【プレミアム限定】岩手vs秋田 秋田:中村HC 岩手:桶谷HC、月野選手 インタビュー(11月10日)

11月10日(土)奥州市総合体育館(Zアリーナ)で行われた岩手ビッグブルズ―秋田ノーザンハピネッツの試合後インタビュー。岩手:桶谷大HC、月野雅人選手。秋田:中村和雄HC。
(文/宮川 紀元)

秋田ノーザンハピネッツ

中村和雄HC
―今日の試合の総括
えーとなかなかいい経験でした。
まあ何が悪かったかっていえば、前半のハリスとカミングスな。ああいうバスケットをするから。二人が軸だって言ってるのに。ただ、長い(シーズンの中の)状態では、こういうこともあるかなと思いますね。
よく追いつきましたよね。ただ、追いついた分だけくたびれたなあ(笑)。追いつかない方が良かったかもな、逆にな。あのまますんなり負けといた方が良かったって気がしないでもない(笑)。

―今日はディフェンスはレギュレーションを60点台に抑えて…
それあんまり関係ないんだ。60点台とかそういうの。
あれだけフリースローやシュートが入らないと。何回も言うけど、シュートが入らないのはおれの責任じゃないからな。おまえらの責任だから、って。シュートが入る選手がほしいな(笑)。

―あれだけ入らなければどうしようもない、と。
どうしようもないですねー。あれだけ入らないと。最後も追いついたっていうより、あれは力があるわけじゃないな。あれだけ入るならもうちょっと最初から入れとけよ、ってな。ハリスには怒ったな。相当怒った。だって、ハリスとかカミングスは好き勝手シュートに向えるやつなんだ。
それから、菊地と田口はやっぱりまだまだこれからかな。これから、一歩一歩。錯覚しないで、こういう負けを「しまった」と思って成功してくれればいいかなと思います。

―後半は岩手をかなり抑えこんでいましたが、何か指示はしたのですか?
前半でも後半でも、ゲームっていうのは最後に勝つか負けるかなんだ。第1Qがどうとかじゃなく、最後に勝つか負けるかなんだ。
指示してません。全くしてません。

―その中で後半追い上げられたのは、最後に選手たちが頑張りを見せたということですか?
頑張りじゃないでしょう。やることをちょっと思い出しただけの話だから。それだけの話でしょう。
なかなかうまくいかないんだ、まだ。でも(強いと)錯覚してるんだ。だから痛い目にあうんだ。これをひとつひとつ、成長していければいいと思いますね。

―今日の勝負の分かれ目になったところは?
シュートが入らない。誰でもわかる。あれだけシュートを落としたら。特にハリスは3ポイント6分の1だから。これはちょっとあれですね。

―岩手の印象は?
岩手は強いですよ。一人一人能力があって。ただ、自滅かな。負ける時は負けるけど、状態が悪いってことだから。あれだけシュートが入らないと。これは長丁場の中であることだから、しゃーないな。最後にどうなるかが大事だから、あんまり慌てずにやっていきたいと思います。

―流れをつかめそうなところで入らなかったという印象がありますが。
それはもう、ハリスに聞いてくれ(笑)。ハリスとティージェイがね。点数は取りますよ、最終的には。あれだけスキルがあるから。

―後半のバスケは秋田のバスケとみてもいいですか?
わからない、まだわからない。まだ始まったばかりだから。これからだから。5月。5月にどう仕上げていくかですよね。

―明日に向けて、変えていきたいところは。
これから(ホテルに戻ってから)ですね。でも、あまり変えようがないでしょう。
バタバタする気はないですね。ちょっと負けたからってバタバタバタバタやる気は全くないですね。まだ慌てない。ひとつふたつでは慌てない。

―十分勝てるということですか?
わからない。流れがあるから。まあ、そうバタバタしなさんな(笑)。選手にも言ったんだ。バタバタすることはない、って。勝ち負けは出る。調子のいい悪いはこれからあるから。それはしょうがない。
まだ、油断してるんだ。昨日も悠々と京都と浜松の試合を見て、人ごとなんだまだ。今日もずっと「どっち勝った?」とか「また浜松負けた」とか言ってるんだ、あいつらは。そこらへんをもうちょっと真剣にとらえてくれればと思いますね。

―気の緩みを心配している選手もいますか?
いる。いる。でもこういうときは、バタつかない。バタつかない。

―初の敗戦ですけど、あまり気にしてはいない?
あの、必ず負けますから。そりゃ勝った方がいいですが、しゃーないですよ。

―ディフェンスはある程度機能したという認識でいいですか?
うーんと、負ければね、機能はねえんだ。負けたのにいいバスケットをやったということはないです。ない。

********************

岩手ビッグブルズ

桶谷大HC
―今日の試合の総括
今日は選手が。チームでオフェンスしてチームでディフェンスして、我慢強くやってくれた結果だと思います。本当によく我慢してやってくれました。戦術的には何もないです。選手が良くやってくれた。

