大阪エヴェッサがホーム連敗を阻止し昨日の雪辱を果たす

10月23日(日) 東大阪アリーナで行われた 大阪エヴェッサ vs 琉球ゴールデンキングスは、両者の意地と意地がぶつかり延長戦までもつれ込む好ゲームとなった。ホームでの連敗は何としても避けたい大阪が延長戦を制し、昨日の雪辱を果たした。(文=金澤 朱志)

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スコアボード

10月23日(日)14:00

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q OT1 合計
大阪エヴェッサ 15 10 17 14 18 74
琉球ゴールデンキングス 9 16 10 21 9 65

【スタート】
大阪エヴェッサ:#1ローレンス・ブラックレッジ、#6竹田智史、#11青木康平、#44リン・ワシントン、#50ウェイン・マーシャル
琉球ゴールデンキングス:#5アンソニー・マクヘンリー、#9小菅直人、#21レジー・オコーサ、#37並里成、#50ジェフ・ニュートン

【レフリー】
漆間 大吾(うるしま だいご)/JIN (じん )/小泉 慎二(こいずみ しんじ)

【観客者数】
2022人

【主な個人スタッツ】
大阪エヴェッサ:ワシントン21点16リバウンド2スティール、青木康平18点(FT9/10)、ブラックレッジ10点12リバウンド7ブロックショット
琉球ゴールデンキングス:オコーサ23点16リバウンド、マクヘンリー17点6リバウンド、ニュートン18リバウンド3ブロックショット

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大阪エヴェッサ

ライアン・ブラックウェルHC
―今日の試合の総括
素晴らしいゲームでした。沖縄さんとやると昨日のゲームもそうでしたけど激しい熱い戦いになるとわかっていた中で、今日は勝つことが出来たのでそれが全てだと思います。またもちろんファンの方にとってこのような試合を見ることが出来たのはすごく良いことだと思いますし、とても楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。ブースターの方々と一体となって、それが勝つという結果に繋がったと思います。

オーバータイムを含めて試合を通してターンオーバーがわずか4つで、ボールも良く回っていてチームとしてまとまってやれた結果が勝利に繋がったと思います。ただ相手にオフェンスリバウンドを合計26個を奪われたのは課題で、ロングリバウンドも含めて相手に与えすぎかなと思いました。ただそういったこともバスケットボールですし運が良かったことも含めて勝てたことが全てだなと思います。

―昨日のゲームで沖縄のインサイドアタックにやられて、今日のゲームは2-3ゾーンやローレンス・ブラックレッジ選手をヘルプに行かせたりという工夫が見られましたが、ヘッドコーチの指示なんでしょうか?
ローレンスに関しては背も高くて手も長い。今日はブロックショットを決めて前半だけで多分7つぐらいしていて良いタイミングでヘルプに行けた証拠かなと思う。リンに関してはボールを持った相手に対して守っていける力強さが非常に効果的だったと思う。ウェインは大きいのでそれだけでも相手のオフェンスにとって脅威になる。総合的に3人のローテーションを上手く使っていけたかなと思います。

昨日は向こうの(ジャーフロー)ラーカイ選手にやられてしまったんですけど、今日はウェインは足をよく動かして効果的に守ることが出来ましたし、オフェンスでも足を動かせるようになったことで効果的なシュートを決めることが出来た。

―開幕4試合を終えて今のチームのパフォーマンスをどう評価していますか?
3勝1敗でこれたのは良いことだと思う。沖縄さんに対して昨日も今日もどっちに(勝利が)転がるかわからないような試合を繰り広げてきて、そういった面ではテストも含めて良い試合運びが出来ていると考えてます。

―青木康平選手がこの2試合共に30分間以上の出場でしたが、青木選手が入って一番チームが変わったところどこですか?どういうところがプラスになっていると考えますか?
青木選手はバランスの取れたオールマイティーな選手です。ボールをコントロールする、スコアする、そしてディフェンスでも効果的に動くっていうところが非常にチームの助けになっている。もちろん試合によっては彼を使い続けたいというのがありますが、チームのプランもあるので、限られた中でいかに使っていくかを考えています。

