秋田との死闘を制した横浜、有明への一番乗りを決める(5月11日)

第3戦

徐々に熱気を帯び始めた地元ブースターの声援を背に、横浜がバーレルの得点ラッシュで勢いに乗る。積極的にドライブしてファウルをもらい、前半の全7得点を稼ぎだす。秋田は横浜のディフェンスに苦しむが、キアースの3ポイントと庄司のミドルショットにより2点差で食らいつき、勝負は最後の5分間へ。

後半はまたもバーレルを中心に、横浜が秋田の弱点であるインサイドにアタック。ファウルも誘い、ゲームの主導権を握る。秋田はアウトサイドショットで粘るが、残り18秒で4点差。苦しい状況となったが残り11秒、スワンストンが大きく体制を崩しながら意地の3ポイント。1点差とし、勝負は全く分からなくなる。ファウルゲームを仕掛けられた横浜は、バーンズが冷静にフリースロー2本を沈める。残り8.6秒に観客2120人の注目が集まる中、秋田は得意の3ポイントで真っ向勝負。オフェンスリバウンドで粘ってセカンドチャンスを作ったが、チームとブースターの想いを乗せたグリーンのラスト3ポイントは無情にもリングに嫌われ、ゲームセット。大激戦を制した横浜が、チーム創設1年目にして有明コロシアムへの切符を掴んだ。

前半 後半 合計
横浜ビー・コルセアーズ: 7 11 18
<秋田ノーザンハピネッツ/td>

5 10 15

【スタート】
横浜ビー・コルセアーズ:#1チェイス・マクファーランド、#2ドゥレイロン・バーンズ、#3蒲谷正之、#13山田謙治、#24ジャスティン・バーレル
秋田ノーザンハピネッツ:#0カイル・スワンストン、#1イージェイ・ドレイトン、#10庄司和広、#11マイカル・キアース、#23信平優希

総括

第2戦では、もう後がない秋田が開幕からチームスタイルとして貫いてきた3ポイントで横浜を圧倒。シーズン終盤から1stラウンドにかけて不調が続いていたスワンストンをスターターに戻し、故障明けの信平をなんと11月11日の千葉ジェッツ戦以来のスタートで起用するなど、大胆な戦略を見せた。横浜もバーレルや蒲谷の3ポイントで応戦するが、得意のディフェンスをことごとく回くぐられてリズムに乗れずに敗戦。また秋田は、ルーキーの田口が圧巻の活躍を見せたのも大きく勝利につながった。

ホームコートアドバンテージのある横浜か、第2戦に勝利して勢いがあり、1stラウンドでも同じ状況をくぐりぬけてきた秋田か。有明へのたった1つの出場権をめぐって行われた第3戦は、横浜がインサイドを圧倒。得意のディフェンスも切れ味を取り戻し、秋田のオフェンスを単発に抑える。秋田もスワンストンのミラクルショットで勝利への執念を見せたが、同点を狙った3ポイントはことごとくリングに跳ね返され、開幕から嘱望し続けた有明への道がついに閉ざされた。

レギュラーシーズンの終了から2週間が空いた横浜だが、第1戦では試合勘の鈍りを見せることなく安定した強さを見せた。第2戦の敗戦でシーズン中からの連勝が10でストップ、秋田戦の初黒星を喫した格好となったが、勝負の第3戦では再び強さを発揮。持ち味のディフェンスとインサイドの有利で自分たちのバスケットを展開して有明コロシアムへリーグ1番乗り、地元ブースターを沸かせた。

この日は平日の夜、すぐ近くの横浜スタジアムでプロ野球も開催されていたにもかかわらず2000人を超える動員を記録。遠く秋田から大勢のブースターが駆け付け、がけっぷちの地元チームへ渾身の声援を送った。首都圏に住む秋田出身者と思われるスーツ姿の観客も地元から駆け付けたブースターと共に大声援を送ったほか、多くのチームでプレーした庄司和広選手のファンも高松などから駆け付け、アウェーにもかかわらず圧巻のバックアップでチームを支えた。序盤は秋田の声援が目立っていたが、試合が盛り上がりを見せ始めると横浜ブースターもヒートアップ。第3戦ではシュートが決まるたびに大声援、大きなディフェンスコールも起こり、地元チームの勝利を大きく後押しした。最後は敗れた秋田とブースターにも大きなエールを送り、バスケットボールの迫力を堪能した様子だった。


この日は時間の関係上、記者会見の様子を記録することができませんでした。