―前半のリードを保てなかった要因は何でしょう?
やっぱり秋田さんが自分たちのいいところをだいぶ消しに来て。プレッシャーもかなりきつくなって、自分たちのターンオーバーが相当増えてしまったんで。前半はアシストが11くらいあったんですけど後半はアシストが止まってしまって、そういうところをもう一回。今日の夜、修正するように考えてもう一回やらないと。まあ、明日の出だしまた同じようになってしまうので。修正をかけたいなと思います。

その中でも、けっこうシューター陣がピタッと抑えられたんですけど、澤口のアタックなんかがすごく良かったんで、ああいうのをもう少し機能させられたら。ああいうプレッシャーディフェンスに対して割っていけるんじゃないかなあ、と。

―ブラックレッジが戻ってきたのは大きいかな、と思いますが。
そうですね。まあ、あれ(終盤のシュート)決まったら勝負決まってたんじゃないかと思うんですけど(笑)。彼がいることによってディフェンスは厚みを増していたので、秋田さん相手にオーバータイムになっても80点取られてないというのは非常に大きいと思いますね。明日、スニードもそうですけど選手たちが機能するように、もう一回今日しっかり考えたいと思います。明日もう一回、選手に頑張ってほしいなと思います。

―区切りとして、これだけ勝ってやっと首位になりましたが。
…明日終わってから(笑)。まあ、明日負けたら陥落すると思うんで。最終的には1位にならなきゃいけないですけど、まずひとつひとつ戦うのが大切なので。今日の勝ちに一喜一憂せず。もちろん喜ぶ時は喜ぶ必要あるとは思うんですけど、どっかでしっかり締めて。

―後半点が取れなかったのは、秋田のプレッシャーに対する対応がうまくいかなかったということになりますか?
そうですね。うちがパスをシェアできなくなった時間帯がかなり多くなったので。ワイドオープンのシュートだったり、ギャップができてのアタックというのがなくなってしまって。もっともっとボールをしっかり、前半のように散らせるようなバスケットをしたいなと思います。

―ディフェンスでは秋田のシューターに相当厳しく付いていましたが、どんなプランだったのですか?
秋田のシューター陣に対して、アテンプトの数をどれだけ減らせるかというのですね。それはかなり頑張れたんじゃないんですかね。あの、菊地君の4ポイントプレイですか、ああいうのはもうしょうがないっちゃしょうがないと思うんですよ(笑)。明日、菊地君だったり田口君、あと庄司、そこらへんを当てさせないように。本数打ちだすとやっぱり当ってくると思うので。

―秋田で抑えるところはやはりカミングスではなくて3ポイントという認識ですか?
いや、カミングスと3ポイント、どっちもどっちです(笑)。やっぱりカミングスも乗るといやなので、そこはバランスを取りながら。ただ、やはりシューター陣が当たると3点になるので。カミングスは2点なので。まあプライオリーとして、3点をまず抑えたいなと思います。

―秋田の強さはどこだと思いますか?
やっぱりアジャスト力ってのがすごくある。試合中のアジャスト。今日はほんとにリードしてて、こちらがあちらのアジャストに対してアジャストしきれなかったというのが同点に追いつかれた原因だと思うので。

―秋田のディフェンスを破るためには?
やっぱりボールシェアですね。あとインサイドにしっかりボールを、どこでも預ける。ただローポストはダブルチームの餌食になるんで、ハイポストで預けてからのインサイドアウトでギャップアタック。後半はそこでアタックできる選手がいなくなったので、プレッシャーで。自分らが利アクティブになってしまった部分があるんで、もう一個ギャップをかませるように明日工夫したいと思います。

********************

月野雅人選手
―(逆転シュートに関して)ナイスシュートでした。どんな気持ちで打ちましたか?
もう時間なくて、最後レジーがノーマークの状態をよく見つけてくれたので。シュートを思い切り打つだけでした。

―あれが入るか入らないかで、明暗がくっきり分かれるシュートでしたが。
そうですね。打つ時はそんなにそれを考えてる余裕はなかったです。とにかくノーマークで時間なくて、思い切り打とうと。

―あの大歓声は聞こえましたか?
それは聞こえましたね。入ってすぐは覚えてないんですが、その後リバウンド取ってブザーが鳴った後、選手みんな出てきて。その時に「勝った!」と実感しました。

―今日はミドルシュートもバンバン決めていましたが、出来としては?
前半14点リードで、後半、特に第4Q、相手のアウトサイドをもっと守らなきゃいけないところを怠ってしまったせいで詰められてしまったので。それをもっと修正しなきゃいけないと思いますね。

―明日の勝利が大事になってきますが。
そうですね。やっぱり今秋田と一緒に1敗同士で同率のようなものなので、しっかり明日勝って1位になって。来週空くので、明日のゲームに全力を注いで。ビッグゲームになると思うので、しっかり明日に合わせて頑張りたいですね。