3月6日(日)富山グラウジーズvs新潟アルビレックスBB 試合後のインタビューとゲームレポート

3月6日(日)富山県西部体育センターで開催された富山グラウジーズvs新潟アルビレックスBB戦、試合後の記者会見およびゲームレポートです。

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新潟アルビレックスBB

廣瀬昌也HC

-今日の試合の総括について
「勝てるチャンスは十分だったんですけど、大事なところでミスが出てしまいました。ウチの負けパターンですね。それに尽きると思います。

もう練習しかないと思うんです。また次に向けて。(来週の)仙台さんにどうしても2つ勝たないといけないので。まだホームコートアドバンテージ取りたいというのはあるんで、今週、気持ちを切り替えてというか、本当に決死の覚悟で、来週の仙台戦に臨みたいと思います。」

―第4Qの終盤から延長にかけて、それまで続けていたゾーンディフェンスからマンツーマンにしたのは、やはりマンツーマンで守りきりたかったからでしょうか?
「そうですね、3ポイントでポンポンというのを警戒してました。リードしてましたから、2点(取られるの)は我慢、ただファウルだけはしないように、ということで(バスケットカウント)。

追い上げられて、(FT)1and1のところで2人、外してしまったというのがあるので、(マンツーで守った)その判断は悪くなかったと思います。あとは延長になってからのターンオーバー2つ。あれは非常にもったいないな、という思いはあります。」

―昨日の試合の大勝、そして今日は第3Qで20点リードという事で、気の緩みがあったのでしょうか?
「ちょっとね・・・。ここからだよと、1回(チームを)締めたんですけどね。なかなか修正が効かなかったです。やはりどこかで、まだ甘さがあるんだろうと思います。勝ち切る、2つ勝つ力というのがまだまだ作りきれないと思うので、もう1回しっかりと練習して、今週末に挑みたいと思います。」

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富山グラウジーズ

下地一明HC

―今日の試合の総括について
「今日は選手を褒めてやりたいです。それに尽きますね。最後まで本当に粘っこく、10点差離れても絶対追いつけるからチームのみんなを信じて、ブースターさんも信じて、チーム関係者もみんな信じて、必死になって食らいついていこうと、それしかなかったですね。

その中でも、ゾーンオフェンスを粘っこく最後まで、シュートクロックが無くなってきていても慌てずに攻めれたという事が、昨日から修正して良かった点だと思います。

それでもシュートはオープンで打っていたので、水戸と加藤には「絶対入るから打ち続けろ」と言ってました。ハーパーにも言ってたんですが、よく打ってくれました。

ただ、やはり(シュートは)入れなきゃですよね。(3ptは)水戸は4/9、加藤も1/5、ハーパーも2/7、ハキームも1/5。確率を見たら相当悪いです。これが上がってくると間違いなくフロアバランスが良くなってくるので、水戸も加藤ももっとシュート力を上げないとダメですね。自分自身で分かっているんで。

その意味で、今日の試合で本人たちも気づいてくれているんで、ちょっとずつですけど、本当に成長しているのかなと思いました。」

―昨日の大敗に続き、今日も序盤はリードを許しましたが
「それは計算していました。間違いなく、前半はリードされるな、と。それでも粘っこく付いて行こうと。インサイドの得点力は間違いなく向こうが高いのですが、こっちは向こうに合わせることはない、ウチらのバスケをやっていこう、と。

実際に、今は10点差でも、4試合はなんとか食らいついているから、これで彼らも分かったと思うんですよね。身体能力に関してはとても高いので、ブロックショットやリバウンド、ディフェンスもハッスルすればあそこまで出来るんです。まだまだ全然ですよ。全然ですけど、あそこまでハッスルすれば出来るという事を、今日は分かってくれたと思うんですね。

こういったゲームを取れたというのは、本当に勝負強くなってきていると思うし、先週の滋賀戦も、(点差が)離れた状態からあそこまで接戦に持って行っているんで、ディフェンスもちょっとずつ良くなっていると思います。」

