12月19日(日)新潟アルビレックスBB vs 島根スサノオマジック 試合後のインタビューとレポート

欠場中の澤岻選手に続いて、コナーレ選手も前日の負傷で欠場となって苦しくなった新潟。しかし島根はその新潟に連敗し、新潟に2連勝を許してしまいました。試合後のインタビューの様子はこちらです。

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島根:ジェリコ・パブリセビッチHC

-今日の試合の総括について
「まず廣瀬HCのチームの勝利について、おめでとうございます。新潟は私たち以上に頑張りましたし、上越の体育館の環境もとても良かったです。バスケットボールの為にも、体育館が満員になることはとても重要です。

私たちのチームは昨日のショックがまだ残っていて、今日はうまくリズムを作れませんでした。試合の最後の10分間以外は、いいリズムではありませんでした。コーチとしてこのゲームを分析すると、前半で1本もFTを打っていません。これはとても珍しいことです。(試合開始から)25分で初めてFTを打つことができました。

個人的には新潟がとても好きで、全日本の監督として初めて練習試合をした時に新潟と試合をやりました。新潟が発展していることはとても嬉しいです。新潟はいいバスケットの街だと思います。」

-第2Qに得点が伸びなかった要因は?
「ゲームを分析すると、インサイドで得点が出来ませんでした。私たちは(第2Qに)1本もFTを打っていません。アウトサイドの選手は石崎選手以外はそれ程経験がないといった状況もありました。島根には初めてのシーズンの選手もいますし、観客や環境も影響したでしょう。」

-島根はアウェイの1試合目に勝てませんが、これには何か要因がありますか?
「また昨日の質問の話になってしまいますが、私が気付いたいくつかの点は、バスケットボールの為には良くない事だと思います。その日、上手いチームが勝つべきですが、私はこの仕事で生きていますので、自分がこれまで積み重ねてきたものを、他人に奪われたくありません。」

-現状のチームにとって、インサイドのプレーは課題でしょうか?
「カード選手は、去年ウルグアイリーグの強豪チームで活躍し、ファイナル4に進出したチームで重要な役割を果たしていました。彼はとても強いコンタクトのプレーをします。ゴール下のプレーが得意です。でも、それがスタッツでどのように評価されているでしょうか。彼は現在日本でプレーしている選手の中で、最も1対1が上手い選手と言っても過言ではありません。私たちがインサイドからシュートを打っていない訳ではありません。インサイドにちゃんとボールは入っています。そういった問題は、私たちのチームとしては解決できません。選手達がプレーしていないからではないのです。

ゴルゾン選手はスペイン、オーストラリア、フランスでプレーしていました。彼はそんなトップレベルでプレーしていましたが、ここではどうすればいいのか分からないと言っています。彼の技術は完璧です。右でも左でもシュートを打てます。

それが、質問の答えです。私たちがインサイドでプレーしていない訳ではないのです。ここまでインサイドでやって、FTが1本も無いというのは、私のキャリアでも見たことはありません。それは基準の問題でしょう。」

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#0石崎巧選手

-新潟戦の2試合を振り返っての感想は?
「自分達のやるべき事を1試合、徹底して続けることが出来ないなという感じです。相手の変化にも対応しきれてないと思いますし、そういった意味で、チームとしての脆さが出てきているのかなという印象を受けています。」

-今日の島根は前日と全く違うような印象でしたが、これはメンタル的なものが理由でしょうか?

「ここ最近はチームとしても波に乗れないと言いますか、各選手でいろいろ考えなければいけない状況が続いていると思います。そういった事が1年を通して無いという事はないと思いますし、僕らは新しいチームという事で、初めて組んだメンバーでもありますから、自分達がどうやって勝っていくのかという事を、この中で探していかなければいけないと思います。その意味では、今日の試合であったり、今の状況を良い物にしていかなければいけないなと思っています。」

