プロって何だろう…。第1回『プロチームの作り方(千葉ジェッツに聞く)』

-多くの人に知ってもらうために何をしたのでしょうか?
「県内の人に知ってもらうために大きく2つの活動を行いました」

-その2つはとはどんなことですか?
「1つはPR活動です。チラシを配ったり、夏祭りなどの様々なイベントに参加して、千葉県にプロバスケチームが出来たことをアピールしました。2010年11月26日頃に一般の人から応募したチーム名が決まり、新聞などのメディアにも取り上げられるようにもなりました。もう1つはスポンサーを探すことです。スポンサーになってくれそうな候補を紹介してもらったり、全く知らない会社に売り込み(営業)をしたりしました。正式なスポンサーが決まったのは選手が決まり始めた2011年の夏からです」

次はいよいよ、選手とヘッドコーチを集めていく方法についてです。
-コーチと選手はどうやって集めたのですか?
「初年度から勝てるとは思っていなかったですし、興味を持ってもらって、県内のたくさんの人に知ってもらいたいという考えもあって、バスケの実力も必要ですが、先ずはルックスでリストアップしました(笑)」

-ルックスとはどういうことでしょうか?
「ずばり顔です。イケメンということを主題に選手のリストアップを始めました。集めた選手たちのルックスの良さもあって、プロモーション活動は非常にやりやすかったですね。新聞、雑誌、TVなどのメディアでのインタビューにも慣れていましたし、企業や会社への売り込みもしやすかったですね。ポスターなどにも使ってもらえましたからね」

-千葉県出身者を集めるという考えはなかったのですか?
「一人いれば大丈夫かなと思い、先ず佐藤博紀に声をかけました。彼もルックスという面でも問題ないと思っていましたから。バスケ界のジャニーズを目指したわけではないのですが(笑)、あえてそういった選手と集めました。ファンをつけないと興行(=ショービジネス)として成り立たないと思っていました。首都圏という難しさもあって、大手のメディアが取り上げてくれるわけでも無いですし、ほっといてもファンはつきません。女性ファンを集めることができれば、それに伴って男性ファンもついてくるだろうと思っていました」

-その考え方は当りましたか?
「功(こう)を奏(そう)しましたね。と言っても初年度にブースター会員数が増えたわけではありません。彼らがチームを去って、いなくなったファンの多さから反対に知ったという感じですね。2年目から3年目にメンバーを大幅に変えた時にコアなファンが減りました。そこでひとつ考えを変え、選手につくファンだけでなくチームにつくファンを増やそうと思いました。もちろん、チーム初年度からチームにつくファン層を開拓していく必要は感じていましたが、なかなか上手くできませんでした。今は上手くシフトしていると思います。本来の勝負に勝つチームへと変わってきています。」

-ヘッドコーチはどうやって決めたのですか?
「初年度はいろいろな人から紹介されることもありましたが、千葉でチーム作りをする上で県との関係をより深めたいと考えていました。千葉と何か関係性がある人材が良いのではないかと思っていた時に、千葉県と姉妹都市の(アメリカの)ウィスコンシン州出身のコーチがいると紹介をうけました。それがエリック・ガードー氏(現 和歌山トライアンズ、アソシエイトコーチ)でした。コーチがウィスコンシン出身だということで千葉県や経済界にアプローチしてネットワークを広げていったという感じですね」

-外国人選手はどうやって獲得したのですか?
「エージェントに対して払うお金もありませんでしたので、初年度はコーチの紹介で外国人選手を獲得しました。お給料などの契約については選手全員と直接交渉しました」

試合する会場はどうやってきめていくのでしょうか。
-船橋アリーナだけで試合をするつもりだったのですか?
「県内に幅広く知ってもらうためにも(試合会場を)複数にしました。例えば市川市で2試合すると、その試合を目指して市川市でバスケしている子供たちが来てくれますから、メリットはあります。最初から船橋アリーナで26試合とかを組んでしまっていたら非常に大変だったと思います。浦安、市川、八千代などの地域で試合していきながら、チームとしての知名度を深め、ゆくゆくはホームアリーナ1箇所で開催していきたいですね。今シーズンも船橋アリーナで約半分のホームゲームを開催して、近隣の方々を呼び込みたいと思います」

-ホームアリーナ(専用会場)についてどう思いますか?
「アリーナを持ちたいですね。アリーナもそうですが、先ずは専用で練習できる場所が欲しいですね。今は船橋アリーナを借りて練習していますが、それまでは色々な場所を転々としていました。bjリーグからNBLに移った際に、より強く思いました。企業チームなど専用練習場を持っているチームと比べた時に選手獲得のデメリットにもなりますから。練習場は本当に欲しいですね」

-対戦試合の決め方?
「一年間の試合スケジュールがリーグから送られてきます。それを元に会場を決めていきます」

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会社が出来て、選手やコーチも決まり、試合を会場も見つけました。
これからプロバスケの試合を行っていくことになりますが、次は試合をやっていくために必要なお金とお客さんについての話です。

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