【プレミアム限定】bjリーグ2011-12ファイナルズ 決勝戦 浜松vs沖縄 インタビュー(5月20日)

5月20日(日) 有明コロシアムで行われたbjリーグ2011-12ファイナルズ 決勝戦 浜松・東三河フェニックス対琉球ゴールデンキングスの試合後インタビュー。

浜松:河合竜児HC、ジャメイン・ディクソン選手、ウェイン・アーノルド選手、岡田慎吾選手、太田敦也選手、大口真洋選手、友利健哉選手、仲西翔自選手/沖縄:桶谷大HC、アンソニー・マクヘンリー選手、ジャーフロー・ラーカイ選手、ジェフ・ニュートン選手、金城茂之選手、山内盛久選手、小菅直人選手、与那嶺翼選手、並里成選手、澤岻安史選手
(文=牧山佳奈・宮川 紀元・金澤 朱志/写真=金澤 朱志)

浜松・東三河フェニックス

河合竜児HC
(目を真っ赤にして会見場に登場)
―今日の試合の総括
まず初めに、選手、スタッフ、球団のフロント、ブースターの皆さん、スポンサーの方々、すべての方にすみませんとお詫びがしたいです。チーム自体は最高の状態でしたけど、自分の力不足で勝たせてあげることができませんでした。

今日のゲームはカズさんであれば間違いなく圧勝してたでしょうし、もっといい勝率でレギュラーシーズンも終えていたでしょうし。本当に選手は最高のパフォーマンスをしてくれたんですけど、自分の責任で、勝たせてあげることができなかったです。ただ、サポートしてくださったチームメイトの皆さん、ブースターの皆さん、スポンサーの皆さんには本当に感謝したいと思います。

(以下、囲み取材での質疑応答)

―敗因はどのあたりでしょう?
どのあたりっていうか、もう全部ですね。1ゲーム通して。1ゲーム通してというより、シーズン通してです。だって皆さん思うでしょ?カズさんだったら間違いなくダントツで優勝してましたよ。僕の力不足で本当に選手に悔しい思いをさせて。アーノルドやジェフは負けたことないんですから、ここで。岡田にしても大口にしてもそうです。本当に選手たちはみんな頑張ってくれてたんですけど、自分の力が足りないばっかりに本当に選手に辛い思いさせちゃって。

―第2Qに6点に抑えられた原因は何でしょう?
あそこでプレス仕掛けられたときに、僕が気合入れてやれなかったのが残念ですね。選手がああやってゲーム中に不安になるのは、相手に対してとかゲームに対しての不安じゃないですよね。やっぱり僕の力不足じゃないですか。カズさんであれば…。

カズさんの名前ばっかりだしちゃダメですけど、実際は。選手に対して自信を持たせてあげることができなかったということ。あんなんになるわけないですもん、うちの選手が。タイムアウト取ろうが、状況を変えられなかったというのは僕の責任でしかないので。

―HCとしては1年目でしたが、この悔しさは今後に活きますか?
そうですね。さっきもロッカールームで選手たちには、「おまえら何も悪くないから。最高のパフォーマンスをしてくれた。」って言いました。だから胸張ってくれ、と。来シーズンも指揮を執ることがもし許されるのであれば、もう一回おれにリベンジするために胸を貸してくれ、って。

―大口選手に抱きしめられていましたが。
大口に言われましたよ。「1年目でいきなりてっぺんのぼっちゃダメだよ。」って。「リベンジするチャンスもらったから、来シーズンやってやろう。」って。あいつの言う通りなんですよね。ただそれを僕だけが味わうならいいですけど、一番頑張った選手にそういう思いさせてしまうっていうのは…。自分の力不足でそういう思いさせるのが本当に申し訳なくて。

