズンには何度もあったでしょうが、この試合ではこの2人に限らずどの選手もチームプレーに集中してゲームに入っていました。才能ある選手が集中してチームとなってプレーする、これほど怖いものはありません。
また大分はディフェンスもよく、チームとしても足がよく動き新潟に簡単な得点を許さない。例えば根東がタフショットを決めた場面(28点目)、決められはしたものの大分のディフェンスは個人としてもチームとしてもとてもよく足が動いていました。
こういった時は例え相手に嫌なショットを決められたとしても、チームとして崩れないものです。新潟がシュートチャンスをなかなか決められないのに対し、大分は速攻や澤岻のアシストからの得点、そしてフィンガーのシュートなどで着実に得点。フィンガーは練習で繰り返していたハイポストからのシュートをしっかり決めていました。新潟は単発で得点が決まるだけで、点差を詰めるにはいたりません。
フィンガーは線の細いポストマンで、かつて新潟と大分にいたジャック・ハートマンをひとまわり小さくした感じの選手。ロティックと同じスタンフォード大の出身で、つまりしっかりと訓練されている選手ということです。
余計なことをしない、自分の出来る範囲でプレーをする、チームの為のプレーが出来る。このような脇役がしっかりプレーするのは、その数字以上にチームに大きな影響を与えます。これが大分の好調に繋がっているのは間違いなく、フィンガーはスタッツでは目立たないものの、ディフェンスに頑張り、チャンスがあればシュートを狙い、そして時にはドリブルで速攻をリードする。好みですね、こんなタイプの選手。
そのフィンガーが速攻の先頭を走りアリウープで得点するなど大分は好調を維持。第3Qを終えて大分は61-38と余裕のリードを保っています。
********************
このQ自体は拮抗しており、多少バタバタした展開になってきましたが、大分ペースなのは変わりません。大分のディフェンスは引き続き機能しており、新潟はオフェンスのリズムを掴めないまま残り10分まで来てしまいました。
大分のディフェンスは割り切っており、例えば池田、小松、マーリーの3ポイントには激しくプレッシャーをかけてくる。第3Qまででこの3人の3ポイントは2/17、もちろんこれは大成功です。
一方で、例えばゴードンのように3ポイントのない選手は離して守る。例えばゴードンがトップでボールをもっていても、澤岻は下がってハイポストの選手に寄っています。ゴードンに3ポイントは無いし、ドライブしてもレイアップまでは来なくて、レーンの途中でプルアップを打ってくる。なのでディフェンスも付かず離れずの距離をキープし、これでゴードンは何も出来なくなってしまった。
オフェンスではホワイト、カミングス、フィンガーの3人でFGが6/8と好調をキープしています。
********************
第4Q、残り10分で23点差、新潟は必死に追い上げるしかありませんが、むしろ確実なプレーを続ける大分が印象的でした。
ロティック、フィンガー、カミングスらが相変わらず好調なプレーを持続。中盤には点差が30にまで広がります。
新潟は最後までオフェンスが単発で、攻守ともリズムの無いまま大分に敗れました。最終スコアは大分の87-60、点差以上に内容の差があるゲームとなりました。
********************
この試合についてはあちこちでブースターさん達から「何ですかあれ?」、「金返せって感じですね」、「土曜は見に行かなくてよかった」と散々な言われようだったのですが、実際その通りでした。動画でも見ることができますが、実際にあの会場で見た雰囲気は表現しがたいものがありました。タイムアウトなどで時間が止まると、会場全体がシーンと静まり返ってしまう。
新潟はハーフタイムでもなかなかロッカールームから出て来なかったし、試合後の記者会見も、マットがなかなか出てきませんでした。散々言いたいことを言ってから出てきたようなので、多少は落ち着いていましたが。
新潟的には数字云々以前の内容となってしまい、救いようのないゲームをやってしまいました。こんな新潟相手では大分が余計に強く見えてしまいそうですが、実際に大分は強かった。
********************
手駒が限られているだけに鈴木HCは戦略を絞ってこの試合に挑んだはずです。そして、それが見事に決まった。新潟の自滅とも言えますが、新潟に気分よくプレーさせない、やりたい事をやらせないという意味でその戦略は徹底しており、大分の選手達が気合の入った表情でプレーしているのが伝わって来ました。試合中のベンチの様子は、そのままチームの状態が現れます。そういえば、BSでやってた某チームのベンチは、死んだ魚みたいでした。
