【プレミアム限定】京都ハンナリーズ、ライジング福岡、HCと選手へのインタビュー(2月5日)

2月5日(日) ハンナリーズアリーナで行われた京都ハンナリーズ対ライジング福岡の試合後インタビュー。京都は浜口炎HC、瀬戸山京介選手、福岡は小川忠晴HC、仲西淳選手です。
(写真/文=金澤 朱志)

京都ハンナリーズ

浜口炎HC
―今日の試合の総括
今日もファールの数がかさんでしまって昨日に続いて多く与えてしまった。そこが改善出来なかった部分とオフェンスも普段は決められるというか、いつも決まっているシュートが入らずに、ここ一本という大事なところでミスショットやターンオーバーが続いてしまってなかなかリズムに乗れなかったゲームだったと思います。

―今日第2Q、大きく離されてしまったんですけど福岡のゾーンディフェンスは予想通りでしたか?それとも予想以上に来たという感じですか?
昨日もマンツーマンの後はずっと2-3、3-2のゾーンをチェンジングしながらでしたが予想通りでした。(相手にしてみれば)ゾーンで来るしかないですよね。マンツーマンだとなかなか厳しいと思うので、通常はゾーンかインサイドトラップですよね。どっちかだったと思うので予想通りでした。

―第2、3Qでシュートの成功率が下がってしまってますがあえて言うなら何が良くなかったのか?原因はありますか?
ゴール下でもアウトサイドでも良いシュートはたくさん打ってるんですよね。選手に言ったのは、今日はシュートが入らなかったから負けたっていうのではなんの解決にもならないし何か絶対理由はあるわけで。うちはシステムオフェンスじゃなくてモーションオフェンスなので方向としてはもう少しベターなショットがあったかどうかという判断をやっぱりしないといけないです。例えばムードが良いな、ここ一本決めれば乗りそうだなというところで、例えばですけどJB(ジャーメイン・ボイェット)がトップから3Pを打ったケースがありましたよね、あそこをシュートフェイクからドライブインするという選択肢があったかどうかとか、そういうものの積み重ねなので。(あのシュートが)入ればビッグショットになる可能性もありますけど、うちはスマートなバスケで何とか勝ってるチームなので、シュートが入らなかった原因はそういうところを自分たちで考えたほうが良いかなと思います。

―第2Qに流れが悪くなった時、リック・リカート選手とランス・オーレッド選手をなかなか戻さなかったのは、シーズンのことを考えてババカ・カマラ選手を長く使ったのですか?
いや、そんなことも無いです。ババカはハードワーカーでエネルギーのあるプレイヤーなんですよね。チームがダウンしてる時にああいう選手はチームにエナジーをもたらす選手なので。

―ファールがかさんだということですが、それはハードにディフェンス行った裏返しということなんでしょうか?それでも多いということなんでしょうか?
僕が選手に言ったのは我慢しなきゃいけないですよね。ルーズボールファールや無駄なファールをたくさん与えましたし、チームファールが4つになったら無駄な手を出さないで我慢してバッドショットを打たせてリバウンドを取る展開にしていかないと。じゃないとファールしたら全部フリースローになっちゃいますんで。そこを我慢することが出来れば良かったかなと思います。

―シーズン通してはどうですか?
勝ってる時はもちろん我慢してます。本来うちは我慢出来るチーム。昨日と今日はフラストレーションが溜まって、審判に対してもそうだし、なかなか我慢出来ていなかったと思います。

―来週に向けて一番修正したい部分はどこですか?
うちはターンオーバーが少ないチームだったんですけど、ここ数試合はずっと10をこえてるので、丁寧にプレーすることを心がけていかないと。ファーストブレイクのミスも出てますし、あそこを攻めきるのか我慢してコントロールするのかという良い判断をしていかないと。ターンオーバーしてしまったら何の意味もないので。

―今日のゲームはリバウンドを支配することが出来ませんでしたが。
本当その通りです。福岡は今日勝たないといけない理由があったので非常にアグレッシブに来た結果だと思います。

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瀬戸山京介選手
出だしは良いエネルギーで入れてこのまま行くのかなというところだったんですけど、自分たちが我慢しきれずにファールが混んでしまったりとか相手にイージーなシュートを与えてしまったりとかあって、自分たちでフラストレーションを溜めてなかなか乗り切れない状況が続いてしまった。第4Q、一時追い上げることが出来て6点差ぐらいまで行ったと思うんですけど、その時も自分のターンオーバーだったりとか相手にイージーな得点を与えてしまったので今日のゲームはいろいろ反省点があると思ってます。

―福岡のゾーンディフェンスは予測はされてましたか?
昨日のゲームも長い時間ゾーン使ったりしていたので、それまでの試合を見てもゾーンを使ってるゲームが多かったので、自分たちも練習の時からそういった対策はしていました。

―今日はその対策通りに出来なかった部分が多かったのでしょうか?
インサイドとアウトサイドをバランスよく攻めることが出来なかった。外ばかりボールが回ってしまって、インサイドの人間にあまりボールを触らせることが出来なかった。その結果、チームショットもなかなか打てないしショットクロックが迫られた状態で苦しいシュートを打って相手にリバウンドを取られてという本当に悪い流れでした。そういう時にもうちょっと自分たちで修正して、ディフェンスで我慢出来るようになると流れも変わっていたのかなって思います。

―インサイドにボールが回らなかったというのは具体的には?
福岡のゾーンはインサイドにボールを入れさせないように収縮して守っていたので、インサイドにボールを入れづらかった。3-2で主にディフェンスしていたんですけど、その時にもうちょっとマンツーマンのようにボールを軽くオフェンス出来たら良かったと思います。ゾーンを意識し過ぎて、誰かがずっとボール持ってて、そしてドリブルして、外ばかりボールが回って、なかなかインサイドに入らないことが結構多かったと思うので、ちょっと考え過ぎたのかもしれないです。