―今日の試合について、評価する選手を選ぶとしたら?
「僕はよくMVPは誰かとか聞かれるんですけど、僕の中ではいません。やはり全員がひとつになり、ベンチメンバーも必死になって戦って。実際、今日の朝チェックしたこともスタートの5人に伝えていたので、僕は誰がどうとかあまり言いたくないんですよ。彼らには、今日はチームの勝利だと。嬉しいだろう?と、それしか伝えてないので。今日は全員がMVPです。」

―古巣の新潟との対戦が1勝1敗に終わったことについて
「それは、何も特別な思いはありません。バスケットを通じて戦うだけなので。僕はバスケが好きなだけなんです。bjの中では、(浜松の)中村さんも(バスケが)好きだし、浜口さんも(バスケが)好きだし、皆さん(バスケが)好きだと思うんですけど、先輩方に負けないように、僕もハッスルして負けないように頑張っていきたいと思います。」

―第4Qの最後、同点に追いついた所でどう思いましたか?(ジョンソンが延長に入るシュートを決める)
「彼らがもう喜んでいたので、バカヤロウと。勝ってないのに喜ぶヤツがいるか?と。これからも戦いがあるんだと言った瞬間にハーパーが切り替えてくれたので、もう1回集中して(OTに)入ろうと。

弱いチームはあそこでガッツポーズしちゃうんですよね。いい選手って、(ガッツポーズは)試合が終わったあとにやると思うんですよ。どんなビッグショットを決めても、平然として。その意味では、僕もまだまだ甘いかな、と。

嬉しかったですよ。よくハキームが決めてくれました。僕も喜んだんですが、すぐに切り替えて。今日は本当にみんなが集中していたと思います。」

―OTで逆転した時は?(加藤選手の3ポイントシュートが決まる)
「加藤にはとにかくシュートを打て、打たなかればシュートは入らん、と。打たない奴は使わない、と。だから山城に、お前は使わない、と。あいつは水戸が退場して、相当動揺したと思いますよ。あの時に思い切ってリングを見て打てば、それで負けても後悔しないんですよ。もう躊躇して、横を向いてどうしようかとあたふたした状態。あんなのは蹴っ飛ばしたい気分ですね。けど、彼は相当悔しがっていたので、その意気を買って、もっと練習でもアドバイスしてあげたいです。

やはりこういう勝負になった時って、戦術、戦略じゃなくて、気持ちだと思うんですよ。いかに勝ちたいか。リングに向かっていく。シュート、リングにアタック。この思いが込められた時って・・・(最後の)加藤のシュートを見たとき、僕は入ると思いましたから。だって、あいつは打つ気でいますから。だから思いましたね、あ、こいつ絶対に打つな、と。

僕はオフェンスの時とか(ベンチで)「打て」とか言うんですけど、あいつを見た瞬間に「あ、こいつ打つな」と。ああいった雰囲気が出ていると、やはり気持ちも入るし、伝わりますよね。」

―第4Qの最後、新潟のFTが落ちて富山最後のオフェンス、ここでタイムアウトを取らなかったのは?
「はい、(そのまま)行かせました。流れがいいのに(タイムアウトで)止めて、またリスタートでディフェンスをがっちり組まれるより、スクランブル状態で行けるなら行けと彼らには伝えていました。」

―するとそのオフェンスはフリーで、チャンスがあったら打てと?
「それが、僕らの求めている4メン(アウト)です。4メンモーションやっている事によって、オフェンスを自分達で作ろうとするし、あそこでセット、セットより・・・新潟さんは、今日はセットにこだわったと思うんですよ。延長でも。それで僕は、チャンスだなと思ったんです。(ディフェンスを)絞りやすくなったので。アシュビーのインサイドで来ると思ったので、あそこでショウディフェンスしてトラップして、案の定ターンオーバーしてくれたんで。

僕が言ったのは、こういった場面では、ボールをシェアしよう、4メンで攻めよう、と。基本的な動きをしっかりチェックして、臨ませました。」

―それは延長の最後のオフェンスも同じですね?
「そうですね。その前の4Qのタイムアウトでは、ハーパーにハイピックをしなさい、と。そのスペースを取りながら、ピックアンドロールのダイブに対して(ディフェンスが)ショウディフェンスしてくるから、回りがカッティングして入れ替わって動いておけ、と。どうしてもボールに対して見ちゃうじゃないですか。あれはディフェンスの思う壺なんですね。少し背中にカッティングして、ちょっとしたズレを作ってあげたり。