-島根はホームでは6勝2敗と結果を残していますが、アウェイでは2勝10敗と苦戦しており、特にアウェイの1試合目は全敗しています。この状況を意識する事はありますか?
「シーズンが開幕した最初の頃は、自分達のディフェンスを我慢することが出来たと思うのですが、最近は、少し言い訳のような物が出てきています。審判に対してもそうですし、チームの中でも、チームメイトに対しても無くはないですし・・・。また、やるべき事をもう1度見直すことです。(試合に)勝つ、勝たないというのはその時の運もありますし、いろんな状況も左右してくると思いますが。その1試合目で勝てないというのは、大きな原因があるという訳ではなくて、何を直さなければいけないかと言えば、自分達の戦う姿勢であったりとか、(シーズンの)最初に持っていたバスケットに対する考え方を貫くことだと思います。」

-特に今日の試合では新潟のゾーンを攻め切れなかった印象があるのですが、ゲームをコントロールするPGとして感じた事はありますか?
「向こうのゾーンがウチのオフェンスに対応してきているものだったので、そういった状況で、フォーメーションの中でなかなかチャンスを作れなかった時に、ただただ1対1になってしまう部分が多いものですから・・・それはマンツーマンの時もそうなんですけど。結局、複数の人数をかけてプレーを作れなくて、ひとりで全てやってしまうのが多かったとは思っています。」

-コート上の半数以上が外国人というbjリーグでプレーして約2ヶ月が経過しましたが、外国人選手をコントロールする事の難しさは感じますか?
「パスが2回まわれば外国人に回ってしまいますし、選手に少しフラストレーションが溜まっていれば、そこでチームのプレーが終わってしまうような状況もあるので、そういった中でコミュニケーションを取っていかなければいけないというのが凄く大切な事だと思ってます。その中で僕らが、コンスタントにプレーできるという事を彼らに示すことが出来なければ、彼らもそういったマインドになってしまいますから、僕としては、まず自分の力を示していくことで、発言権ではないですけど、それを得ていくことが、ガードとして重要なことだと思っています。前半戦の中である程度そういった事ができていると思いますので、これからもっともっとコミュニケーションを取っていきたいなと思っています。」

-チームとして、ジェリコHCの求めるバスケットを体現できているでしょうか?
「そうですね、コーチのおっしゃっている事が出来ていれば、もっともっと試合には勝てただろうし・・・(しばらく考えてから)まだまだコーチの求めている理想のバスケットには程遠いのが現状だと思いますし、僕らもそれに追いつけるように、まだまだ努力しなければいけないと思います。」

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新潟アルビレックスBB:廣瀬昌也HC

-今日の試合の総括について
「イッサもいない中で、前半、ディフェンスをすごく頑張ってくれました。ゾーンと、ちょっと変形したのと、マンツーマンもちょっとトラップ仕掛けたりとか、出だしにちょっと仕掛けて足を動かそうとしたのが、勢いを付けたというか、そこが良かったです。

後半は、正直言って動けなかったです。第3Qは(シュートの)入れ合いになっていたのですが、ジェリコHCをずっと見てたんですけど、動く気配が無かったので、これは我慢のし合いだなと思いながら我慢し続けた結果・・・正直、FTですよね。FTが入ったから、追いつかれることなく行けたのかなと思います。」

-ガード陣のプレーについての評価は?
「ディフェンス面では、(島根のオフェンスが)ピックアンドロールなので、ジュリアスとどうコンビを組んで守るか?なんですよ。今回はプレッシャーをかけていこうというのと、方向付けしていこうというのを用意したんですけど、第3Qにちょっとやられだして、僕が「そこのピックだよ」と言った時に、ジュリアスが方向付けするのを選択したんですね。それで1回(島根のオフェンスが)止まった。それがターニングポイントになったと思います。あれから(島根がピックアンドロールを)使わなくなった。ほとんど使ってないんじゃないかな。そこはコミュニケーションだよ、と。ジュリアスが間に合えば、トラップをしかけるディフェンスをするし、ジュリアスが間に合わなければ、方向付けするディフェンスをする。本当に1回のディフェンスなんですけど、石崎が困った、結局攻めきれずにターンオーバーになった。あそこがキーになったと思いますね。」