―来季はどんなチームを作っていきたいですか?
スタイル変えるつもりはないんで。当然、沖縄に勝つチームを作りたいですし。

―沖縄がすごくよくて、浜松が悪かったわけでもないと思いますが。
一番の原因は先ほど指摘された第2Qなんですよね。あそこで僕があいつらを何とも助けてやることができなかったのが一番の敗因ですけど。
スタッツ上、昨日沖縄の選手はよくないんですよね。よくない中で接戦をものにして勝ってきたので今日活躍することは十分予想できたんですよ。そんな中で逆にうちがいいバスケットをできなかったのに競れたので、そこを僕が助けてやれなかったのが悔いが残ると。一発勝負なので仕方がないですけど、何よりも選手に辛い思いをさせたのが辛いですね。ブースターさんを結局最後の最後でまた裏切ってしまったし。

―今シーズンを振り返って
明日もう一回やれば勝つ自信は当然あるんですよ。当然。でも、一発勝負っていうルールですから。シーズンの中で、所々ポロポロゲーム落としたのも、あれ自体が僕の力不足なんですよね。どう見てもうちの選手たちが、僕の中ではリーグで一番ですし。去年のメンバーが12人中7人残ってて、間違いなく3連覇はできたはずだと思うんです。それを僕が阻んでしまって。でもそんな中で選手たちがよくついてきてくれたというか、1シーズンよく一緒に戦ってくれて。本当に感謝したいですよね。

でもやっぱりあのメンバーで勝たせてあげられないっていうのは1年目であろうがやっぱりダメですよね。

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ジャメイン・ディクソン選手
―試合の総括
いいシーズンだったと思います。チームメイト、スタッフ、すべての組織に感謝したいと思いますし、来季こそ頂点に立てるように、またもう一回頑張りたいと思っています。
とても楽しんでやれたんですけども、ひとつ言えるのは沖縄が自分たちよりいいプレーをしたということです。

―具体的に沖縄が勝っていた点はどこですか?
自分たちが悪かったとは言いたくないですが、強いて言うなら今日の運がありませんでした。もし2回3回できるなら勝てる自信はありますが、今日の運がありませんでした。

―フィールドゴールの確率がチームとして低かったですが、リズムの違いは感じましたか?
個人としても、お世辞にもいい確率だったとはいえません。やはりすごくタフなディフェンスを沖縄がしたと思います。ウェインにはすごく激しくボールを持たせないようについていましたし、ジェフも完全に抑えられて、彼らのディフェンスを褒めるべきだと思います。ですが他の選手たちもレベルアップしていきますし、このままでは終われないと思っています。

―HCは自分のせいとおっしゃっていますが、コーチが変わった中でどういうシーズンでしたか?
沖縄が同じようなスタイルで、同じようなプレーをしたらカズさんがいても同じ結果になったと思います。違うタイプのHCですので違いは感じますけど、でもリュージはすごくいい仕事をしたと思います。彼は1年目のHCの中で1番の成績でしたし、来年またステップアップすると思います。

―来季もこのチームに戻ってきますか?
やはりこのチームでチャンピオンを取りたいと思う気持ちはすごくあります。フェニックスがもし帰って来いと言えば、喜んで帰ってきます。

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ウェイン・アーノルド選手
―試合を終えて
頂点を目指してやってきましたけど何かが足りなかったということで、非常に残念なシーズンだったというのが一番の印象です。

―何が勝敗を分けたと思いますか?
お互い優勝したことのあるチームですし、何が分けたというよりもこの試合は沖縄がいいゲームをしたということだと思います。

―悔いが残るとすればどんなプレーですか?
すべてのうまくいかなかったプレーに後悔が残っています。何かひとつというわけでなく、負けたということはそういうことだと思いますし、沖縄はいいプレーをして自分たちはそれをできなかった、その違いだけだと思います。

―今シーズンを振り返って
シーズンを通して強い気持ちを持っていましたが、今夜に関しては沖縄が攻守にいい仕事をしました。
来季に関しては契約の問題もあるので、簡単に「戻ってくるよ」とは言えないんですが、もちろん戻ってくることも視野に入れて考えています。自分は浜松の組織自体が大好きです。過去自分がいたシーズンは非常によくしてくれました。それは付け加えておきたいです。

―マクヘンリーを止められなかったことが大きかったですね。
彼は同じ町の出身ですので、よく知っています。夏も一緒に練習したりします。非常にオフェンスがいいですし運動能力も高いですし、足もありますし良いディフェンスをしますし、非常にいい選手だと思っています。