ただ、こういう勝負に戦術、戦略はないので、本当に男と男の戦いですね。僕はとても楽しかったです。」

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#9水戸健史選手

―今日の試合の総括について
「前半はあまり点数が取れなかったんですけど、躊躇しているというかシュートは打てていたので、あとはシュートが決まるだけ、といった感じでした。最終的には、チームとしてまとまって、チームとして勝てたのでよかったと思います。誰がとかじゃなくて、チーム一丸となって勝つことが出来たので、これは次に繋がると思います。」

―昨日の大敗を受けて、今日の試合に賭けようという意気込みは?
「昨日は3ポイントが1/7で、打っているのは打っているんですけど、自分のリズムじゃない、打たされてるシュートだったのですが、今日は自分のリズムで打ちに行く、その形で何本か入って、得点に繋がったと思います。」

―昨日と今日で、チームの中で違ったことは?
「みんながリングに向かっていってプレーをしていたということ、あとはディフェンスを粘り強く出来たことだと思います。」

―来週の埼玉線に向けて
「埼玉は順位が1つ上のチームで、ここで2つ勝てれば一気に上に行けるチャンスなので、一生懸命練習して、埼玉戦に挑みたいと思います。」

―第4Qのファウルゲームで、5ファウル退場したことについて
「本当はファウルしないでいたかったんですけど、自分の中では味方のディフェンスを結構待ったんですが、来なかったので、チームに託すつもりでファウルしました。」

―再来週はいよいよ水戸選手の地元である南砺市での開催ですが、意気込みは?
「昨シーズンは(南砺市開催で)結構いい結果が出せて(東京戦2連勝)、週間MVPに選ばれるといういい週になったので、今シーズンも2連勝を目指して頑張ります。」

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#31ハキーム・ジョンソン選手

―今日の試合について
「試合を通して、チーム一丸となって頑張れたという実感はあります。下地HCからも、最後まで決めるべきところは決めるという事は言われていて、それがチーム全体で出来てきたと思います。」

―先週の滋賀戦でもラストショットのチャンスがあり、それは外れましたが、今回は決めることができました
「ハーパー選手からよくアドバイスを受けるのですが、自信を持ってシュートを打って外れた時に、それで落ち込むのではなく、次には絶対に決めてやるという、常に先を見る気持ちを持ってプレーするというアドバイスをもらっていました。今回はそのアドバイスがすごく助けになったので、前回は落としてしまいましたが、今日は自信を持って打つことができて、そして結果が出たことはとても嬉しく思っています。」

―2月の福岡戦でもラストショットでチームに勝利をもたらしました
「いつでもシュートを決めてやるという気持ちで打っているので、まずは気持ちで負けないという事を大切に思っています。」

―下地HCに変わってからの変化は?
「下地HCは、毎日の練習でも、チームのため、選手のためを思ってやってくれていますし、チーム練習以外のところでも、個人スキルを上げるための時間を割いてくれるので、その意味でチームが変わりつつあるというのは、本当に下地HCのおかげだと思っています。これから先のシーズンについても、なんとか勝ちをもぎ取って、プレイオフに進みたいです。」

―第4Q最後のシュートは3ポイントラインに近いショットで、3ポイントであれば逆転となっていましたが、その瞬間に認識していましたか?

