息詰まる大熱戦は劇的幕切れ、秋田が岩手を破りカンファレンスセミファイナルへ(5月5日)

第3戦

20分のインターバルを挟んで行われた第3戦、岩手が月野のミドルシュートで先制する。岩手はその後もディクソンのミドルシュートとフリースロー2投で6-0の快調な滑り出し。秋田は富樫のスクープシュート、ハリスの3ポイントで5得点を挙げるが、岩手の高橋にも3ポイントを決められて岩手の4点リードで前半を終了。

後半、岩手はスティールから高橋のイージーレイアップなどでリードを広げる。しかし秋田もハリスのアシストからブラウンのダンクなどで反撃し、残り20秒に富樫のシュートが決まって同点。両チーム譲らず、試合は延長戦へ突入する。

延長に入ると、ファウルがかさんだ秋田を尻目に岩手がフリースローで得点を重ねる。秋田もブラウンが足をつりながらも得点を量産し、獅子奮迅の活躍を見せる。残り16秒、岩手がフリースローの得点で2点のリードを奪い、勝負が懸かった秋田のラストオフェンスを迎える。秋田はボールをエースのブラウンに託し、最後の望みをかけて放った3ポイントに岩手・ブラックレッジがファウル。残り0.1秒でフリースロー3投という極限のプレッシャーが懸かる展開となったが、ブラウンはこれを全て冷静に沈めて大逆転。第2戦に続いて絶体絶命のピンチをはねのけた秋田が、上位シードの岩手を破る番狂わせを演じ2年連続でファーストラウンド突破を決めた。

前半 後半 OT 合計
岩手ビッグブルズ 9 7 8 24
秋田ノーザンハピネッツ 5 11 9 25

【スタート】
岩手ビッグブルズ:#2澤岻直人、 #7レジー・オコーサ、#8月野雅人、#14高橋憲一、#32カルロス・ディクソン
秋田ノーザンハピネッツ:#0富樫勇樹、#1ディオン・ハリス、#5田口成浩、#7佐野吉宗、#15マーシャル・ブラウン

総括


第2戦、秋田は2ポイントFGを60%という高確率で成功し、試合を作った。岩手はリバウンド数で60対33と秋田を圧倒したが、フリースローをわずか39%しか決められずに試合の流れを支配することができなかった。特にスニードはオフェンスリバウンドから再三フリースローを得たが、0/10と全く決めることができず、不発に終わった。それでも岩手が最終盤までリードしセミファイナル進出濃厚だったが、最後の最後で秋田のアンダーソンに試合をひっくり返され、勝負は第3戦に持ち越されることに。
第3戦は岩手がスタートダッシュに成功したものの、秋田が突き放されては追いつき、突き放されては追いつく執念を見せる。最後はエースのブラウンがドラマティックな逆転を演出し、大熱戦に終止符を打った。

この日の岩手県営体育館には満員の2498人が詰めかけたが、岩手のホームゲームにもかかわらず半分は秋田のブースターという異様な光景になった。両ブースターが熱い応援合戦を繰り広げたが、声量はやや秋田に対する応援が上回り、それに鼓舞された秋田の選手たちは気迫のプレーで勝利をもぎ取った。
昨シーズンに続き、2年連続で自力でのカンファレンスセミファイナルに駒を進めた秋田は、5月11日・12日にイースト1位の新潟アルビレックスBBと対戦する。

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試合後の中村、桶谷両HC。秋田の富樫選手、アンダーソン選手、ブラウン選手、岩手の月野選手、高橋選手のインタビュー(プレミアム限定)

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