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Old man talking 024 ~“Basketball for all”とは言うけれど~

先般、岡本佳文さんと席を共にする機会に恵まれました。岡本さんは大学卒業後に渡米し、アメリカ四大スポーツの最前線でスポーツマネジメントに直接携わってきた方で、いくつもの「日本人初の・・・」という肩書きを持っています。

アメリカで長らく働いてきただけに言動はアメリカナイズされていますが、しかしそれに全く嫌みを感じさせない人柄の良さ、ポジティブさがあり、そしてその言葉の全てには自らが経験してきた実績という他には代え難い自信に裏打ちされたプライドに溢れていました。

そんな岡本さんは日本のスポーツ界とも非常に強いコネクションを持っており、様々な裏話なども耳にしたのですが、やはり印象的だったのは、「日本では野球が圧倒的に強い」という現実でした。

球団や観客動員の規模、メディアの露出などだけでなく、政治経済の中に深く深く野球というスポーツの根が伸びている。あんな話もこんな話も、実は表に裏に野球というネットワークがキーワードになっていたりする。

やはり、現在の政治経済の中心にいる世代はその人生のかなりの部分で野球に影響を受けている訳で、今の日本がいろんな面で野球と密接な関わりがあるというのは、然るべき結果なのだと思います。

そして規模に差はあれども、サッカーや相撲なども、やはり日本人の生活に深く根ざしている。W杯のニュースは朝から晩まで続いているし、たとえ不祥事とは言え、これだけメディアが注目するというのはやはり相撲の影響力の大きさを表していると言えるでしょう。

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それらを横目に見ながら日本のバスケットについて考えてみると、その規模はあまりにも小さい。規模というより、第三者へ与える影響力があまりに弱い。野球やサッカーに比較すれば、日本人の日常生活に与える影響はほとんど無いと言っていい。残念な事ですが。

確かに、例えばbjリーグにしても、新潟の観客動員数は1試合平均にすると2,000人程度です。会場で見かけるのは、その多くがいつも見かける人達です。そうやっていつも会場に足を運んでくれる観客に対してチームは深く感謝すべきなんでしょうが、いずれにせよ、極めて限られた、それほど多くない人達によって支えられている。それはチーム(会社)の規模や、スポンサー企業の数などを含めても、同じ事が言えると思います。

もちろん、それが悪いと言っているのではなく、それが現状であり、現実という事です。

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ここで改めて日本のバスケ界の現状を考えるならば、トップレベルの選手はJBLとbjリーグに分断されており、ナショナルチームの強化もアジア各国に遅れを取っているのは皆さんご存じの通り。現時点で既に、かなりのディスアドバンテージを抱えている。

バスケに関しては、その競技人口の多さがよく話題になります。確かに野球やサッカーに並んでその数字は日本でトップクラスになります。

でもそれはあくまで「競技人口」であって、「スポーツとしての影響力の強さ」では無いんですよね。残念ですが、それは比例していない。

JBLには“Basketball for all”というスローガン(理念)があります。

その“all”が示すものは何ぞや?と考えたときに、それはバスケというスポーツだけでなく日本全体を含むものであり、更にアジアへ、果ては世界へのインパクトをも含むべきものだと思うのです。

例えば野球ではWBCで結果を残したり、MLBで日本人選手が活躍したり、サッカーのW杯では「日本のサッカーとは?」という事を世界に証明すべく奮闘している。

では、日本のバスケットについてはどうでしょう?

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これは私自身が前々から感じている事なんですが、バスケットに関しては、その視野がすごく狭いイメージがあるんですね。非常に狭い世界、身内だけを見ているというか。

bjリーグならbjリーグだけ。JBLならJBLだけ。学生バスケなら学生バスケだけ。ミニバスもかなり特殊な世界です。

それらを全てひっくるめて「日本のバスケの為には・・・」と考えてくれる人達もいる事はいるとは思うのですが、更にその先まで考えている人がいるかと言えば・・・どうでしょう?

バスケで日本を変える。日本のバスケが世界にインパクトを与える。そこまでの強い意志を感じたことは、これまでほとんどありません。

私が思うのは、多くの人はそこまで思いが至っていないし、そもそも、こう思っている人が少なくないような気がするのです。

「バスケに関わる人達全てが力を合わせて、みんなでいい結果が出るように何とか頑張ろう」という微妙にユルい空気。みんなで力を合わせればたぶん何とかなると思っている。な~んとなく。

先ほどの“all”で言えば、バスケ関係者が思っているのは、そのバスケ関係者「だけ」を称して“all”と称しているのではないでしょうか?

確かに、JBLのHPではこのスローガンについて、このような記述があります。

「・・・これまでの“バスケットボールに係わる人のためのバスケットボール”ではなく、“全ての国民に解放されたバスケットボール”に育てあげることを目指し・・・」

確かにこの理念は素晴らしい。でも、実際にそれを感じさせる事ってあるのでしょうか?

ここではたまたまJBLを例に挙げましたが、bjリーグにも立派な理念があります。3つの理念、7つのビジョン、そして20の実践。これらについても、「絵に描いたモチ」と言われかねない現状が多々見受けられます。そもそも、リーグもチームもそれどころではないような状態でしょう。

そして、これらの現状のままで今後どのような結果が待っているかと言えば、それは恐らく、とても中途半端な「なあなあな結末」を迎えるしかないと思うのです。

そう、今までと同じように。

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日本の人口は2005年を期に減り続けていて、つまり各スポーツの競技人口も減っていく事になります。そこで起こるのは才能(タレント)の奪い合いです。

ここに影響を与えるのは、その競技の持つインパクトと、そして将来性。スポーツとしてバスケの影響力は既に世界レベルで証明されています。

でも、日本のバスケの将来性は?

日本におけるバスケのブランディングに適切に取り組まなければ、この競技の将来はあまりに不確定な物になってしまうでしょう。

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スラムダンクの中で、流川楓がアメリカ挑戦を訴えた時、安西先生はこのように言いました。「とりあえず、君は日本一の高校生になりなさい」と。

当時は、それで良かったのかもしれません。たぶん。

でも、今はもう多くの人が気づいていると思うのです。日本での成功が、世界での成功へと必ずしも繋がらない事を。それが、同じベクトルの上に並んでないという現実を。

それでは、日本のバスケの現状と、将来の方向性についてはどう思いますか?

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