【プレミアム限定】新潟が浜松・東三河との首位直接対決を制し、イーストの1位に躍り出る(85-80)

1月3日(火)新発田市カルチャーセンターで開催されたbjリーグ、新潟アルビレックスBB対浜松・東三河フェニックス、試合後のインタビュー。(文=荒木ユタカ)

試合の序盤から新潟がゲームを支配し、攻守ともに動きの悪い浜松・東三河を相手に中に外に得点を重ねる。第3Qにはこの試合最大の18点差までリードが広がるか、ここから浜松・東三河が猛烈な追い上げを見せ、終盤には1点を争う接戦となる。浜松・東三河は同点に追いつくが、リバウンドを制した新潟が最後は逃げ切り、これで新潟がイーストの首位に立った。新潟が首位となるのは2007年1月13日以来、実に5年振り。

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浜松・東三河フェニックス

河合竜児HC

-今日の試合の総括について
ゲームの入り方を失敗した感じです。あとはリバウンド、後半は頑張ったんですけど前半のところで、ウチのセンター陣がホルム選手に何本か持っていかれました。ゲームが終わってみれば(新潟とのリバウンドの差が)20本という形ですけど、前半取られた分が一番キツかったです。(ホルム選手はリバウンドを)取る選手なので、ある程度は想定していても、やはりゲームのスタートで(ホルム選手に)集中して取られたという事がありました。あとは(ミスマッチで)高さで勝っている分、インサイド、インサイドで(結果的に)ちょっと足が止まってしまいました。そのせいで、最初にパッと開いちゃった点数がキツかったかなと。

後半、選手達はよく頑張ってくれて追いついてくれたので、最後の部分は本当に悔しい形で終わってしまいましたけど、これから選手達としっかりミーティングして、明日はいい状態でゲームの出足から臨めるように準備したいと思います。

-ハーフタイムにはどのような指示をしましたか?(雑誌)
ハーフタイムですか。ハーフタイムは怒っただけでした(苦笑)。

だって全然ウチのバスケットじゃないですから。後半必ず追いつけるからという話はして、このまま終わったらこれほど悔しいものはないぞと。足を止めてバスケットをするのがウチのスタイルじゃないからということで、それに関して再三しゃべりました。あとはリバウンドですね、セカンドショットをやられるということで。ホルム選手のリバウンドに対して、ウチのセンター陣が意識が甘いということで。そこを強調して話しました。

-序盤にビハインドになった要因は、リバウンド以外にありますか?(バスナビ)
単に足が動いてなかったですね。1対1で守れないということは無いと思うんですよ。ただ最初の時間帯、足が止まっているというか、ちゃんとウォーミングアップしたのか?というくらい体が重そうに動くから。1対1ではどんどん(ディフェンスを)切られましたよね、最初は。それに関しても選手達には話をしました。そこに本人達も言い訳はないでしょうし、あとは翔自の怪我も痛かったですね。ムードは最悪でした。

-そのような場面でHCが盛り返すのを期待するのはベテランなのか、外国人なのか、それともチームとしてですか?(バスナビ)
いや、誰か個人ということは無いですね。ただ、みんなで本来の形に戻そうということで、しっかりとディフェンスして、リバウンドを取ってから、もうちょっとみんなで足を使って動こうと。(前半は)ボールも人も止まった状態でオフェンスをしているから、いいディフェンスをした後に、例えば(オフェンスを)止めてリバウンドを取ってオフェンスに入った、それが(コートの)向こうにいったら足を止めて中だ、中だとか。日本人が外国人を見ちゃうとか。そういった事はゲーム前からある程度予想していたので、そういったことは無いようにと。チャンスはチャンスとして捉えていこうという事と、最初からボールも人も動く状態でゲームを進めていこうという話をしていたんですけど、選手にしても、あれだけジェフのところ、4番ポジションで(ミスマッチの)身長差が出れば、中を見たくなってしまうのも仕方ないんですけど。そこでなかなか足を上手く使っていけなかったですね。ジャメインの足も、最初は温まっていなかったのかいつものスピードが無かったですし。なのでみんなでディフェンス頑張って、足を使って動いていこうと。そうすれば必ず(点差が)縮まっていくからという話でした。前半で20点、差がついたわけじゃないので。15点程度であればすぐに追いつけるからと話はしていました。