「2点で同点、3点で逆転という状況は把握していましたが、まずシュートを入れるしかないというのを考えていたので、自分が3ポイントラインの外にいるのか中にいるのかまでは認識していませんでした。とにかくシュートを入れるのみと思っていました。」

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#14加藤真選手

―今日の試合の総括について
「課題となっている第1Qが上手く入れなくて、ビハインド状態が続いたんですけど、その中で粘り強くやれて延長戦となっていったところが、僕らのチームとしての収穫かと思います。」

―最後の逆転3ポイントシュートについて
「キックアウトから3ポイントというところで話はしていたんですけど、誰が来てもいいように準備していたので、僕もその中でいいところで(ボールを)貰えればいつも通り打とう、ということで、チームメイトを信じていました。」

―前日の大敗、今日もビハインドから延長で逆転、しかも上位の新潟相手ということで、この1勝の意味は?
「ビハインドから最後まで諦めないということで、今まで接戦を落としたこともあったんですけど、今日は逆転できて勝てたということは、チーム全体として自信になっていくのではないかと思います。ただ、出足の部分というのは課題としてあった所で、それが出来てないというのも現実ですし、(ゲームの)入り方をちゃんとやっていれば今日のような苦しい展開にもならなくて、いいバスケットができると思います。その課題をひとつひとつ潰していきたいと思います。」

―第4Qに入る時点でのHCからの指示は?
「やはりルーズボールやリバウンドといったところで1つでも怠ると、相手チームが流れに乗ってしまうので、そこで負けるなということです。やはり気持ちの部分ですね。そこでウチらが勝ちたいか?というのが出ると思うので、そこが第4Qがに出たと思います。」

―第4QまでFGが2/10という状況の中で延長でのビッグショットとなりましたが、チャンスがあれば打つという点で迷いはありませんでしたか?
「やはり、打ち続けろと言われているし、どんな状況でも変わらず打つというのが大事だと思います。任されているというのは信頼されているという事だと思いますし、たまたま最後の状況でそういった場面が来たということで、僕らはいつも準備した通りやりました。」

―下地HCからは「戦う意識」をどのように学んでいますか?
「そういったところは数字に出ない所だと思うんですが、やはりどうやってチャンスを生かすかというところが結果に繋がっていくと思います。HCが熱く教えてくれるので、それを信じて僕らはやるしかないと思います。」

―共に泣き、共に笑うHCからどのような影響を受けていますか?
「下地HCは凄く熱い人ですし、すごく真っ直ぐな方なんで、どの場面でも常に受け止めてくれるし、それが信頼に繋がっていくと思います。」

―技術的にはかなり細かく指導を受けているそうですが?
「例えばドリブルなら、ドリブルの突き方、突く場所だとか、パスならパスを出す場所とか、本当に細かいですね。」

―次戦にむけての意識は?
「先程の課題をしっかりクリアして、終盤戦に向けていい準備(練習)をしていきたいと思います。

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ゲームレポート

富山グラウジーズvs新潟アルビレックスBB@富山県西部体育センター(2011.3.6)

富山-新潟
第1Q 11-24
第2Q 16-15
第3Q 13-14
第4Q 30-17
延長 12-_9
最終スコア 82-79

【スタート】
富山:#9水戸、#14加藤、#3デービス、#21ハーパー、#36スミス
新潟:#1澤岻、#30ヴィーズリー、#32池田、#21アンドリュース、#25アシュビー

【レフリー】
#5デービス、#7石榑、#39田村

【観客者数】
1,525人

【主な個人スタッツ】
富山:ハーパー22pts、FG7/19、17reb、4ast、2stl、水戸17pts、3pt4/9、2stl、カイル15pts、FG7/8、9reb、3ast、2stl、ジョンソン12pts、FG4/5、5reb、3ast、加藤11pts、FG3/11、FT4/4、3ast
新潟:アシュビー24pts、FG10/20、6reb、ヴィーズリー14pts、FG3/6、FT7/10、池田13pts、3pt3/5、アンドリュース12pts、FG5/7、1oreb、3astl、ダヴィッツ9pts、FG3/6、2stl、3blk、澤岻5pts、5reb、5ast、2stl

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第1Q 富山11-24新潟

両チーム、マンツーマンでゲームスタート。立ち上がり、前日はシーズン最悪のパフォーマンスとなったアシュビーが徹底的にインサイドにアタック。マッチアップするスミスひとりでは止められず、またダブルチームもなく、アシュビーがポストから次々にシュートを決める。ヴィーズリーの3ポイントも決まり、9-2となって富山のタイムアウト(7:43)。富山は完全に飲まれてしまいました。