大分にとって効果的だったのはやはりディフェンスで、この試合ではゾーンとマンツーが半々くらいだったのですが、特に前半のディフェンスは見事でした。2-3と3-2のマッチアップゾーンとマンツーマンを切り替えるのですが、インサイドもシャットアウト、アウトサイドはタフショットだけ。これが落ちるとリバウンドを頑張って速攻に走り、思い切りよくシュートを狙う。得点を期待されるロティック、ホワイト、カミングスがそれぞれ20pts以上、つまりガード・フォワード・センターという縦のラインが見事に機能しました。またゲームメイクでは澤岻の9astも含めてチームで22ast、懸念されたリバウンドも48-52と頑張り、そしてオフェンスでは、特に2ポイントFGは32/57、56.1%と好調でした。
メガネ姿で浪人生のように見える鈴木HC、コートサイドではチームに激しく指示を出していましたが、記者会見では落ち着いた様子。しかし最後に、かつてプレーした新潟で勝てたことを振られると、ここで初めて張りのある声で「もう最高です!」と笑顔になりました。新潟はこういった嬉しい勝利をプレゼントするのが得意のようです。前週の岩手アウェイでも、まるで優勝したみたいにビッグブルズのブースターが喜んでいたそうだし。
********************
さて翌日の試合。修正こそあれどやることはお互いに大差ないはずです。この試合もいずれもマンツーマンでゲームスタート。
池田が最初のオープンショットでいきなり3ポイントを打つのはいつも通り、しかしこれが外れ、大分はロティックの速攻、ホワイトの3ポイントと簡単に得点をあげる。
ところがこの日の新潟のオフェンスは論外だった前日ほど悪くない。鍵となるのは根東のプレー。ディフェンスの優先順位ではスタメンの5人中5番目になる根東が、大分ディフェンスの中でガチャガチャと動いては積極的にシュートを狙う。相変わらず入りそうもないシュートだし、根東らしくその正確性には欠けるものの、これで新潟のオフェンスが軽くなり、マキシー、マーリー、ホルムらの得点が続く。その意味では、この序盤の根東の果たした役割は大きかった。
一方の大分はホワイト、カミングス、ロティックらが得点。新潟とトランジション合戦となるが、お互いにシュートがよく決まる。新潟のミスからロティックが速攻に走り、大分が16-12とリードしたところで新潟のタイムアウト(3:02)。
ちなみにこの2試合でロティックは8stl、これはちょっと凄いです。特にこの試合では池田に対するタイトなディフェンスが見所で、池田はこの試合でターンオーバーを5個も記録してしまいました。元々インサイドの選手であった池田は、しかし確実にボールの扱いやハンドリングは向上しているのですが、やはりロティックのように自分より小さく、それでいてタフでスマートな選手に守られると苦しい。
その後、新潟はマーリーのミドルやマキシーのオフェンスリバウンドからのFT、大分ではフィンガーのオフェンスリバウンドや速攻が決まり、大分が20-16とリードして第1Qを終了します。
********************
新潟がオフェンスでなんとか得点出来るようになったので、とりあえず試合になっています。相変わらずホルムはシュートを決めきれず、またアウトサイドからのシュートも入らないのですが(3ポイント、0/4)、オフェンスリバウンド10を含むリバウンドで15-9とリードしています。
大分はホワイト、ロティックがそれぞれ7ptsと突っ走ってますが、ディフェンスでは前日のように守りきれず、またターンオーバーが5と、前日はほぼパーフェクトだったゲームプランに、少しずつ綻びが出てきました。
********************
第2Qに入り、新潟の雰囲気を変えたのはベネット。激しくオフェンスリバウンドを奪うと、これをバスケットカウントで押し込む。前日の試合でもその兆しは見えていたのですが(試合に負けたのでマットはアあまりコメントしてくれませんでした)、この日のベネットはとにかくアクティブかつフィジカルにボールに絡んでいきます。ここに小松の3ポイントが続く。更に前日はいいところのなかったゴードン、この日はディフェンスとの間合いを見つつより積極的にリングを狙い、ペリメターやドライブからのアタック、そしてアシストを決める(このQで4ast)。
これで新潟が流れに乗るか?と思われたが、大分も粘る。新潟のゾーンに対してよくボールを回し、アウトサイドからは三友の3ポイント、インサイドではフィンガーと効果的に得点。この流れを嫌った新潟がタイムアウト(7:12)。
ここから徐々に新潟がオフェンスのリズムを掴む。引っ張るのは上記の3人、インサイドのベネット、ロングレンジの小松、アウトサイドからアタックするゴードン。この3人が確実性の高いオフェンスを展開し、次々に得点を決める。大分はカミングスの得点が伸びず、途中からホワイトを投入するもこれが機能しない。前日同様、ベンチの選手もチャンスではシュートを狙うが、これが少しずつズレており得点に繋がらない。
