レバンガ北海道 トーステン・ロイブルHCインタビュー

2011-12シーズン開幕の特集としてJBL各チームのヘッドコーチ、新人(または注目選手)へのインタビュー。今回はレバンガ北海道、トーステン・ロイブルHCです。

(文=杉浦 由香)

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トーステン・ロイブルHC

―先ず北海道に来た経緯を教えて下さい。
自分の人生哲学にのっとって、北海道に来ました。
誰も年をとりたくありません。チャレンジしていれば人間誰しも年をとることはありません。チャレンジをやめたその瞬間に人は年をとります。
北海道に来たことは私の人生の中で、そして、コーチとしてのキャリアの中でいちばん大きなチャレンジです。
もう今は自分は高校生くらいの気持ちでいます。大きなチャレンジが若い自分をつくってくれるのです。

―今シーズンの目標をお願いします。
北海道の歴史を見ると、負け越しているシーズンが多かったです。
選手、そしてチームにも負けのメンタリティーが残っているかもしれません。私はそのメンタリティーを打ち壊すために来ました。シーズン中も奇跡だと思われるようなビッグゲームをものにして、負けのメンタリティーを「いつも勝つ」そういったメンタリティーに変えていきたいと思っています。
試合を見に来るファンの中で「私たちのチームが優勝するぞ」と思っている人はおそらく少ないでしょう。ただし、シーズンの中盤から後半にかけてかつチームのメンタリティーを獲得し、チームが良い方向へ進んでいるということをみんなが実感できる、そんなシーズンにしたいと思っています。

―今、最も警戒しているチームはありますか?
ありません。
負けることや失敗することに対してネガティブなったり、恐れたりしないことが私のいちばん大きなアドバンテージだと思っています。負けることを恐れるようであれば、北海道には来なかったでしょう。
いつも前しか向いていません。

―チームのキーマンは誰でしょうか?
私たちのチームにスーパースターはいません。
だけど、スーパースターがいないと理解したスーパースターのチームでありたいですね。

―今シーズンから阿部友和選手もチームの中心人物になりますよね?
彼はいちばん成長した選手であることが間違いありません。でも、さらに成長してほしい選手だと思っています。同じように桜井良太選手や野口大介選手、そして、伊藤将伸選手にももっと成長してほしいですね。
阿部選手はトランジションゲームに対して非常に能力を持っている選手だということは知っています。ただし、今度はハーフコートのゲームに対しても正しいタイミングで正しいパスを入れる、ディフェンスではギャンブルをなくした安定したプレーも身に付け、チームにとって必要な頭を使った、賢く、そして、自分もチームもコントロールできる選手になってほしいです。
それに、選手間投票で最多票を集めて阿部選手が今シーズンのキャプテンになりました。チームメイトみんなが彼に信頼を置いていることがその結果からもわかりました。

―チームの完成度は?
みなさんを驚かせるような試合をしたいと思っています。
しかし、開幕戦の日立との試合に対しては仕上がりとしては十分ではないと思っています。
JBLレベルのチームとの試合をあと5ゲームくらいこなしていればきっと十分な準備といえると思いますが、我々の準備期間はすごく短くて3週間ほどしかありませんでした。それを考えれば仕方のないことだと思います。
だから、シーズンが始まってもこれからチームが成長していきます。
今はスキルは十分ではないけれど、ビッグハートで戦う決心でいます。相手に気持ちの面では絶対に負けないように試合にのぞもうと思っています。シーズンの中盤にはスキルもコンディションも絶対に整っています。