【プレミアム限定】大阪エヴェッサ、宮崎シャイニングサンズ、HCと選手へのインタビュー(11月27日)

11月27日(日) 守口市民体育館で行われた大阪エヴェッサ対宮崎シャイニングサンズの試合後インタビュー。大阪、ライアン・ブラックウェルHC、青木康平選手、ラベル・ペイン選手。宮崎、遠山向人HC、ダリル・ドラ選手、清水太志郎選手。
(文=金澤 朱志)

大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
前半に関しては昨日の修正が出来たという意味で良い入り方は出来た。(後半は)昨日の後半のようなとんでもない状態の試合になってしまいまして、宮崎がハードにアタックして戦ってきたのに対して我々が何も出来なかった、それが全てだと思います。

宮崎が(青木)康平に対してトラップを仕掛けてきた時、トラップ=誰かがフリーでいるという形になりますので、仲間が動き、そこでパスを早く捌いてフリーで簡単なシュートを決めていかないといけない。またそのシュートの状態になった時に選手は自信を持ってシュートを打たないと意味が無いので、そこを今後は徹底して修正していかないといけない。

―2連敗になったことでチームの課題がたくさん見つかったと思いますが、特にどこでしょうか?
特に課題というよりもメンタル的・身体的に強く戦わないといけないと思ってますし、こういうことが起こるのもバスケットボールなので、今後はそこをしっかりとやりたい。選手が戦う気持ちをもって戦っていかなければいけない。またそこに対して練習で修正をかけていくというところです。

―第3Qで追い上げられた時にどういう指示を出して立て直そうと?
宮崎がメンタル的にもいろんな部分で強く立ち向かってくるということを伝えました。それに向かって準備をしておけということは言ったんですけど、それが出来なかったのが第3Qでチームが停滞してしまった全ての要因かなと思います。また宮崎は我々が思っていた以上に戦う意志、闘志を見せてきた。

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青木康平選手
―昨日に引き続き重たかったですが、いかがでしたか?
重たかったのは完全に後半ですね。何が悪いのかっていうのは全員がわかっていることだと思うので、このような展開にしないってことですよね。本当にディフェンスでやられるとオフェンスにすごい引きずるのが激しいので、そこらへんの切り替えが出来るようにならないと全部悪循環です。

―昨日の課題、今日の課題も持ち越しですが、それについてはどう思いますか?2試合続けてというのは珍しいことだと思いますが。
確かに。ただ・・・難しい・・・シュートに行けるまでの選手が限られてて、(シュートの)セレクションの問題になってくると、ウェイン(マーシャル)が一番無難なのかなっていうところなんですけど、ただ宮崎は完全にウェインにはダブルチームに行くと決めていたので、そこのローテーションを今日は上手くやろうと言っていたのにもかかわらず、ダブルチームに自分のマークマンがいった選手が隠れてるんで、そこは完全に宮崎がやりたいことを僕らがあえてやってる感じですよね。だから全部後手後手に回ってて、逆に前半はボールがずっと動いててどこにも収まらなかったから、多分相手もどこを守って良いかわからなかった。だからフォーメーションらしいフォーメーションはあまり無かったんですけど、相手がシュートを落としたっていうのもあるしブレイクも出てた。でも後半は完全に止まってバスケットをしてました。全員が自分のポジションについてから、さぁ始めようという感じになってた。流れを変えたかったんですけど・・・。

―難しかったですか?
難しくは無いと思うんですけど考え方ですよね。

―この問題は選手個々がやっていくしかないという感じでしょうか?
やっぱりビデオを観て、ここはこうだったというふうにやっていくしかないと思うんです。ゲーム中の感覚で言ってても、普段やってなかったら動けなかったりするし、昨日に引き続きボールマンに誰もついてないっていう状況が何度もあった。太志郎選手がダーって運んでいく場面が何度もあったから、そういうところですよね。後半の初めなんて、そういう感じで3Pを簡単にやられて向こうに勢いづかせてしまった。昨日とやられちゃいけないところを守れなかったのが今日の敗戦の一番の原因だと思います。

―ワシントン選手が怪我ということで逆にチームにとって成長出来るチャンスだったと思うんですが、どうですか?
だから前半はそこで上手くいったと思うんですよ。リンにボールが止まってしまうというのはチームの課題だろうし、でもリンがいなくなってみんなでボールをシェアしようという意識は強かったんですよ。ただボールが止まった時に「じゃ、誰で行くか?」って、僕が(マークマンに)ベタ付きされてて、今日は自分はスクリーナーとして行ってたつもりなんですけど、だとしても手詰まりがあってどこで攻めたらいいのかわからないっていう状況だったんですよね。リンがいたらファールもらってFTというのが多かったと思うんですけど、こういう状況だからこそリンがいた時と同じ状況で負けたっていうのはチームとして不甲斐ないですよね。やっぱり打破しないといけないし、一人ひとりがステップアップして、もっと頑張らないといけなかったと思う。(少し考えて)難しいですね・・・簡単なんですけど難しいです。