新潟は勢いのあるオフェンスで大分を圧倒し、47-35と大きくリードして第2Qを終えました。
********************
このQの新潟の得点は31ptsですが、これをゴードン(12pts)、小松(11pts)、ベネット(8pts)の3人だけで稼ぎました。小松はチャンスがあればリングを狙い、ゴードンもリングを狙い続けました。
しかし攻守でチームを引っ張ったのはベネット。オフェンスリバウンドをはじめ積極的にボールに絡むだけでなく、2astとよくチームメイトを見ており、またディフェンスでは4reb、2blkと元気のないホルムに変わって新潟のゴールを守り続けました。
大分はそれ程悪くなかったにせよ、オフェンスが単発となってしまい、FTももらえず後手の展開となりました。徐々にディフェンスで踏ん張れなくなっており、これが我慢のオフェンスを継続できない理由のひとつになっています。
********************
その大分、第3Qはカミングスのワンマンショーとなります。コメントにもあったように、ホルムが守っていればアウトサイドからミドルを狙う。ホルムが外に出てくればドライブで抜き去る。自分より小さいマキシー、ベネットが守るならインサイドからアタックを仕掛ける。ミドルからジャンプシュートを沈め、速攻に走り、オフェンスリバウンドに飛び込んではバスカンを決め、そして3ポイントまで沈めてみせる。このカミングスのパフォーマンスを中心に、ロティックや澤岻の速攻、フィンガーのゴール下などで得点する大分。
一方の新潟はやっと池田の3ポイントが決まるようになり、マキシーやベネットのゴール下での踏ん張りもあり、なんとか67-65とリードを保って第3Qを終了しました。
********************
このQだけで何回、カミングスのプレーに声が出てしまったのか分かりませんが、やはり彼の能力は凄い。「うわ、あれを入れるか」というショットが何本もあり、またゴール下ではそのフィジカルさを生かしてしつこくボールに絡んでくる。
カミングスはこのQだけで18pts、3ptの1/1を含むFG8/13という素晴らしいパフォーマンスを披露するのですが、これは逆に言えば、チームプレーより個人技に傾きつつある大分のチーム状況が見え隠れします。もちろん身勝手なプレーをしていた訳ではなく、チャンスで積極的にリングに向かっていった結果なのですが、この極端な数字を第4Qも継続できるとは思えず、つまりチームとしてはかなりギリギリなはずです。チームとして頑張りたいけど、やむを得ず個人技で攻めることになってしまう。チームとしては黄色信号です。
逆に新潟は池田の3ポイント、マキシー、ベネットのゴール下、マーリーのミドルとよりバランスの取れたオフェンスを展開。残り10分に勝負を託します。
********************
カミングスが第3Qでかなり疲労したのは間違いなく、ここで他のチームメイトのステップアップが期待されますが、前日は1試合を集中して戦った大分、この日は最後までそのレベルを維持できませんでした。精神的にも肉体的にも、踏ん張れなくなってしまった。
象徴的なのがホワイトで、ボールには絡むし、またシュートチャンスはあるのだけれど、これが全く決まらない。ディフェンスでも足が動かない。
新潟ではここまで結果の出なかったホルムが奮起し、頑張れなくなってきた大分のインサイドに繰り返しアタック。ゴール下のシュートを押しこみ、またファウルをもらい、その都度新潟のベンチは盛り上がる。やはりこのチームはホルムが決めないと役者が揃わない。
ホルムは最後までゴール下でフィジカルに戦い続け、そこに小松やマーリーの3ポイントが続くと、大分はこの勢いに対抗するだけの力は残っていませんでした。最後までロティック、カミングスが粘ったものの、第4Qの中盤に広がった約10点のビハインドは盛り返せませんでした。試合は88-77で新潟が勝利を収めました。
********************
最後の最後でホルムが意地を見せ、このQだけで8pts、6rebと期待される役割を果たしました。大分はディフェンスで踏ん張りきれず、またミスも出てしまい、最後は点差が離れました。
試合としてはカミングスが31pts、11rebと圧巻のプレーでしたが、チームとしては前日よりバランスが崩れており、またリバウンドでも新潟のビハインドとなって(40-51)、これが勝敗に大きく影響しました。
********************
しかし大分がウェストの8位というポジション以上のパフォーマンスを見せてくれたのは事実で、ツボにさえはまれば、十分にbjで戦えるだけのチーム力があると証明してくれました。メンバー的に限られており、特に日本人選手は苦しいですが、集中してゲームプランを遂行できるのであれば、決してメンバーに不足はありません。そのゲームプランを1年目となる鈴木HCがどこまで作れるか?そしてチームはどこまでそのプラン通りに我慢できるのか?これがカギになりそうです。