-イッサ選手不在の中で、外国人選手のローテーションについて
「今日は前半(ファウル)2回はダメ、出来るならゼロ。その為に、ジュリアスとザックの所にボールが入ったらダブルチーム、それで他がやられたらしょうがない。前半は薮内選手のシュートが入ったんですね。向こうもそれでリズムが出てきたんですけど、そこは(決められても)いい、と。とにかくファウルしないで後半に勝負をしよう、という事でした。後半の出だしに仕掛けたら裏目に出て、そこから(ディフェンスで)動くのを止めました。(そこからは)フィジカルに行きなさいという事で、ジュリアスが前半(ファウル)ゼロだったので、最後はよく1対1で守ろうとしてくれました。」

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新潟アルビレックスBB vs 島根スサノオマジック@リージョンプラザ上越(2010.12.19)

新潟-島根
第1Q 20-19 
第2Q 18-6
第3Q 23-22
第4Q 15-17
最終スコア76-64

【スタート】
新潟:#6齋藤、#30ヴィーズリー、#30池田、#21アンドリュース、#25アシュビー
島根:#0石崎、#9籔内、#20エバンス、#8ゴルソン、#52カード
※新潟はコナーレが前日の負傷で欠場、島根は#55横尾に替わって#9薮内がスタート

【レフリー】
#11JIN、#13清水、#42Gonzo

【観客者数】
2,405人

【主な個人スタッツ】
新潟:アシュビー22pts、FG9/18、11reb、アンドリュース18pts、FG7/12、18reb、5TO、池田15pts、2pt3/4、Ft4/4、2ast、ヴィーズリー15pts、FT8/11、5reb
島根:ゴルソン13pts、FG6/15、7reb、横尾12pts、FG5/10、カード12pts、6reb、石崎10pts、6ast、2stl、1TO、フィッシャー6pts、デービス4reb、2blk

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第1Q 新潟20-19島根

両チームともマンツーマンでスタート。インサイドアタックで始まるのも前日と同じ。前日と違うのは、ファウルトラブルにならないよう、カードが守るのがアシュビーではなくアンドリュースという点。しかしカードがファウルトラブルになれば島根がピンチになるのは同じなので、アンドリュースが積極的に攻める。そのアンドリュースはローポストから果敢にアタックして初得点を決め、またFTももらうが、その後はカードを攻めきれない。

島根はこの日スタートとなった籔内のジャンプシュートでスタート。更に速攻からカードのゴール下、そしてゴルソンのミドルショットと続く。続いて石崎のエンドラインへのドライブ、籔内のジャンプショットと得点するのに対し、新潟はヴィーズリーの3ポイントとジャンプショットで反撃。

新潟はコナーレが欠場の為外国人のローテーションが厳しいが、ここは根東がアンドリュースに代わってコートイン。これが結果的にチームの動きを軽くして勢いを与える。アシュビーのポストからのシュートに続き、根東のドライブからFT。そして池田がバランスを崩しながらもバンクショットの3ポイントを決めて14-12と逆転。更に池田は2本目、そして3本目と3ポイントを沈め、新潟が一気にリードを広げる。

島根はゴール下のオフェンスを確立できず、アウトサイドも決まらずに苦しいオフェンスが続く。しかし終盤に石崎からのアシストでデービスのダンク、そして最後も石崎から横尾へのパスが通り、この3ポイントがブザービーターで決まる。20-19と新潟が僅差でリードして第1Qを終了しました。

※新潟は3ポイントが4/5と高確率で決まりますが、島根も8アシストとボールがよく回る(新潟は5)。リバウンドは島根が10-8とリードするも、ターンオーバーが5あります(新潟は3)。

この時点では、まだいずれのチームの流れを掴めていない状態です。

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第2Q 新潟18-6島根

序盤はお互いに得点を決められない展開が続く。新潟はインサイド、アウトサイドとも決まらず、また島根の3ポイント攻勢も得点に繋がらない。

先に勢いに乗ったのは新潟。ヴィーズリーのスティールからの速攻、続く速攻からヴィーズリーが再びFTをもらう。そしてヴィーズリーが仲西のシュートをブロックするとこれが速攻へ繋がり、ここから小松のジャンプショットへ。新潟の6連続得点で26-19となり、ここで島根のタイムアウト(6:33)。