―これからアウェイが続くことでチームとしてまとまる可能性もありそうですがいかがですか?
負け方は本当に良くないですけど、序盤に負けてたほうが後半負けるよりも全然良いと思うし、ここで課題が出来てリンがいない間一人ひとりにプレータイム、出るチャンスがあると思うので、そういう時にチームとして頑張る。あとは結果はどうあれアウェイで自分らがやるバスケットを40分間貫くことですよね。もう完全に相手に合わせて今日みたいなグダグダになるような試合は絶対避けたいこと。

―ここまで良い流れできて、この連敗でチームが止まらないようにする一番のキーポイントは何になると思われますか?
みんなの意志統一です。負けたことよりも、なんで負けたのかっていうところに集中出来ればチームは集中出来ると思います。ただ負けてしまったといって悪い流れをずっと持ち越すのはあり得ないと思うので、そこだけですよね。だから僕は負けても全然問題ないと思います。最終的に優勝すれば良いので今負けてても全然問題ない。ただその考え方、みんなが同じ意識でやっているかということだけだと思います。

―(チームの悪い)膿を出していけば、また良くなるという感じですか?
今までも何試合も負けててもおかしくない試合を拾ってきたっていうのも正直あるから、連勝してたのは運も味方についてたのもあると思うんですよ。連勝してたからこそ、この負けがあったと思うんですよね。途中でどこかで1個負けてたら、大分での試合だって負けててもおかしくない試合してたんで、そこで負けてたら今日の負けは無かったかもしれない。でも今後僕らがこの負けを生かすためには同じ事を繰り返さないことをやらないと、みんなが同じ意識でやらないとダメですよね。

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ラベル・ペイン選手
―リン・ワシントン選手が欠場し、ペイン選手がスタートに入ったんですが、どういう気持で試合に臨まれましたか?
ずっとスターターとしてプレーする機会を待ってました。もちろんこのような結果でもらえるというのはチームとしては良くないことなんですが、この機会を待っていました。その中で出来ることをファンのみなさんの前で示すことが出来た。僕もプレー出来ることを証明できたのはすごく意味のある試合だったと思います。

―負けてしまいましたがチームの課題は見つかったと思います。それについてはどう思いますか?
課題が出るということは悪い試合運びをしてしまったということですし、チームとして勝つ、負けるというのはあるんですが、今日は単純なミスだったり個人からの自滅がチームに伝染してしまったんじゃないかなというのが感想です。

―リン・ワシントン選手がいないことでチーム的にもラベル・ペイン選手個人的にも成長出来るチャンスだったのではないでしょうか?
もちろん彼がいないことでチームとして成長出来る良いチャンスだと思います。それはメンタル面でもフィジカル的にも彼がいないとこで、どう成長するかにかかってると思います。その成長した後に彼がチームに帰ってきたらチームとして上向きになるんじゃないかなと考えてます。

―ベンチから出場するのは難しいですか?
心の準備だったり大変な部分がありますので、特に今日はリンの変わりということでそこを意識しないというのは嘘になりますし、やはりベンチから出てきて数分プレーしてまた(ベンチに)戻るというのは非常に難しい面があります。

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宮崎シャイニングサンズ

遠山向人HC
―今日の試合を振り返って
ゲームは、大阪のリン・ワシントン選手が故障者リストということで嫌な予感はしてたんですけども、そこでチームに隙が生じてしまって前半相当劣勢になってしまいました。相当僕の目から見て宮崎のチームがソフトな形でゲームに入っていたと思います。ハーフタイム、チーム全員でカムバックしようという話をして見事逆転してくれたので、よく選手達が頑張ったなと思います。またこういうアウェイの地で少ない人数なのにたくさんの声援をしてくれたブースターの皆様の気持ちが本当に嬉しくて、とにかくブースターの皆様を喜ばせてあげたいという一心でした。この2連勝でブースターの皆様が少しは喜んでもらえたらなと思ってます。連勝できているのでこのまま気をしっかりと引き締めて来週も頑張りたいと思います。

―HCは前半悪い出来だったと仰ってますが、点差以上の点差を感じないゲームでした。
僕としては非常に悪いイメージでしたね。あの程度の点差で済んで良かったと思ってるぐらいです。まず(相手チームの)ガードにプレッシャーを与えるべき今日スタメンに入った月野(雅人)と途中で変わった米澤(翼)が、全然プレッシャーをかけれずに腰が引けていたので。それと同時にピック&ロールのところのディフェンスが甘くて、僕がチームとして「こうやろう」というような話と全く出来ていなかったので。