―その辺りについて浜口HCから何かアドバイスは?
タイムアウトの時に「このプレーをやってみようか」とか、もうちょっとインサイドをシールしていこうか、とか。インサイドにボールが入らないので僕達がペネトレイトしてゴールにアタックしていくっていう形を作っていこうという話はありました。それを継続してプレー出来なかったのが、オフェンスが良い形で組み立てられなかったというところと、良い形のオフェンスもあったと思うんですけど最後のフィニッシュを落としてしまったりとか相手が上手くファールで止めてきて、こっちはフリースローっていうすっきりしないオフェンスが続いていたんで、そういったメンタル的にも苦しい重たい展開だったようにも思えます。

―ビハインドになったということで焦りみたいなものはありましたか?
(第4Qの)オフィシャルタイムアウトが明けてから早く追いつかなきゃっていうところが自分の中ではあって、焦ってしまってターンオーバーというところがあった。焦りは自分の中では感じてましたね。

―修正するポイントは?
ミーティングでも炎さんから話があったんですけど(オフェンスで)60点台しか取れなくても、逆に相手が60点台とかで1点差、2点差で勝負も出来るようなゲームだったと思うので、やっぱりディフェンスですね。相手がどういうチームとかっていう前にディフェンスのところでしっかりと守れないと、どんな相手でも一緒だと思うんで。

―ファールが多かった原因として焦りもあったんでしょうか?
焦りからというのは僕自身は無かったです。向こうがインサイドで粘り強く攻めてきたというところですかね。あとはもったいないファールが多かったかなと思います。30本近く相手にフリースローを与えてますし、逆にこっちは13本ぐらいしかもらえてない。アタックをしっかり出来ていなかったから、その差も出てきたと思います。うちはインサイドに3枚大きいのがいるので、そこでイニシアティブを取れるような形にしていかないといけないと思います。

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ライジング福岡

小川忠晴HC
―今日の試合の総括
京都さんは、浜口HCがしっかりとチームをまとめている印象があって、僕達よりも(順位が)上にいるので「当たって砕けろ」ではないですけど捨て身でやろうというふうな気持ちが僕の中にはありました。ただ二人がインフルエンザにかかるというアクシデントで来れなかったのが残念です。実際は9人でどこまで対等にやれるかっていうのは見たかったです。それが出来ずに7人で昨日、今日と戦いましたけど7人がチームとしてまとまって戦ってくれたし、また今日来れなかった二人もきっとbjtvとかで観戦してたと思います。今日は本当にチームとして戦えた勝利じゃないないかなと思います。選手は本当に厳し環境の中、練習も今週は一度も5対5が出来なかったのに、2-3ゾーンや3-2ゾーンに対応してくれて、もう僕は選手に頭があがらないですね。ありがとうの言葉しかない。(少し声をつまらせながら)本当に選手が頑張ってくれた結果だと思います。

―今日の戦いはまさに第2Qに尽きると思いますが、今日のゾーンディフェンスの出来はHCからご覧になってどんな感じですか?
今日はちょっと3-2ゾーンを多用したんですけど、昨日も話したんですけど練習をしてないので。本当に博打?イチかバチかでやってみて、昨日のゲームの映像を見て僕なりに分析をして、選手がしっかりと対応してくれたと思います。

―第2Qでケビン・パルマー選手とゲイリー・ハミルトン選手を全く使わなかったのは作戦ですか?それとも休ませるという意味ですか?
昨日の終盤の流れをそのまま上手い具合に移行したかったというのがひとつ。またJD(ジャメイン・ディアマン)に関しても昨日のプレータイムが少なかったので、今日はプレータイムをシェアしたいなという気持ちがありました。ロス(カルロス・ディクソン)が良い形でスコアしてたんで、ロスとJDを使ってスタートしようと。(第2Qなので)日本人が3人出て、その中でも点数をしっかりと取っていたので、(体力的に)キツイかもしれないですけど良い流れだったので使い続けるという形になりました。意図的に出さないということでは無かったです。

―第2Q、3Qは特に守備面で京都の攻撃で一番気を付けていたところ、警戒していたところは?どこを抑えられたと思いますか?
一番気をつけたのはトランジションが遅くなってイージーなレイアップとかスコアのされ方を一番注意しました。今手元にスタッツが無いですけど第2、3Qはリバウンドが上手く絡めていたというか向こうの高さに対して五分五分ぐらいだったと思います。そこで上手く点差を離せたというか流れが掴めた展開だったと思います。

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仲西淳選手
昨日タフな負け方をして、7人しかいないけど気持ちで勝とうという話をしました。今日は本当にディフェンスで良い形で効いて、昨日みたいな展開にならなかったので、ずっとうちが最初からコントロールしながら、うちのバスケットが(出来た)。3-2のゾーンがすごく効果的に効いたので、それが良かったと思います。

―昨日のゲームとの違いでは精神面での違いが大きかったですか?ディフェンスの足の動きも全然違うように見えましたが。
みんな良く動いていたと思うし、今日は石谷(聡)と竹野(明倫)が来れなくて、普段あまりチャンスが無かった徳永(林太郎)と加納(督大)が頑張ってくれて、良いところでチャージングを取ったりとか、すごい細かなところですけどチームに貢献してくれたので良かったと思います。

―昨日のゲームと今日のゲームで仲西選手自身の役割というのは変わってなかったですか?
PG二人が来れなかったので普段はあまりやらないPGをやる場面が多かった。得点を取りに行くというよりかゲームコントロールしてディフェンスを頑張って、それが自分なりに出来たところがあったので、それは良かったと思います。