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岡田慎吾選手
―2点差まで迫ったけど勝ち越せなかったその原因は?
結局前日の前半と一緒で、バスケットが後手に回った。

―腰の手術をして最後の3月に間に合わせたシーズンだったが?
優勝できなかったから間に合ってないのだと思う。

―第2Qなかなか決まらなかったことに対しては
うちのやりたいことを向こうにやられた。DFで仕掛けられて、それにみんなが腰を引いてしまった。

―ハーフタイムはどのような修正をしていこうと話をした?
とにかく向かっていくこと。第2Q、向こうのDFにどうしても周りを探してしまう場面があったので、そうではなく、相手がダブルチームで来ても自分で間をわって切っていけという指示があった。

―ファイナルの舞台で負ける悔しさは今までにない悔しさだった?
はい。ファイナルで負けたのは初めてだったので悔しい。

―来季どのようにして、この敗戦を生かしていきたい?
切り替えて、これは永遠の課題だが、とにかく後手に回らない。追いかける展開は辛いので、先手先手に行くこと。

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太田敦也選手
―HCは負けたのは自分の責任だと言っていたが?
そんなことはなくて、一番自分に負けた原因があるのではないかと思います。

―相手がゾーンディフェンスになったときに少し攻めが淡白になった気がするが?
ぜんぶジャーメインとかに任してしまって誰にも繋ぎにいけなかったのが前半9点差ついた原因だと考えています。

―その中で太田選手はどういったプレーをしようと思っていた?
前からプレスをかけてきていたので、本当なら真ん中にフラッシュしてボールをつながなければならなかったところをうまく繋げなかったのが今日の試合に出ていた。

―試合の終盤、4点差になってから自分の不甲斐なさが出たと言っていたが、どんなことをやっていかなきゃいけないイメージだった?
DFなら1対1を特に考えていたが、それだけじゃなく、例えばヘルプなどが甘かった気がしたので、そこを直していかなければいけないと思っている。

―もっとチームのなかで自分自身もっとリーダーシップを出すイメージはある?
リーダーシップとまではいかないが、自分が動くことによって周りそれにつられて動いてくれればというくらいの感じ。

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大口真洋選手
―現役は続ける?
一応そのつもりですが、どんな形になるは分からない。ゆっくり考えます。

―試合に関して
自分としては点数よりもリバウンドルーズなどでもっと絡めたと思う。思っていた以上に足を動かせなかったというイメージがあります。

―昨日の疲れは残っていた?
残っていないといえば嘘だが、いつもは夜6時か7時の試合で、次の日が2時とかなので、それに比べればゆっくり回復する時間はあった。言い訳にはならないです。

―第4Qに2点差まで追いついたがその後点差が開いてしまったのはなぜ?
DFで我慢しきれなかった、チーム全員でカバーしきれなかったのが痛かった。

―少し荒いゲームになってた?
そうですね。途中でこちらのいい状態になっていたかと思ったので・・・残念です。今日は何でもディフェンスだと思う。そうやってプレーオフは我慢して戦ってきたので。

―経験があるチームだが、なぜDFで崩れてしまった?
分かりません。それが分かっていたらその場ですぐにできたと思う。岡田がいい仕事をしていたので、岡田が抜けてた時にリズムが良くなかったかなあと。だから自分に責任がある。岡田に代わって入った自分がリズムを悪くしてしまったので。岡田みたいな仕事を自分もしないといけないと思っています。

―3連覇の重圧はあった?
特に考えていなかったが、終わってみて何か開放された感じもあるので、思いたくなかっただけで、実際はあったのではないかと。

―HCには一気にてっぺんに登ったらもったいないから、と話したそうだが?
彼はすごく自分を責めるので。本当に悪かったら有明まで来れていない。その前にチームが潰れている。ここまで来たのは彼の力もあったからこそ。あと一つ足りなかったとしたら、そこを反省してさらに自分レベルアップできる。そういった意味でもいい経験ができたんじゃないかと。連覇という重圧が彼にはあったと思うので、それを助けてあげられなかったのは申し訳ないと思っている。