その後も大きな流れとしては新潟。アシュビーがゴール下でバスカンを押し込み、ポストから回ったボールを澤岻が3ポイントで沈める。ショットクロックぎりぎりでアンドリュースが長いシュートを決め、またアシュビーもロングレンジで続くなど次々と得点。

富山はオフェンスのリズムを作れない。アウトサイド中心の攻撃は確率が悪く、インサイドのスミスもアシュビーに対抗しようと奮闘してオフェンスファウルを取られるなど機能しない。単発で水戸や加藤のアウトサイドが決まるのみ。

終盤、ゾーンに切り替えた新潟はコナーレのポストムーブも決まり、24-11と新潟のリードで第1Qを終了。

※新潟の24ptsのうち、12ptsがアシュビー(FG5/7)。この強力なポストオフェンスを軸に、アウトサイドからも澤岻とヴィーズリーの3ポイントなど、バランスのよいオフェンスを展開。

富山はFGが5/15と確実性に欠けるだけでなく、FTアテンプトもゼロ。ターンオーバーも5と(新潟は1)、全くいいところがありません。

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第2Q 富山16-15新潟

新潟はベンチメンバーに入れ替え、富山もゾーンディフェンスに切り替えてそれぞれ流れを変えようとする。しかし富山はマンツーに戻した新潟ディフェンスに対しバタバタとミスが続き、ダヴィッツが2本連続で速攻を決めたところで富山のタイムアウト(8:28)。28-13と、リードは15点に広がりました。

ここから巻き返す富山、鍵となるのはカイル。アシュビーに対してハッスルしすぎたスミスに対し、カイルはフィジカルでは明らかに劣るものの、プレーの質では勝る。ポストのカイルからのパスで水戸の3ポイント、ゴール下では自らのシュートミスを拾ってFTをもらう。

一方の新潟はリズムを失っています。富山の追い上げにアシュビーをコートに戻し、ディフェンスもゾーンに切り替えるもののシュートが決まらない。速攻から水戸の3ポイントが決まり、30-21と点差が詰まったところでオフィシャルタイムアウト(4:49)。

新潟ではアシュビーがゴール下でカイル相手に左手のフックを押し込む。あれだけ確実に左手でシュートを決められるのは、bjでもアシュビーだけでしょう。これにコートに戻った澤岻のドライブからのフローターが続く。軽く浮かせたこのシュートは、見た目以上に決めるのは難しい。

富山はオフェンスで24秒OTになったりと、まだオフェンスは苦しい。34-23で富山のタイムアウト(1:19)。

新潟もタイムアウトを取り(1:38)、その次のオフェンス。ショットクロックが迫る中、ねばり強くパスを回して最後に3ポイントを決めたのは池田。前日から見せている池田、小松のダブルシューター体制は、ディフェンスにとってかなり守りづらい状態を作ります。最後にアシュビーが再びゴール下をアタックし、39-27でハーフタイムへ。

※このQは富山が取りましたが、大きな流れはインサイドの新潟、アウトサイドの富山です。富山は水戸の2本の3ポイントが無ければ、大崩れしそうな状態でした。

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第3Q 富山13-14新潟

いずれもマンツーマンに戻した後半の立ち上がり、お互いにバタバタした展開となる。なかなかシュートを決めきれず、アシュビーのポスト、ハーパーのドライブからのダンクがそれぞれ決まっただけの状態で、新潟のタイムアウト(7:57)。

お互いに決め手を欠く中、3ファウルのスミスに代わってコートインしたカイルがミスを連発。これがヴィーズリーのミドル、アンドリュースの速攻に繋がり富山はタイムアウトで止める(5:45)。

その後も新潟は富山のシュートミスから速攻を繰り出し、アンドリュース、ヴィーズリーらが得点。特にヴィーズリーは速攻からアグレッシブにディフェンスをアタックし、FTをもらいました。ここに池田の3ポイントが続き、ついに51-31の20点差にリードは広がります。