-今日の試合の終盤は2回、同点に追いつく場面がありましたが、最後まで逆転できませんでした。河合HCは去年までACとして浜松のベンチにいて、似たような展開で勝つ試合を何度も見てきたと思いますが、この違いはなんでしょうか?(バスナビ)
最後は追いついたんですが、追いついてやられる、そのやられ方が悔しいです。例えばマンツーマンしていて、僕は選手達に、相手に不利にならない状態であればスイッチしていいよと言ってます。でも、マークマンに関してはしっかり責任を持つように話しているんです。それが(終盤の)ああいった時間帯になると、一つやられたのは・・・ウェイン・アーノルドが、(オフェンスで)シュート打っていたというのもあるんですけど、(ディフェンスに)戻りきれてない状態で、(新潟の)誰だったかな?そこに大口が行っちゃったんです。そういったところでいい加減さが出たなと。シュート打ったってハリーバックして戻れるわけですから。アーノルド一人が悪いわけじゃないんですけど、そういった場面、追いついてホッとした瞬間ですね。同点まで来た、その次の瞬間に気が抜けた形で、2回(同点の)場面が来て、2回その後に(新潟に)入れられるというのは、選手達が(同点に)追いついたことで、安心しちゃった瞬間に突かれてるという。ダメージは大きいですね、こちらとしては。せっかく追いついて、これからだ!と、せっかくベンチが思っているところで、コート上の選手達は、よし、追いついた!と一息ついちゃってる。それは僕がここで悔しがっているのと同様に選手も悔しがっていると思うので、明日はそういった事がなく、40分間集中してくれると思います。

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新潟アルビレックスBB

マット・ギャリソンHC

-今日の試合の総括について
すごくフィジカルなゲームだったと思います。レフリーもフィジカルな試合を許容して吹いてくれていたので、やっていても見ていても楽しい展開だったと思います。両チームともたくさんシュートを打つ、シュートアウト(シュート競争)のような試合でした。

浜松さんはとても攻撃が多彩で、いろんな武器を持つとても危険なチームだと思います。平岡、浦上両ACともゲームプランについて話して、準備してきたこと、想定してきたことがほぼ出来たのではないかと思います。

第3Q、浜松さんが恐らく8回連続で得点していると思うのですが、そういった部分は修正しなければいけないと思います。我々がそこで崩れなかったのは、FTをしっかり決められたこと、オフェンスでもディフェンスでも一生懸命にプレーして、ディフェンスでは特に浜松さんのシュート力のある選手を、シュートを打たせずにドライブさせたというのが有効だったと思います。

試合の終盤、最後のタイムアウトで言ったことは、あと3つリバウンドを取れれば、この試合は勝つことができると。で、実際に選手達は3つリバウンドを取って、最後を締められたと思います。

今日良かったのはFTをしっかり決められたこと、明日もしっかりリバウンドを取り続けなければいけないですし、ゲームの出だしで、オフェンスをもう少しシャープに、出だしからオフェンスのエンジンがかかるような展開に持っていきたいです。

浜松さんのディクソン選手、パーマー選手、アーノルド選手、彼らはすごく得点能力のある選手で、どの選手も20本以上のシュートを打って、どんどんスコアしながらリズムを掴む選手です。その浜松さんの中でカギになるのは、大口選手と太田選手、彼らを乗らせないというのはすごく大事だと考えていました。試合前にもそういった話をして、彼らを警戒していました。今日はそれが有効に働いたと思うので、明日もしっかりと戦っていきたいと思います。

-想定していたことが出来たというのは、具体的には?(新聞)
まだ明日ゲームがあるので全ては話せませんが、インサイドをとにかく攻めようという話はしていました。あとはアタックしてFTをもらおうという話もしていました。今日の我々のFTの数というのは(22/30)、今シーズン恐らく最多だと思うんですけど、とにかくアタックしようと話をしていました。

ディフェンスに関しては、もうちょっと向上できることがあると思います。話していたのは、外のシュートを打たせずにドライブさせようと。3ポイントを警戒しようという話をしていました。

浜松さんも(ボールを)プッシュするチームなんですけど、そういったチームに対して走り続けようという話もしていました。

-ターンオーバーが多いようですが(新潟18、浜松12)、この点については?(雑誌)
アグレッシブに行った結果だと思っています。もう少しボールの扱いをしっかりする必要があると思いますが、狙いがあってのパスでのターンオーバーであったりするので、もう少しテクニックの部分で、どこでどのようにボールを貰うか、どのようにパスを回すかというところで、向上の余地があると思います。

前半終わって11個のターンオーバー、ハーフタイムでも話したのですが、ゲームでは18個なので、後半は7個に抑えられたというのはあると思います。アグレッシブに行った結果とは言え、技術的にまだまだ向上できる部分があると思います。

-公威選手の欠場が続く中で、選手のローテーションが変わっている部分もあると思います。今日は根東選手が0得点ながら、5アシストと貢献しました。この変化についてHCはどのように考えていますか?(バスナビ)
シーズンの初めに話したとおり、新潟はベンチの層が厚い、たくさんの武器があるチームだと思います。ファウルトラブルや怪我を想定しながらリクルートして、このチームを作って来ました。怪我はシーズンの付き物だと思っています。今、公威選手が怪我をした中で、他の選手がステップアップして穴を埋めてくれていると思います。3~4人で回しているスポットを、今は2~3人で回している状況だと思います。公威選手の怪我によって、普段であればベンチの選手が長くプレーを続けられる状況です。これは選手にとっていい事で、ミスが出たり疲れが出た時でも、長くプレーすることでリズムを掴みやすくなります。彼らにすればリズムを掴みやすい中でのプレーだと思います。公威選手が戻ってくればこのローテーションにいろんな影響が出ると思いますが、そこはあまり心配していません。それはチームの中で話をしながら、徐々に状況を想定して作っていきたいです。