新潟は池田のドライブからFT、一方の島根は横尾の3ポイントが決まってやっとこのQの初得点。島根はここまで4分以上に渡り無得点でした。

その後しばらくバタバタした展開が続き、4:51の時点でオフィシャルタイムアウト。新潟が28-22とリードしています。

新潟はここから2-3ゾーンに切り替えるが、これを島根が攻められない。インサイドへのパスが通らず、アウトサイドも決まらない。ゾーンに切り替えた直後に石崎の3ポイントが決まったものの、その後が続かない状態。

新潟はインサイドを中心としたオフェンスを再び組み立てる。アシュビーのFT、ポストからのジャンプショット、そしてこれにアンドリュースのジャンプショットが続く。

島根は新潟のゾーンを攻められないまま約4分も過ぎてしまい、残り51.7秒でタイムアウト。

そしてここで新潟にとってインパクトのあるプレーが決まる。右ウィングでボールを持つのは池田、ここからアンドリュースとのピックアンドロールを展開する。スクリーンが綺麗に決まり、ボールは池田からゴール下へカットするあアンドリュースへ渡り、これにデービスのヘルプは間に合わず、アンドリュースが派手なダンクを叩き込む。

これで新潟が38-25とリードを広げてハーフタイムとなります。

※島根はこの10分間でわずか6得点、それも3ポイントの2本だけで(横尾と石崎)、2ptFGも決められず、ファウルももらえないのでFTもありませんでした。ターンオーバーが2しかないのでシュートまでは行っているのですが、それがことごとく外れてしまいました。実際には、島根のシュートの多くはミドルショットか3ポイントで、インサイドのデービスのFGAが2本だけ、他に石崎や仲西のドライブもありましたが、全体としてはアウトサイドからの単発のオフェンスになってしまった印象があります。

新潟は引き続きインサイドが軸となりますが、前半でFTを7/10としっかり決めているのも大きな要因です。このQでもリバウンドでも16-10とリードし、ターンオーバーはゼロ。新潟としてはここまではゲームプランに近いバスケットが展開できているようです。

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第3Q 新潟23-22島根

後半からは得点が動きます。新潟はアシュビーのゴール下バスカンからスタート。横尾が思わず下で手を出してしまいました。そしてヴィーズリーのドライブからのFT、アシュビーのハイポストからのジャンプショット、そしてヴィーズリーのドライブでのFTと続きます。

島根もゴルソンのドライブからFT、石崎からのアシストでゴール下のカード、続くオフェンスでも石崎のパスがゴール下のゴルソンに通りますが決まらず、しかしカードがそのボールをリングに押し込みます。

新潟はインサイド陣が好調。速攻からアンドリュースのFT、そしてカード相手にアシュビーがポストからのターンシュート。気が付けば52-34と新潟のリードが18点にまで広がっています。

前半もなんとなく感じていましたが、第3Qに入ってからはっきり感じたのは、島根の選手達に前日のようなキレというか、覇気がないこと。それを象徴するようなプレーがありました。ヴィーズリーのドライブからファウルをもらいFT。1本目は決めますが2本目はリングにはじかれてしまう。しかし、このリバウンドに飛び込んでティップインで決めたのはアンドリュース。島根の選手は足があと1歩動きません。

新潟はインサイドだけでなく池田も得点に絡みます。横尾相手にポストプレーを挑み、ウィークサイドへのドロップステップが綺麗に決まります。池田が3ポイント以外の部分で得点に絡めるのは大きい。

終盤は再びアシュビー。ミドルレンジのジャンプシュートを左サイド、右サイドと連続で沈めます。

島根も石崎、フィッシャーの3ポイントなどが決まり、またゴール下ではカードが引き続きがんばっていますが、点差を詰められないまま、47-61の14点ダウンで第3Qを終了しました。

※このQの新潟は3ポイントを1本も打たずに、FGは2ptのみで8/14、FTも7/9でした。中でもアシュビーとアンドリュースの2人で17pts、FG7/11、6rebとペイントエリアをがっちりとコントロールしました。

一方の島根は3ptこそ3/5と高確率で決まりましたが、2ptは5/14(35.7%)と得点に結びつけられませんでした。ここまで試合を通してターンオーバーが9と決して多くないのですが、チームのFGが30%台ではさすがに苦しい。