しかし富山もハーパーのドライブからのFT、そして速攻から加藤の得点が決まり、ここで新潟のタイムアウト(1:53)。

終盤、富山はハーパーの3ポイント、そしてハーパーのシュートミスをスミスがバスカンで押し込み、40-53と点差を戻して第3Qを終了します。

※共にシュートの確実性を欠いた第3Qですが、富山はハーパーの内外に渡る活躍でなんとかゲームにとどまっています(8pts、FG3/5、3reb)。しかし、そのオフェンスが単発気味なのは前日と似た流れです。

しかし新潟も低調。アシストはゼロ、2ptは4/12と富山を突き放せません。

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第4Q 富山30-17新潟

お互いゾーンディフェンスでスタート。新潟は得点差があるためか、鳴海がPGとなります。

その新潟、ダヴィッツの3ポイント以外はミスもあり得点が伸びない。アンドリュースがファウルの判定に抗議してテクニカルをコールされるなど雰囲気も良くありません。

富山もしばらくそんな展開につきあっていたのですが、ジョンソンが3ポイントに速攻と持ち前の勢いを発揮。そのジョンソンからのパスで加藤がFTをもらうなど、オフェンスも好転しつつあります。

新潟は早々に澤岻をコートに戻してゲームをコントロールしようとしますが、大崩れこそしないものの、突き放すには至らない。富山ゾーンのギャップを綺麗に突いてアシュビーのダンクが決まり、またヴィーズリーもあっさりと左へのドライブを決めるなどするが、スミスのシュートミスをジョンソンにティップインされるなど締め切れない。富山が50-60と10点差に追い上げたところでオフィシャルタイムアウト(4:47)。

富山のオフェンスが上向きなのは確かです。加藤のアシストでカイルがゴール下を決め、またオフェンスリバウンドにもよく絡むようになってきました。このORからハーパーが3ポイントを決め、じわじわと点差が詰まっています。

オフィシャルタイムアウトからマンツーマンに戻した富山ディフェンスに対し、新潟はそのオフェンスをフィニッシュまで持っていけない。澤岻のミスや、ここまで決めていたアシュビーのポストも決まらない。ヴィーズリーがドライブからFTを決め、そしてアシュビーがやっとゴール下を決めて66-54、ここで富山のタイムアウト(1:50)。ちなみに、この日のヴィーズリーはよく膝が曲がり、FTを安心して見ていられました。

新潟はここからディフェンスをマンツーマンにします。ゾーンではリバウンドを確保し切れず、また廣瀬HCのコメント通り、富山の3ポイントを警戒したものでした。しかし、これが結果的に富山のオフェンスを展開させることになります。

基本的には1on1からのオフェンスをベースとする富山。しかし突破力あるハーパーがアタックし、ゴール下のジョンソンにアシスト。そのジョンソンからのパスで、今度は水戸が3ポイントを決める。一方の新潟は池田が1and1のFTを落としてしまう。62-66の4点差まで富山が迫り、ここで富山のタイムアウト(1:11)。

新潟は池田が3ポイントを落とすものの、アンドリュースがオフェンスリバウンドを奪う。この時点で1分を切っており、富山はファウルゲームに切り替えます。FTは再び池田。ここはしっかりと2本とも沈め、68-62で富山のタイムアウト(44:5)。

富山オフェンス、ジョンソンがヴィーズリーの上からバンクショットのミドルを沈める。ファウルゲームのFTは再び池田、ここでも1本目をミス。逆サイドではハーパーがリングにアタックしてFTをもらい、これを2本とも決めて66-68の2点差、ここで新潟のタイムアウト(28:0)。

FTは再び池田、ここは2/2と決める。富山のタイムアウト後(25:4)、富山は選択を迫られます。4点ダウンの状態で、クイックな2か、点差を詰める3か。ここでは前者、水戸がリングにまっすぐ向かってドライブを決めます。新潟もファウルが出来ないのでディフェンスがルーズになっていましたが、それでも水戸の浮かせたシュートは難しいものでした。

再びファウルゲーム、アシュビーのFTとなりますが、このファウルで水戸が退場。水戸(と加藤)はここまでフル出場で、控えの山城では不安も残りますが、ここはやむを得ません。

