NBL説明会(栃木開催)の概要

3月2日リンク栃木ブレックスのホームコート、ブレックスアリーナ宇都宮会議室で新リーグNBLの説明会が行われた。新リーグの副本部長兼COOである山谷拓志氏のプレゼンの概要は以下の通りとなる。

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NBLを設立の理由

・メディアの記事などに統合することが目的だと掲載されるが、統合が目的ではない。
私見で言うなら、沢山のリーグがあることは良いことだと思う。選手たちも色々な所でプレイすることが可能になるし、市場の拡大という意味に置いても悪いことではないが、FIBAから言われているのはどれがプロのリーグで、また1部、2部などのグループ分けを正しく行うこと。ピラミッドの形の中に正しくどう収めるのか。

新リーグの大きな柱⇒『試合の質の向上』と『観客動員数の向上』


①チーム数の増加
・現在JBLは8チームのみとなっている。選手の雇用を増やす意味でもチーム数の増加が必要

②観客動員の向上
・実業団(企業)チームのように全国に支社や工場があるチームからは地域名をいれることに難色を示すところもあったが、先ずはどの地域で集客するのかを明示させることが必要だった。しっかりと地域密着を掲げれば、スター選手に依存せずとも毎試合2000~3000人規模の動員が見込める。

・自主興行権の義務化⇒今まではイベント会社などに運営させていたが、各チームがチケット発券元となる。リーグが得た収益を各チームに還元することも検討している。

・今シーズン、JBLの平均観客数は厳しく平均1500人を下回る状態。bjリーグでも平均1700人。
先ずは新リーグでは平均2000人規模を目指す。これが最大値とは考えていない。韓国のKBLのように4000人以上の観客動員が見込めるようにしていく。
平均が5000人を超えれば必然的にサラリーキャップが5億を超え、1億円プレイヤーの誕生も可能。

③試合の質の向上
・サラリーキャプによる経営の安定化と戦力の均衡化⇒サラリーキャップが必要なのはプロのチーム、リーグという考え方もあるが、企業チームの休部や廃部を考えれば、多額の出費によりチームの存続が危うくなる可能性がある。

・ドラフト制度も検討したが、2013-14シーズンには採用はしない。先ずはチームの状態を均一(イコール)にすることが重要。

・選手の質の向上⇒選手が試合に出場し、出場時間を得る必要がある。どんなに素晴らしい選手でもベンチに40分間座っていれば成長はしない。機会を増やすという意味でもチーム数と試合数の増加が必要になる。試合数が増加により、選手のコンディションや怪我に左右される可能性があり、必然的にベンチのメンバーの出場機会も増える。

・審判の質の向上⇒今までは専属の審判が居なかった。プロの専属審判を雇うことは難しいが、NBLを専門に吹く審判(NBAのような背番号制)を置き、育成していく。リーグに常駐の審判ディレクターを置き、チームからの異議申立てを受けるなどのフィードバックの機能を持たせる。

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スケジュールについて
リーグの頁を参照

※2013-14のオールスターは会場は未定。東西のカンファレンス対抗なので、勝ったカンファレンスにファイナルの1,2,5戦目ホームゲームの権利(実際は代々木で行うためホーム・アンド・アウェイではないが、ユニフォームと興行権)を付与する。

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カンファレンスについて
つくばが何故西なのか⇒関東圏のチームが6つあり、6チームの中の話し合いで決まった。つくばが今シーズンは西でチャレンジしたい申し出もあり、2013-14シーズンは西に行く事となった。
今後は加入チームの地域を考慮して、東西に分けていく予定(東西を区分けではなく、別のカンファレンス。野球のセ・リーグ、パ・リーグのような形)

※和歌山トライアンズについて
2月の大阪での説明会で和歌山の社長自らプレゼンした。パナソニックも3年間限定でスポンサーとなり、選手(選手名はまだ公表されていない)の半数以上が和歌山トライアンズに移籍する予定。

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サラリーキャップについて
・選手(外国人選手を含む)のサラリーの上限は1億5千万円とする。厳密に言えば、契約で決められた確約された報酬のみ
(ボーナスや勝利給は含まれていない。この部分はまだ各チームの自由度が残されているが、今後異常に高い勝利給などが出るようであればリーグとして抑止していく)

・何故1億5千万円なのか⇒JBLのサラリーキャップは日本人選手のみで2億1千500万円。外国人選手は18万ドル。合わせても2億5千万円程度。しかし実際はJBLの年俸の平均値が1億5千万円に達していないし、プロの2チームを除外して、実業団6チームでも1億5千万に満たない。今のJBLの選手たちにとっても大きな不利益になることはないであろう。

・プロ野球選手の一人でもサラリーキャップの総額を稼ぐ選手がいる。夢のあるリーグにするためにも球団が10億円くらいの収益を上がることが出来れば、サラリーキャップも5億くらいになり、1億円プレイヤーの誕生も可能。

選手登録と試合出場について
・チーム登録数は15名。ベンチメンバーは12名となるが、FIBAの基準に合わせている。JBLの平均出場人数が9.6(約10)人くらいなので、大きな出場時間減少にはならないであろう。12人のメンバーは毎試合変更可能。

・外国人選手のオン・ザ・コート1,2の併用。

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これから目指すこと
・2013年の新リーグ(NBL)が最初からこの理想形態になるとは考えにくい。あるべき姿に向かう最初のステップ。

・今月中旬から(6月まで)2014-15シーズンのエクスパンション(チーム拡大)の公募を開始する。

・2015シーズンの次のステップについては、来年(2014年)の3月頃までには確定する予定