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ローレンス・ブラックレッジ選手
昨日はああいった結果になってしまったので昨日に比べて全力で臨めて、結果勝つことが出来たのが全てじゃないかなと思います。

―相手のインサイドアタックに対してどうやって守ろうと思ってましたか?
沖縄はインサイドが強いですし強さ・高さ・ボールハンドリングも備えてる選手が揃っています。そういった面で可能な限りダブルチーム、ヘルプに行くっていうことを徹底したことが今日の結果に繋がった。

―震災があって一旦帰国されて、また今シーズン戻ってこられましたけど、今日沖縄に勝って今のチームはどういう感じですか?
この間の震災を乗り越えて、その上で日本の状況を判断して帰ってこれて今は頼もしく思いますし、チーム自体優勝するのに必要なタレントが揃っていて、そのために帰ってきたし優勝を勝ち取ろうと思ってます。

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青木康平選手
本当に気持よかった。久々にこういう感情を味わいましたね。

―昨日と違って第4Qとオーバータイムにフリースローを貰うプレーが見られて、昨日と気持ちの面で違いはありましたか?
ありました。2連勝は難しくても2連敗は避けたいっていうのが正直あったし、ここで負けることによって多分沖縄に対して苦手意識がついちゃうと思うんで、そういった意味では大阪っていうチームを(沖縄に対して)意識付けられたのは収穫だったと思います。

―沖縄のオフェンスがワンパターンになってしまったことはありますが今日はチームディフェンスが出来ていたと思いますが、それについてはどう思いますか?
昨日も第4Q、あそこ(インサイド)でボロボロだったので最初からそこのケアをしようということと、あとはマッチアップについて自分のマークマンに固執し過ぎた部分があったんですよ。でも今日はスイッチが出来たし、ヘルプとリカバーが上手くいっていた。でも沖縄が我慢してインサイドを攻めつづけた分、僕らは逆に今日は楽でした。

―第4Q残り2.2秒でコーチからシュートを任されましたがあの場面については?
正直あれはフォーメーションとは違った場面だったんです。ただ僕のマークマンが引っかかったのを見て上がっていって、(ボールを)持った瞬間勝ったと思ったんですけど(シュートが外れてしまったので)残念ですね。

―次同じ場面がきたら決めますか?
もちろん決めたいと思います。決めます!

―「青木康平選手の魂を見た」と言うブースターもいましたが。
(少し照れながら「そうですか(笑)」と言ったあとで)さっき言った通り今日は負けたくなかったですね、苦手意識がついてしまうので。昨日の負け方も悪かったし。今日はファールを吹いてくれるなと感じてたのでアタックしました。向こうの(チーム)ファールの数がすぐに4ファールになっていたので。

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リン・ワシントン選手
―タフなゲームでしたけど、今日のゲームはどうでしたか?
本当にタフな試合で前半終わって、(両チームのスコアが)25-25という数字が示すように昨日に引き続いてタフなゲームでした。ただオーバータイムに入って、ちょっとエネルギーが残っているのが大阪だったというところだと思うんです。良い試合が出来て結果勝つことが出来た。見てるお客さんも非常に楽しんでもらえたと思います。

―オーバータイムの18点は、他の各クォーターのどの得点よりも上回ってますが。
(すごく驚く) 4つのクォーター戦った後にもう一度スイッチを切り替えられて、これが18点取れたことに繋がった。これこそエヴェッサという試合運びだったと思います。

―新加入の竹田選手と青木選手が活躍しましたが、この二人についてはどう評価しますか?
この二人はシュートを打つこと、バスケをすることを恐れていない。彼らを見ることで他の日本人選手も同じように恐れずにやって欲しいし、最後信じなければいけないのは自分自身。自分自身を信じてバスケに集中してやっていって欲しい。

