【プレミアム限定】京都ハンナリーズが大阪エヴェッサを下し、大阪からチーム史上初勝利(4月21日)

4月21日(土) 岸和田市総合体育館で行われた大阪エヴェッサvs京都ハンナリーズの試合後インタビュー。大阪はライアン・ブラックウェルHC、今野翔太選手、青木康平選手、京都は浜口炎HC、仲村直人選手、ジャーメイン・ボイェット選手。
(写真/文=金澤 朱志)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
両チームともハードに戦った素晴らしい良いゲームでした。ディフェンスに関しては良く出来たがオフェンスで停滞してしまったかなと思います。相手に10点近く離されたから戻って来れたのはチームとして素晴らしい結果だと思いますが、最後のボビー(セント プルー)のターンオーバーも含め、タイムアウトが残っていたのでタイムアウトを取るという選択肢もあったと思いますし、簡単なゴール下のシュートを外してしまいました。またフリースローも外してしまったりというところで十分勝てた試合だったと思いますが、そういったところを落としていては勝てるゲームも勝てなくなってしまいます。心の問題だと思いますのでそこはしっかり修正して明日に臨みたい。

―オフェンス、ディフェンスともにリバウンド数がかなり少なかったですが後半は巻き返しましたがその辺対策は練られましたか?
リバウンドの差というのは我々が前半シュートを落としすぎたということがあって京都さんのほうが多かった。逆に京都さんが高確率でシュートを決めてきたので数が少なくなってしまった。後半は京都のシュートが外れだしたので指示というよりも流れの状況の中で起こったことだと思います。

―リン・ワシントン選手が抜けてから1ヶ月ぐらい経ちますが影響はありますか?
特にディフェンスでタフに守れる選手がいなくなったというのはもちろん大きいことだと思いますが、その分他の選手が成長して補っていかないといけないですし、彼がいない間にも沖縄などいろんな良いチームにも勝ってきました。そういった意味ではそこまで影響はないです。もちろん数字上であるかもしれないですけど、チームの雰囲気であったりに関してはそこまで影響はないと感じています。

―主力選手が抜けたことでたくさんの選手にチャンスが広がったこの1ヶ月、特に気になった選手は?今野(翔太)選手についての評価は?
ここ最近の翔太について言いますとやはり自信を持ってプレーしていることが大きいと思います。今日見せたようなルーズボールへのダイブだとかパスのレーンに入って激しいディフェンスすることが持ち味ですし、後半に入って2本立て続けに良いシュートを決めてました。彼に求めていることが彼がコート上で表現してくれています。そういった意味では非常に満足しています。

―ラスト17秒で今野選手を投入した意味は?
ディフェンスはチームで一番良いといっても過言ではないので、その意味で彼に託しました。

―最後はターンオーバーで終わってしまいましたが、あれはどういった指示だったんでしょうか?
目的としてはゴール下で勝負させることでした。リカート選手だったと思いますが彼がターンして良いディフェンスをしてきたので上手くいかなかったんですが、彼に1対1をさせるシチュエーションまでは出来たと思います。

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今野翔太選手
―まずは昨日と今日の試合を振り返っていただいて。ターンオーバーも少なかったですがいかがですか?
ディフェンスゲームでした。前半が終わってもロースコアで後半に入っても点が取れなくて我慢のゲームでした。ディフェンスが最後の勝負を決めたと思います。誰が守るか、誰が抑えるかというところが分岐点だったと思います。

―投入されてから激しいディフェンスでしたが。
あれが持ち味で、あれが出来ないと話にならないのであれはいつも通りのプレーです。

―第3Qの大事な場面で2本シュートを決められましたが。
ミドルシュートは得意なシュートなのでいつも通り打って入ったという感じです。

―出場してない時もコートに向けて応援されてましたがチームの一体感については?
今はとにかく盛り上がっているので僕もそれに乗っかってゲームを盛り上げようとやってました。

―最後2点差で負けてしまいましたが。
僕達がやらないといけないことは明確でディフェンスとフリースローの差で負けてしまったと思うので明日はそこを修正して試合に臨みたいと思います。

―大事な場面でコートに立つ場面が多かったですがどういう気持でしたか?
コーチがなぜ自分に交代と言ったのかちゃんと考えて出るようにしているのと、自分の持ち味が何かっていうのを考えながら。ディフェンスからチームに勢いを与えています。

―今野翔太選手のTシャツを着て応援しているブースターがいましたが。
嬉しかったですね。結構買ってくれてる方がいたので。

―シーズン終盤に向けてチームとしての意気込みは?
僕達としてはウエスト1位で通過してホームで戦いたいという気持ちが強いので残り3試合1試合も負けられない。絶対勝つという気持ちでやってます。