―後半見違えるようなチームになった中で、伊藤拓郎選手がオフェンス・ディフェンスともに良かったですが彼への評価は?
シュートはもちろん入る時もあれば入らない時もありますが、伊藤のディフェンスが完全にチームの柱なので僕の信頼もとても厚い選手ですね。

―ハーフタイムの指示は、やろうとしたことをしっかりやろうという指示ですか?
僕らには失うものは何も無いので、もっとディフェンスもプレッシャーをかけてオフェンスもリングにアタックして、それでチャージング取られても良いから、ディフェンスでファール取られても良いからということで、それぐらいのアグレッシブさが必要だという話をした。チームとしての気迫や闘争心を出してカムバックしようと話し合いました。

―昨日ああいう勝ち方をして、今日はリン・ワシントン選手がいない。難しいシチュエーションだったと思いますが。
昨日も首位の大阪に勝って、ただでさえ気が緩みそうなシチュエーション。さらにリン・ワシントン選手が出ないということですから、まずいなとずっと思ってて相当口を酸っぱくしてゲーム前話しました。ゲーム始まってすぐダリル・ドラが(ウェイン)マーシャル選手にゴール真下でシールされ簡単なシュートを決められたところから、随分ソフトだなと思ってました。向こうの気迫は最初のひとつのプレーで全然違うなっていう部分があったので割と早くタイムアウトを取ったんですけど、なかなか前半のうちに修正することが出来なかった。

―後半立て直して逆転勝ちで首位に2連勝。宮崎にとって上積みは大きかった週末ではないでしょうか?
若い選手が多いので浮ついた気持ちになられると困るんですけど、自分達がしっかりと我慢して丁寧にやり続ければ必ずどんなゲームでもチャンスがあるっていう自信は持てたと思います。ここらへんは評価出来ると思いますね。

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ダリル・ドラ選手
―今日のゲームの感想は?
昨日と同様ハードにアグレッシブにプレーする予定でしたが、最初スロースタートでつまづいてしまって、青木選手を乗せてしまった。第2Q、それがオフェンスにリズムにつながり、リズムが悪くなってしまった。けれど後半はみんなでしっかりやろうということで、それが出来て良かったです。

―後半かなりチームが良くなりましたが、その要因は何でしょうか?
時間がかかりましたけどシーズンの最初、このチームは出来上がっていなかった。少しずつ良い練習を積み重ね、アウェイの試合を積み重ねた今チーム一丸となってきている。やっと上手くいくようになってきているのかなと思います。

―これで4連勝となりましたがこの勢いは続きそうですか?
今うちが勝っている要因はディフェンスなので、そのディフェンスを生かした試合が出来れば。来週やっとホームに戻れるし、ファンの皆様も待ってくれていると思うので、しっかりと試合をして連勝を伸ばせるようにしたいです。

―ウェイン・マーシャル選手に対するディフェンスをどのように工夫しましたか?
(マーシャル選手は)オフェンスの能力の高い本当に良い選手だと思います。HCと僕がスカウティングして、彼がどういうことをしたいのかっていうのをまず教えてもらって、試合中ではタイ(清水太志郎選手)が良いタイミングでトラップに来てくれた。みんなのおかげで、ちょっとですけど彼を止めれたと思います。

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清水太志郎選手
前半終わって点差が開いて、みんなが「またか」とはならずに「追い上げてやろう」という気持ちで後半臨めたのはここ数週間やっぱり勝ってるから。そういう気持ちの切り替えっていうか、どういうふうに戦えばいいのか、どういうふうに今まで勝ってきたのかっていうのが頭や体に染みこんでて勝手に切り替えが出来たのでこういう結果がついてきたと思います。

―首位の大阪に対してこれだけのメンタルで臨めたというのはチームにとってかなり収穫になったのではないでしょうか?
すごい自信になると思うし、チームスポーツというのはチームがひとつになることが大事なんだなと改めて実感した。それはみんな一緒だと思うので、こういうふうに戦っていけたら戦えることがわかったと思うので、そこは継続してやっていきたいです。

―シーズン最初の数試合と今とでは何が違いますか?
個人的に思うのがアシスト数が全然違うかなと思います。シーズン前半は一桁だったりだとか、いったとしても二桁前半だったところが、二桁の10本前半から10本後半、20本ぐらいに伸びていきている。それはやっぱりみんなが信頼してボールを回して、それをしっかり決めているところ。シーズン序盤の連敗してる時はドリブルから始めてたのでアシストもつかないし、パスも回ってないしというところ。それが一番違うかなって個人的には思います。