今ベンチから出る選手に言っているのは、何も心配せず、とにかく積極的にプレーしろと。オープンであればシュートを打てと言っています。ベンチから出る選手も、今日の鳴海選手や佐藤優樹選手のように、スターターと同じように自信を持ってプレーしてくれていると思います。

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#32池田雄一選手

-第4Q終盤の3ポイントシュートについては?(新聞)
入って良かったです、はい。持った瞬間に一瞬、ディフェンスが甘くなったので、やっと打てると思って。

-ディフェンスは厳しかったですか?(新聞)
そうですね、シュートを警戒しているというのはすごく分かりました。チャンスが来るだろうと我慢してプレーしていました。(最後に)あれが入ってよかったです。

-これで東地区の首位になりました(新聞)
シーズン半分も行ってないので。まだ順位は意識せずに、目の前の試合1試合1試合に集中して戦っていきたいです。

-明日への課題は?(新聞)
今日の前半はすごくいい流れで、ウチのペースでやれたんですけど、後半は、点差もあってか向こうは思い切りのいいシュートを打ってくるし、あとは9番の選手(ディクソン)ですね。全てあそこから崩されているので。その対処をどうするというのは、明日の朝の練習で出来ると思います。

-前半はターンオーバーが多かったり、なかなかシュートを打てなかったと思いますが、大口選手に守られているのはやりづらかったですか?(バスナビ)
誰でも(ディフェンスで)張り付かれるとやりにくいんですけど、そういった中でもオフェンスファウル、これもターンオーバー付いちゃうんで非常にリズムが取りにくかったんですが、周りがすごく調子がよくて、ナイルも調子よかったので、前半に関しては、足を引っ張らずによかったかなと思います。

-これで5連勝ですが、勝つ中でオフェンス、ディフェンスともチームが固まってきている部分はありますか?(バスナビ)
やはりディフェンスはリバウンドを取って終わりというのが基本なんですけど、その意味ではちょっとまだクリスに頼っている部分があるので、もうちょっとコートの5人がリバウンドに絡めればいいと思います。浜松さんはシューターが揃っているし、どこもオープンに出来ないのでとても守りづらいんですけど、今日はクリスがリバウンドを取ってくれたので、なんとか勝てたと思います。

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#20ナイル・マーリー選手

-今日は25得点の活躍でしたが、自身のプレーについては?(雑誌)
とても調子が良かったです。いいウォームアップも出来ましたし、この試合の意味や大事さというのは分かっていたので、自分のパフォーマンスを上げなければいけないというのも分かっていました。日々の練習で一生懸命、向上しようと頑張っているので、それが試合に結果となって出たと思います。

-特に後半、浜松のディフェンスがタイトになったと思いますが、それに対しては何を意識しましたか?(雑誌)
プレッシャーをかけてくるので、しっかりとパスが通るというのを確認しながらパスを出しました。しっかりボールを動かすことでディフェンスをシフトさせようと心がけていました。その中でドライブするチャンスをうかがっていたし、ドライブからのキックからのシュートは、みんな良く入っていたと思います。FTをもらった時に、しっかり決められたことも良かったと思います。どちらのチームもディフェンスでとても激しく当たっていたので、その中で結果としてどちらかが勝つわけですが、我々が最後に勝てたのは、FTをしっかり決めたことが勝因だと思いますし、勝つことが出来てよかったと思います。

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#54クリス・ホルム選手

-22得点、20リバウンドとダブルダブルを達成しましたが、今日のパフォーマンスについては?(新聞)
幸運にも、自分がリバウンドを取るのにいいポジションが取れたというのと、みんながしっかりといい場所にパスを回してくれたということの結果だと思います。素晴らしい浜松というチーム相手に勝つだけのシュートを決められて、そして勝利出来たということが一番大事だと思います。

-リバウンドに対して意識したことは?(雑誌)
いつもと変わりませんが、しっかりとリバウンドを取れるポジションと取ること、もちろんどのチームも自分に簡単にリバウンドを取らせてくれないですし、プッシュして押し出してくるというのは分かっているのですが、シュートがどこに落ちるかというのをしっかり見て、良いポジションを取ろうと心がけていました。自分がこのチームと契約した理由のひとつはリバウンドだと思うので、しっかりリバウンドが取れなかった試合は、自分に責任があると思ってます。

-仙台時代のチームメイト、ジーノ・ポマーレ選手とのマッチアップは楽しめましたか?(バスナビ)
すごくいい友だちで、今でも連絡取りますし、夏の結婚式にも来てくれました。そういった仲間と対戦するというのは難しくもあるんですけど、もちろんコートに入ればそれは忘れて、自分の仕事をするだけだと思ってます。昔のチームメイトと対戦したのはすごく楽しかったですし、また明日の対戦も楽しみにしています。