―これからどんな選手を目指していきたいですか?
周りからしたら無理だろうと思われるかもしれないですけど日本代表になりたい。今すぐとは言わないですけど何年後かに日本代表に入りたいなと思ってやってます。細かいことを言い出せばキリがないですけど1個ずつクリアーしていって時間かかると思いますが、丁寧にやっていって上手になっていけたらなと思ってます。

―チームの一体感という意味で、天日さんが最後にヘッドコーチをされてたシーズンも終盤に連勝して1位通過されましたけど、今のチームとして比較して何かありますか?
(今野翔太選手が)3年間、天日さんでしたけど同じような感じです。やっぱりベンチが盛り上がるとコートにいる選手も盛り上がってくるしコートにいる選手がハッスルするとベンチにいる選手も盛り上げようとなっている良い循環になっている。その辺りは一緒だと思います。

―負けても下を向かずに前向きにやっている状態ですか?
そうですね!誰も下を向いてないですね。負けることはダメですけど、今日負けたからとかそういうわけじゃないので、もう次の試合に向けて明日どうしようということを考えていると思います。

―終了後すぐに選手同士話しあっていた場面が印象的でしたが切り替えが早いということでしょうか?
明日に向けて、ここがこうだったから明日はこうしようぜという話ばっかりでした。すごく集中してます。

―プライベートな話になりますがブログで奥さんが妊娠されたということで、気持ち面でプレーで何か影響ありますか?
家族を持つっていうことはしっかりしないといけないので変なプレーも出来ないですし、集中力が上がってきているなと感じます。

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青木康平選手
―まず今日のゲームを振り返って
重たいペースなゲームだったんですけど相手のゲームをしてしまったのが反省です。相手はロースコアに持ち込みたかったと思うんですよね。逆に僕らは早い展開をしたかったので。明日はそういう展開にしたいと思います。

―良いところで点差が詰まってもあの辺はどうでしたか?
耐えて(10点差から)戻って来れたのは今のチームの底力を実感してるんですけど、勝ちきれなかったのが残念です。でもチャンスも何回もあったし2Pの確率がすごい悪いのでイージーなレイアップとか、最近の課題のフリースロー。そこをしっかり決めていけばもっと楽なゲームにできると思います。

―第4Q、フリースローになった時の気持ちはどうでしたか?
フリースローに関してはあれが僕の仕事だと思うんで。(最初のフリースローが)外れたから後の2本を決めれたと思う。心境はすごい楽しかった。

―あのしびれる場面では楽しさのほうが勝るという感じですか?
みんな見てるほうはドキドキすると思うんですけど僕はすごく楽しんでるので安心してくださいって感じです。

―リン・ワシントン選手が抜けて1ヶ月ぐらい経ちましたがチームの状況は?
柱が抜けたのは大きなダメージでしたがそれを補おうとするみんなの共通意識がすごく高かった。それが今のチームのラスト10ゲームの勝敗に繋がっているとおもいますね。

―試合に出てない時のベンチから声を出している場面が結構多かったという印象でした。メンバーの結束力はどうですか?高まってきていますか?
もちろん高まってますね。全員信頼しているし仲間を信じてるんで。コートにいる時もベンチにいる時も。みんな同じ気持ちで戦ってます。

―残り3試合の意気込みを。
今日負けてこれが良い刺激になったと思うんですよね。1番楽しい試合ですよね。順位がゴロッと変わるし頑張ればそのままキープ出来る。僕ら次第だと思うんで。この状況を楽しみながら、誰も下を向いてないのでみんなで頑張りたいと思います。

―試合に負けてすぐに高田(高田紘久)選手と話をされてましたが何を話されてたのでしょうか?
ヒロは同じガードとしてベンチからいろんな状況を見ているので、毎回ベンチに帰った時はヒロと話をしているんですけど、今日はペースですよね。ペースがちょっと遅かったんじゃないかなっていう(話)。

―相手にリバウンドを取られましたけど40本以上取らないと厳しいですか?
確かにリバウンドは毎試合苦しいです。セカンドチャンスをどれだけ決められているのかわからないですけど、僕らが決めきれてないシュートがこの数試合多いと思う。それが一番現れているのがフリースロー。これがずっと半分ぐらいなので。半分じゃ勝てないと思うんですよね。そこをもっと一人ひとりが意識して頑張らないと。それだけで大きく違うと思う。

―頑張るというのは具体的には?
集中しないといけない。集中してないわけじゃないんですけどフリースローは微妙なところですよね。あんまり意識すると意識させすぎて落ちちゃうんで。