―昨日はラーカイ選手、今日はオコーサ選手と沖縄のインサイドアタックに対してどう守ろうと工夫しましたか?
オコーサ選手に関しては韓国でやっていて非常に良い選手ということは知ってますけど、彼のムーブは右しかいかないっていうところで対策として立てやすかった。ラーカイ選手は浜松でやってて優勝も経験している良い選手。私の意見ですがラーカイ選手にもっとプレータイムを与えたほうが沖縄にとって助けになったと思います。

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琉球ゴールデンキングス

桶谷大HC
―今日の試合の総括について
負けたのはコーチ(自分)のせいだと思いますし、選手はハッスルしてくれたと思います。ディフェンスでも大阪相手に良いディフェンスしてたんですけど、オフェンスに工夫が無かった。完全にドツボにはまった。昨日のゲームのインサイド(をアタックして成功したこと)が頭にありすぎて、そればっかりになってしまうという一番自分達らしくないバスケットをしてしまった。今日のゲームは自分達のワーストゲームになると思うんで、これ以下のゲームをしないように練習をしてしっかり立て直していかないといけないと思ってます。

―第4Qの最後、並里成選手にピック&ロールをさせたのはあれは並里選手に最後は任せるという形ですか?
ああいう形の練習はずっとやってて、わたしは成で行くもんだと思ってから。

―ビッグマンに任せずにロングシュートを打たせたのは練習通り、予想していた通りですか?
あの時のやらないといけないのは、時間を残してはいけないということ。(同点の場面、沖縄ボールの試合再開で残り時間が)26秒か27秒ぐらいですよね。あの時必要なのは24秒使い切るということで、あれをインサイドの選手に任せてしまうと時間が残ってしまうので。(結果)2.2秒、あれが最高だと思うんです。あれはPGがしっかりコントロールしてやりましょうという練習通りのプレーです。

―ドツボにはまってしまったことについては、HCとしてはインサイドアウトとかしてという形ですか?
もうちょっとインサイドに入れる工夫だったり、そのあとの動きをもうちょっとやってやらないといけなかった。ほぼ(大阪は)ゾーンディフェンスですよね、最後はマンツーマンでしたけど。ああいう時にどういうバスケットをするか。もっとシューターをワイドオープンにさせてやるとか、工夫してやらないと(打開するのは)難しいかなと。

前半ボールをインサイドの選手に持たせすぎて、後半は逆にボールシェアしないと、というのがインサイドの選手を弱気にさせてしまった。最初からバランスの良いバスケットをさせないとメンタル的にも選手をおかしくさせてしまうのかなというのを感じました。今日は全ての面で(桶谷HC自身が)成長しないといけないと思いましたし、練習をもっと向上させないと洗練させないといけないなと思いました。

―今後対戦する相手チームは今日みたいにゾーンをしてくると予想出来るのではないでしょうか?
ゾーンだったり今日みたいにインサイドに入ったらインサイドを徹底的に潰すようになってくると思うんです。もうちょっとやりようがあったと思うので、しっかり準備していきたい。京都は(ヘッドコーチが浜口)炎さんなんでスカウティングをやってくると思うので、その準備をしたい。

―終盤オコーサ選手がインサイドに行ったけれどボールを離せずに、というのがリズムを掴めなかった要因ですか?
そうですね。だからもっと工夫しながらインサイドに入れる。せっかく良いシステムを持っているのでローポストだけでなくハイポスト、ミドルポストなどのいろんなバリエーションを使ったほうが良いなと思いましたね。

―金城選手のコンディションというのはどんな状態ですか?
今週は練習出来ていなかったけど来週出来るというふうには聞いているので、ホーム開幕戦は間に合うんじゃないかなと思います。

―3勝1敗という成績と内容を見てどうですか?
今日みたいに内容が悪くても勝たせてあげないといけないなというのが本音で、それがまだ自分の力じゃないなと思いましたし、そうするとまたファイナルも勝てないなと思っているので満足はしてないです。

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※琉球ゴールデンキングスの選手へのインタビューは移動時間などの都合上、取ることが出来ませんでした。予めご了承ください。