結果的に、アシュビーがこのFTを落としてプランとしては成功となります。残り約20秒、ここで富山はタイムアウトを取らず、そのままアタックさせます。

ハーパーのアタックから、そのボールは山城の手に。ディフェンス的には捨てられているので、なるべくしてこうなりました。3ポイントを放つ山城、しかしこれは大きく外れる。ところがこのボールが左サイドのジョンソンの手に、これを迷わずリリースし、ブザービーターで決まる。70-70の同点で試合は延長戦へ。ジョンソンの足はきわどいラインで、ほぼ3ポイントに近い状態でしたが、レフリーがしっかりとその足元を見ていました。

※ここまで冴えなかった富山がついにそのリズムを掴んだのがこの第4Qでした。3ptは3/8、2ptは8/13、FTは5/5とことごとくチャンスを物にしました。5astとボールも回り、リバウンドも12-8とリード。ターンオーバーも1とミスも少なく、勢いがありながらも確実に新潟を追い上げました。

新潟はこの流れに対し、特に終盤は受ける立場となってしまいました。シュートの確実性に欠け(FG5/12)、大事なFTを落としてしまいました(Qとしては6/9ですが、残り約1分に限れば2/4)。astも2だけ、ターンオーバーも4と、ゲームメイクとしても試合の最後を締め切れませんでした。

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OT 富山12-9新潟

両チームマンツーマンで延長戦をスタート。富山は水戸の不在が気になりますが、まずは加藤のパスでカイルが得点。

しかし新潟は池田があっさりと3ポイントを沈め、またハーパーのミスからのFTをヴィーズリーがしっかり決めて、75-72とします。

しかしハーパーはアタックを続け、ファウルをもらってFTを決めます。

新潟は澤岻がボールを失ってしまうものの、富山もオフェンスを組み立てられず24秒OTとなる。ゲームを任せられるPGがいない富山、しかも水戸が不在と、プレッシャーのかかるこの場面は苦しい。

アシュビー、池田がシュートを決められない新潟、富山もジョンソンのシュートが決められずこの状況を打破できない。新潟はやっとヴィーズリーがドライブからFTをもらう。ここで富山のタイムアウト(2:05)。

ヴィーズリーがしっかり2本のFTを決めて77-73の4点差とするが、富山もハーパーのドライブからカイルがゴール下で得点。一方の新潟はポストのアシュビーにボールをいれようとするも、これがターンオーバーとなってしまう。ジョンソンのドライブがFTとなり、ここで新潟のタイムアウト(1:27)。

しかしジョンソンのFTは1/2と、同点のチャンスを逃してしまう。新潟はアシュビーがファウルをもらい、このFTを2本とも決めて79-76に。ところが富山もハーパーがドライブからバスカンを押し込み、ボーナスFTも決めてついに79-79の同点となる。

ここでヴィーズリーもドライブでアタックし、2ショットのFTをもらう。よく膝も曲がり、安定したショットを見せていたヴィーズリーは、ここでは2本とも落としてしまう。そして、富山はここでもタイムアウトを取らずに最後のオフェンスに突入。

そのままリングへアタックするジョンソンから回ったボールはトップの位置の加藤へ。迷わず放たれた3ポイントは見事にネットを射抜き、82-79と決定的な得点を決める。0.8秒でのタイムアウト後、3ポイントを打つしかない新潟のオフェンスは崩れ、澤岻の放ったシュートはリングに弾かれ試合終了。82-79で富山が劇的な勝利を飾りました。

※ここまで来ると僅かな差がゲームの結果を大きく左右します。富山のオフェンスがバランスよくボールを回していたのは事実で、これが最後の加藤のショットをセットアップしました(astは富山3-1新潟)。中心となってのはハーパーを中心とした富山のアタックする姿勢で、新潟はここからの得点を止め切れませんでした。

新潟は大事な場面で致命的なFTをミスしただけでなく、序盤から中盤までオフェンスの軸であったアシュビーを中心としたプレーに決め手を欠き(FG0/2)、富山の逆転勝利のお膳立てをする結果となってしまいました。