―今日の会場の雰囲気はいかがでしたか?
すごい良い雰囲気でしたね。最後ボビーが連続で3Pを決めた時とかすごい盛り上がりだったし楽しかったです。会場がひとつになったのを感じれたし、これをホームコートでやるっていうのは僕らにとってプラスなのでホームコートでやるように僕らが頑張るだけです。

―仲村直人選手にずっとディフェンスされてましたがどう感じましたか?
やっぱりフィジカルも強いしベテランなので(ファール)ギリギリのラインですよね。そこで僕が一歩下がってしまったというのが前半でした。それは明日頭からしっかり準備していこうかなと思います。

―同点フリースローを決めた時が会場が一番盛り上がった瞬間だったと思いますが、ああいう場面で会場の雰囲気は感じられてるものなんですか?
あの場面だけで言うと全然歓声は聞こえてなかったです。逆に(他の)人がシュートを決めてる時のほうが歓声が聞こえてます。

―先の話になってしまいますがこれからお客さんを増やしていく中でオフの期間が挟まれます。オフの期間、エヴェッサが存在を忘れ去られてしまうところがありますが、青木選手はファンを増やしていくにはどういうことを考えてらっしゃいますか?
(「まずは契約が先ですね」と言った後)エヴェッサに限らず日本のバスケットという意味では子供たちに夢を与える仕事だと思うし子供たちがバスケで触れ合うことが集客になると思うんですよね。あとはどのチームに入るかは契約の問題なので。ただ僕は毎年全国周って子供たちにバスケを教えている。それがいろいろ繋がってバスケの楽しさが伝われば会場に足を運んでくれると思うし、そういう活動を地道にやっていくしかないですよね。

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京都ハンナリーズ

浜口炎HC
―今日の試合の総括
両チームともターンオーバーが少なく引き締まった良いゲームだったと思います。

―ここにきてチームの中で特に機能している選手は?
うちは11名が自分の役割をしっかり守ってやっています。特にこの選手がこの時期に伸びたということはなく、全体的にステップアップできている。

―大阪のオフェンス面でアベレージよりも3Pを打たせなかった、2Pの確率も低く抑えたところでディフェンス面の評価は?
非常に足も動いてましたし良いチームディフェンスが出来たと思います。特に前回、(青木)康平選手のところで20点以上やられていたので(仲村)直人がしっかり足を使いながらチームメイトがヘルプしながら頑張ったんじゃないかなと思います。

―今日のポイントとしてはそこ(青木選手を抑えること)ですか?
ひとつの大きなポイントでした。そこを頑張りたいというのがあったので良かったと思います。

―4Q、非常に競ってる部分のなかでどういう指示を?
まずリバウンドをしっかり取るということ。あとはディフェンスをしっかり。(大阪は)シュートが上手い選手が多い。うちはマンツーマンディフェンスなので自分のマークマンにくっつきたくなる傾向がありますが、ボールを中心に守りなさいということ。良くチームディフェンスが出来たと思います。

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仲村直人選手
―今日はオフェンス面というよりもディフェンス面で青木選手を抑えるように指示されてたと思いますがどういうふうに守ろうと思っていましたか?
簡単にシュートを打たせないのと簡単にボールを持たないことを心がけてディフェンスしてました。

―京都は大阪に初めて勝ったということで元大阪の選手としては感じるものは何かありますか?
僕が京都に入って2年目ですけど初めて勝てて、それは嬉しいです。

―今の仲村選手から見て京都のチームの雰囲気はどうですか?
外人、日本人全員コミュニケーションが取れているチームだと思います。

―今の順位は気にされてますか?
気にはしますがあと残り何試合かしかないので1戦1戦、戦うだけです。

―明日に向けては?
連勝するというのがこのリーグでは確かに難しいので今日のことは忘れて明日一からやっていきたいと思います。

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ジャーメイン・ボイェット選手
―まずは試合を振り返って
フィジカルで激しくとても良いチーム同士が良い戦いだったと思います。明日も同じような感じになると思います。

―同点の場面から決勝シュートを任されましたけれどどういう気持ちでしたか?
まずはショットクロックをしっかり使い切るということを考えていました。ペネトレイトしてシューターにパスをするということを考えて、それが無理であれば自分でシュートをすると考えていたプレーでした。

―京都が大阪に勝ったのは初めてですがどう思いますか?
本当に嬉しいです。会社にとっても京都の街にとっても良いです。僕は日本が1年目ですが大阪に勝てたことはもちろん嬉しいです。

―西の2、3、4位は近いですが順位は気になりますか?
特に順位は気にしてないです。他のチームがどうかよりも、自分たちがどう戦うかっていうのが気になっているので、そこだけを考えてプレーしています。