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第4Q 新潟15-17島根

島根は横尾のドライブからのループショットが決まり先制。ディフェンスでも頑張り、新潟に簡単に得点を許しません。アンドリュースのトラベリングやヴィーズリーのシュートミスもあり、新潟は得点できない。ヴィーズリーは開幕序盤で見せたようなアグレッシブなドライブが完全に影を潜め、思い切ってリングまでアタックできずに中途半端な判断をしてしまうパターンがしばらく続いています。

島根は速攻からエバンスのFT、そして横尾が速攻からバスカンを決めて53-63の10点差になったところで新潟のタイムアウト(7:20)。横尾のシュートはディフェンスから逃げずに左手でよく決めました。

その後しばらく得点が止まる両チームですが、新潟は池田が左へのドライブからフィッシャーのファウルをもらってFT。フィッシャーはこの試合だけで同じ左方向に(最低でも)3回も抜かれてファウルしています。

島根のゴルソンのシュートが決まったところでオフィシャルタイムアウト(4:54)、得点は65-55と島根が徐々に点差を詰めています。

その後島根は速攻から石崎のFT、これを決めて65-57のひと桁差となり、やっと試合に緊迫感が出てきました。

島根は石崎の3ポイントが外れたものの、カードがオフェンスリバウンドを拾って得点。更にカードがしっかりと1and1のFTを決めて61-67の6点差まで迫ってきました。残り時間は約3分、まだまだチャンスはあります。

しかし、このムードを一気に変えたのがアンドリュース。アシュビーのシュートが外れるとリバウンドに跳び、1度はシュートを外したものの、再びボールを掴むとフェイクからバスカンを押し込みます。このFTも決めて70-61、これでほぼ試合は決しました。

その後は多少バタバタとした展開となりますが点差が詰まることはなく、新潟が76-64でホームでの連勝を飾りました。

※島根はここまで確率の低かった2ptFGが5/10と決まり、ディフェンスでも新潟のターンオーバーを8も奪ったのですが、リバウンドでは8-15と新潟に支配され、また3ptも0/5と決められませんでした。

この10分間は新潟も決してよくなかったのですが、FTを8/10としっかり決めたこともあり、ゲームが大きく崩れることはありませんでした。

チーム全体としてのスタッツに大きな違いはなく、リバウンドは新潟が49-38とリードしたものの、アシスト、スティール、ブロックはいずれも島根が上。ターンオーバーも同数でした(いずれも13)。

違いは2ptFG、新潟の20/46(43.5%)に対し島根は18/47(38.3%)、そしてFTの試投数、これは新潟の27に対し島根が13でした。

しかしスタッツ上の数字だけでなく、この日の島根に前日のような勢いのある雰囲気を感じませんでした。島根の場合は石崎を筆頭に各選手に能力がありながら、決して個人技に走らず、チームとして攻めてくるところに「怖さ」があります。実際、前日の試合に関しては(終盤を除けば)ゲームの大半が島根の流れでした。特定の選手にこだわらず、チームとして効果的なアタックを継続する。対戦相手にとって、これほど怖いものはありません。なので、前日の試合に関して新潟は「勝負に負けて試合に勝った」と表現することができます。

ところが日曜の試合に関しては、島根にそのような怖さを感じる場面がほとんどありませんでした。終盤にはコート上で選手がほかの選手を責めるような光景もあり、明らかにチームとしてまとまっていませんでした。タレントレベルとしては、島根は十分なものがあるはずです。それは、土曜の試合で十分に証明しました。しかし、そのクオリティのゲームを2試合続けるだけの力がまだチームに備わってないようです。実際にbjでその力があると言えるのは浜松くらいしかないのですが。

新潟に関しては、澤岻不在のホーム4試合を2勝2敗で終えたのですが、その課題は相変わらず山積しています。特に土曜の試合のように、チームプレーで新規チームの島根に完全に主導権を握られてしまったというのは、かなり大きな問題なのかもしれません。アシストの数が全てではありませんが、やはり澤岻抜きではチームとしての組み立てがあまりに不安定なのが実情です。このシリーズのようにアシュビーがインサイドで機能すればいいのですが(アンドリュースの活躍も基本的にはアシュビーがいるからこそ成り立っています)、それが止められた時は全てが止まってしまう脆さも持ち合わせていると言えます。