土曜はまさに鈴木HCの目指すチームのショーケースとなったはずです。粘り強いディフェンスと、トランジションからの展開。適切かつ思い切りのいいショットセレクション。インサイドとアウトサイドのバランス。ミスの少ないゲームメイク。スタメンだけでなくベンチメンバーの貢献。
もちろんこの一部だけが機能しても勝利には及ばないわけで、これらをチーム全体として機能させる。日曜の大分は土曜の新潟ほど酷くなかったですが、それでも澤岻がポロポロとターンオーバーしたり、外国人選手が最後まで集中力を保てなかったり、ベンチもそのチャンスを生かせなかったりと、少しずつ何かが足りなかった。結局、ゲームの勝利は40分間、チーム全体のプレーの積み重ねでしか獲得することは出来ないのです。
繰り返しますが、大分はポテンシャルのあるチームです。土曜の試合を見ると、「なぜウェストで下から2番目?」と思うような素晴らしいパフォーマンスでした。これを、単純に「ウェストのレベルが高いから」とは思いませんが、混戦の続くプレイオフレースで、大分がやっかいな存在になるのは間違いないようです。
********************
新潟は今回も1勝1敗で、日曜に勝って思わずホッと一息つきそうな場面ですが、土曜の負け方がひどかっただけにネガティブな状況を脱し切れていません。2試合の得失点差でも負けています。
連勝中はシンプルだからこそ機能していたチームプレーも、ここしばらくの低調な試合展開では同じパターンで負けることが多く、また公威の復帰後、日本人選手のローテーションもまだ確立されていません。池田、公威、小松、根東。この4人が全員活躍することはありえないですが、やはりそれぞれが持ち味を発揮してチームに貢献しないと、「強豪チーム」と称されるステージにはいたりません。
またホルムが厳しく守られると、チームとしてこれを打破できない課題もまだ残っています。中がダメだと外もダメ。恐らくここがチームにとって最大の課題でしょう。
********************
そんな中でひとつの光明になりそうなのがベネットのプレー。ゴール近辺で相手を圧倒するようなフィジカルの強さはありませんが、リバウンドは強く、またディフェンスに対する適応力もあります。
この日のスタッツはシーズンハイの13pts、9reb、3ast、3stl、3blkとオールラウンドなものでした。FTが5/6と安定しているのもいい。個人的にはこの日のMVPでしたが、チーム的には小松なんでしょうね。ベネットのプレーは地味だし。コメントを聞いていると、本当に真面目な選手です。
そう、地味ながらもチームのためにプレーするのがベネット。マットのコメントで「相手のシュートに影響を与えた」というのがありましたが、まさにベネットのプレーを象徴するものでした。ショットをブロックすればブロックショットが記録されますが、ブロックが届かずに、しかしその影響でショットが落ちることもあります。Altered
Shotとしてスタッツの1つとしてカウントする方法もありますが、マット曰く、この日少なくとも5つのショットがそうであったようです。ベネットはクイックネスに優れるのでディフェンスの対応も早く、リバウンドも強いのでディフェンス面でのチームへ貢献できる。オフェンスで日曜のようにより積極的にリングを狙えば、間違いなく彼のプレーはbjで確立されていくでしょう。
もっとも、そうでなければ新潟というチーム自体が苦しくなるのですが。次はアウェイ秋田、これもまた厳しい試合になりそうです。
********************
最後に余談など。
新潟のホーム戦ではオープニングセレモニーの際に「プロローグ」として、その試合の見所をビデオで流します。土曜日は元新潟の鈴木HCについて、そして日曜日は地元五泉市出身の佐藤優樹選手について。ブースターによりゲームに入ってもらうための導入部となる演出です。
で、去年まで新潟の顔でもあった澤岻はスルーなんですね。退団した理由はどうあれ、彼はリーグの顔のひとりだし、僅か1年ながら、新潟というチームに与えた影響は大きい。実際、澤岻は土曜の試合で9astという見事なパフォーマンスを見せている。期待はしていなかったですが試合後のインタビューでも新潟について特に何も言わないし、またそこが澤岻らしいのですが、これをスルーするのかな?と。
同様に?と思ったのが、ラビッツの最終戦。試合前にもらう報道資料を読むと、日曜の試合後にキャプテン出岐が挨拶する場面はあれど、他の選手は無い。荒HCもない。ほとんどの人にとってラビッツの選手達を見る最後の機会なのに?スタッフに聞いてみると、WJBLの後にbjの試合があるので、コート入れ替えもあって時間が無いとのこと。ひとり一言、全部やってもたった5分で終わるのに?
やっぱり面白いですよ、このチームは。