―オフ期間は?
もちろんオフは家族とゆっくり遊びます。なんかすっきりしないです。ちょっとしばらくいろいろ考えながら過ごす。現役を来季もやるとはHCには話した。負けたし悔しいので続けたい気持ちはある。このまま終わりたくはないが、思った以上に何か悔しさが他の選手とは少し違う気がする。自分がもっと悔しがっていたら、来シーズンに向けての気持ちが入ってくるはず。これの後からじわじわくると思うので、その時に考えたいと思っています。

最終日に負けたのは初めて。最初の年も3位決定戦に回ったが勝って終わった。最後に負けるのはなかったので・・・そのせいで少し変な感じがするのかもしれない。

―来年どんなチームを作っていこうと思う?
あの沖縄を敗れるようなチームを作っていくしかない。いい目標ができた。

―1戦勝負で少し運のなさがあったのでは?
そこは気持ちの問題というか、去年負けを経験した沖縄さんの気持ちが勝ったんじゃないかと思う。

―HCはカズさんだったら勝たせてあげられた、すごく選手に申し訳ないことをした何回も言っていたが
そんなこと分からないです。彼は本当に頑張っていた。開幕当初、あれだけの悔しさを味わってよくチームをここまで立て直したと思う。最後の最後でちょっと助けてあげられなかったのが悔しい。

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友利健哉選手
もうちょっとプレータイムがあって、ディフェンスはもちろん得点でも絡んでいきたかった。

―沖縄と戦ってみた感想は?
強かったです。リーグの中で一番やりたい相手ですしリスペクトしている仲間達ですし良いバスケットをやられたという感じです。

―第1Qシュートが入った時に胸に手を当てて興奮を示しましたがどういった想いから?
自然に出ました。あまりそういうことはしないんですけど。負けたくなかったです。チームに勢いをつけたかったというのもありました。

―来年はチャレンジャーという立場になりますが。
僕らは常に挑戦し続けるというのがうちのスタイルなので今回負けてしまいましたけど、どんどん挑戦していきたい。

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仲西翔自選手
沖縄の良い部分が出て僕らの悪い部分が出たというのが大きい。同じようなチームなので(リズムや勢いに)乗っちゃったほうが勝ちかなと思ってて、ミスからの速攻とかゴール近くのシュートを許した。そして僕らがあまり入らなかったのが痛いのと、いつも点を取ってる僕らとかが全然仕事が出来てなかったので、そういうところでチームの流れが悪かった。それが敗因に繋がったと思います。

―第1Qはハイテンポな展開で第2Qにつまづいてしまったことについて。
きれいにバスケットをしようとして受け身に回ってしまった。ジャメインがぐんぐん行って、あそこからパスで回そうとして引っ掛けられたということで、そのままあの時間では向こうに流れがいって僕らが点を取れなかった。

―第4Qに流れが2、3度来たのに逆転できず踏ん張れなかったのは?
決定的なシュートが今日に限っては全部落ちていた。決めたらわからないフリースローなどが外れてしまったところが勝敗を分けたと思う。沖縄のほうがフリースローを決めてるように思いましたしレイアップも全部決めていたような感じがした。

―今シーズン振り返って。
個人的には今までと全く違ったように使ってもらって成長出来た。ファイナルに限っては良いパフォーマンスが出来なかったので来シーズンまたフェニックスなら死ぬ気で。今度は西地区に行くということでレギュラーシーズンから沖縄にフォーカスして全力で戦っていきたいと思います。

チーム的にも山あり谷ありで、外国人選手が入れ替わったりなどいろんなことがあった。竜司さんも(ヘッドコーチとして)1年目ということもありますしすごくいろんなことがこの半年間がありました。すごく長い1年間でしたし外国人とも衝突しましたしフェニックスの今の形になるまでにたくさんありました。それが今日ここまで来れたということが不思議な感じがした。最後ファイナルに勝って、やっぱりフェニックスだねって言われる予定だったんですけど、でもそう簡単には勝たせてくれなくて沖縄も3年間待ち続けてたと思う。来年はリベンジでぎゃふんと言わせたいです。

(琉球ゴールデンキングスのインタビューは次のページ)